ウルトラマンはなぜ夕日が似合ってしまうのか?

帰ってきたウルトラマン
ウルトラマンシリーズのエモい瞬間と言えば、夕日に映えるウルトラマン。夕日×ウルトラマンと言えば、ウルトラセブンのメトロン星人との決闘シーン。夕焼けをバックに2人のキックが交差するなどしびれる演出の数々。昭和シリーズ屈指の名作でもあり、誰もが最初にイメージする夕映えのウルトラ戦士。他にもウルトラマンエースの最終回、地球人に向かってエース最後の願いを伝えるのシーン。ウルトラマンガイアの最終回、地球を守り抜いた勝利報告のガッツポーズなど。空がオレンジ色、夕暮れ時になっている場面は、ウルトラマンが怪獣を撃破し、視聴者側としてもほっと安心している時間である。ウルトラマンが視線を下ろして、地上の人間たちに対して地球の平和を誓う。これによりウルトラマンに対して絶大な安心感を抱いてしまうため、夕日×ウルトラマンの組合わせは最高にエモいのだと考えている。しかし逆に大ピンチの状況で、夕焼けフェーズを迎えてしまったのが「帰ってきたウルトラマン」。ウルトラ好きの中では、彼こそがダントツで夕日の似合うウルトラマンかもしれない。夕日が落ち行く中での、グドンとツインテールの二大怪獣との激闘。さらに彼は不運にもこの状況をもう一度経験してしまう。夕日が落ち行く中での、ブラックキングとナックル星人の二大怪獣との激闘である。どちらも前後半の二話構成で相当熱い。二体の怪獣を同時に相手しなければならず、夕日が落ち始め空が茜色に染まっても戦い続けるウルトラマン。しかし夕日が沈みゆく中で、地球を守るため二大怪獣との死闘を繰り広げる、夕映えの戦士・ウルトラマンジャックの勇姿が最高にかっこいいのである。そして二つの戦いに共通して、ウルトラマンは一度敗北をしてしまうことになる。カラータイマーが鳴り響く中で、ウルトラマンが夕日を背に視線を下ろしたまま活動を停止。我らのウルトラマンが負けるという、あまりにも絶望的な展開だが、このシーンが帰ってきたウルトラマンの代名詞とも言える瞬間として語られている。しかしウルトラマンは二度負けない。地球人との共闘などを経てこの二大怪獣を撃破する。どんな絶望的な状況にあっても、最後まで絶対に諦めない雄姿をウルトラマンが教えてくれた。

(Written by 山岸悠也)

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