蚊の種類と出やすい場所は?日本にいる蚊の特徴
夏になるとでてくる害虫の1つが蚊です。プーンという羽音はうるさく、刺されるとかゆみに悩まされます。しかも伝染病も媒介する危険な害虫です。私たちの身近には一体どんな種類の蚊がいるのでしょうか?蚊の種類と特徴をまとめました。
蚊とはどのような害虫?身近にいる蚊の種類は?
夏になると悩まされる害虫の1つが蚊です。しかし、どのような種類がいて、どのような特徴を持つのか、知らないことが多いのではないでしょうか?
日本には約130種類もの蚊がいるといわれ、そのほとんどが血を吸う習性をもっています。そんな中でも私たちとかかわりの強い蚊にはどのような種類がいるのでしょうか?蚊の生態や一生をはじめ、身近にいる蚊の種類をいくつかご紹介します。
蚊の生態と危険性
蚊は時速8kmほどの速度で獲物を求めて飛び回ります。しかし、血を吸うのはメスのみで、しかもメスにとっても血は主食ではありません。
ではなぜメスが血を吸うのかというと卵を産むための栄養とするためです。メスは1回の吸血で自分の体重とほぼ同じ量の血を吸います。腹いっぱいに吸血したメスは3日もすると卵巣が成熟し、産卵のために好みの場所を探しますが、産卵場所は種類によって多様です。
蚊は水のある所に卵を産み付け繁殖します。しかし、種類によってキレイな水でないと卵を産めないものや汚い水を好むもの、ある程度の広さのある水たまりを好むものや空き缶にちょっとたまった程度の水でも十分なものと、繁殖に必要とする水質や量もさまざまです。
産み付けられた卵は種類によっても異なりますが、2~5日で孵化してボウフラになります。その後7~10日ほど水中で暮らしながら脱皮を繰り返してさなぎになり、3日くらいで羽化すればもう成虫です。
蚊のメスは成虫になってから2~3週間ほどの寿命があり、長い場合には40日以上生きることもあります。その間も吸血と産卵を繰り返すため、繁殖の条件がそろってしまうと爆発的に増える危険のある害虫です。
蚊は吸血の際に、血の凝固を妨げる抗凝血作用物質を流し込みます。蚊に刺されるとかゆくなるのは、この物質によるアレルギー反応のためです。
しかし蚊の本当の恐ろしさは、刺された際に伝染病を媒介されることでしょう。日本では日本脳炎や近年流行したデング熱があげられます。蚊によって伝染病を媒介されるのは人間だけではありません。ペットでいうと犬のフィラリアも該当します。伝染病にかからないためにも要注意な害虫が蚊なのです。
アカイエカ
アカイエカは沖縄と小笠原諸島を除き、日本全国に生息します。成虫の体長は約5.5mmで、明るい茶色をしている蚊です。
活動時間は夕方~夜にかけて吸血することから、夜起こされたり刺された場合はまずこの蚊だといえます。成虫の活動期も3月~11月と長く、寿命は20~40日とされますが、冬は家の中で冬眠すると考えられていることから、半年ほど生きるものもいる蚊です。
家の中で見ることが多く、昼間は家の壁や天井で休んでいます。夕方から活動し始め、人だけでなく鳥類の中でも特に鶏を好むのが特徴です。犬の感染症であるフィラリアを媒介することから、人だけでなくペットにも注意を払ってあげましょう。
アカイエカはどぶや下水溝、用水桶などのやや汚れた水場での発生が多くみられます。水のよどんでいるところは定期的に掃除したり、下水溝などには殺虫剤などを使って駆除しましょう。
ヒトスジシマカ
ヒトスジシマカは秋田県・岩手県を北限として分布している蚊です。しかし近年の温暖化で繁殖域を広げつつあり、懸念されています。成虫の体長は約4.5mmで黒色に白色の縞がある、通称ヤブカと呼ばれている蚊です。
活動時間は昼~夕方にかけてが多く、活動時期も5月~11月と夏をピークに動きます。移動距離は50~100mと狭く、成虫としての寿命は40日といわれ、寒さを苦手とするのが特徴です。
ヒトスジシマカは草むらや公園、庭などの草むらに潜み、近くに来た人や動物を狙います。デング熱などを媒介するため、注意が必要な蚊です。
ヒトスジシマカは少ない水でも繁殖でき、墓地の花立てや竹やぶの切り口、空き缶の中のわずかなたまり水でも繁殖します。植木鉢の受け皿にたまった水をこまめに捨てたり、空き缶などのゴミを放置しないなど、わずかな水たまりも作らないことで予防しましょう。
チカイエカ
チカイエカは蚊の中では寒さに強く、本州・四国・九州に生息します。成虫の体長は約5.5mmで色は明るい茶色をしているため、アカイエカと区別がつきません。
活動時間は昼夜を問わず、1年中活動します。アカイエカと同じで天井や壁に潜伏し、冬は暖房のあるビル内で吸血活動をおこなう厄介な蚊です。地下鉄構内や地下街でも活動していることが多く、成虫の寿命は30日ほどといわれています。
チカイエカは1回目の産卵では血を必要としません。「無吸血産卵」と呼ばれる特徴を持つ蚊ですが、2回目以降は吸血行為が必要となります。冬になっても蚊に刺された場合はこのチカイエカが原因で、ビルの地下の水たまりや浄化槽、地下鉄の路線際の溝などが繁殖場所です。
チカイエカの繁殖場所は個人では手を出せない場所がほとんどのため、ビルなどの建物内や地下鉄を利用する際には、長袖などの皮膚の露出が少ない服装などで身を守る必要があります。
おわりに
日本には厄介な蚊がたくさんいます。今回ご紹介したものは、あくまでよく目にするものにすぎません。夏は蚊の季節でもあります。「たかが蚊に刺されただけ」と甘くみず、体調が悪くなったらすぐに病院に行きましょう。何よりも蚊に刺されないよう、できる限りの注意を払うようにしてください。
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