【日本酒★新発見】台湾・香港からの訪日観光客向けメディア企業が台湾人向けに日本酒を新発売!
右がジーリーメディアグループ吉田皓一社長、左は喜多酒造の喜多整(ひとし)社長
いよいよ東京オリンピックが近づいてきました。目下、外国人受け入れのための仕事に従事している人も少なくないことでしょう。今回は外国人の中でも、台湾・香港からの観光客向けに活動している企業をご紹介。昨年末に台湾向けの日本酒を発売されました。
台湾・香港向けの訪日観光情報サイト「樂吃購(ラーチーゴ―)!日本」 を運営しているジーリーメディアグループ(東京・渋谷)は、奈良県の喜多酒造とタッグを組んで、昨年11月、「これあらた」という台湾市場向けの日本酒を新発売しました。
「これあらた」という名称は、中国の古典・詩経にある“維新”を訓読みしたもの。令和元年に新発売された日本酒なので、新しい時代を作るという意味を込めて命名されたのだとか。
緑色のボトルには「NEW」の文字デザインが白色で施されています
台湾人の好む味覚を、ジーリーメディアグループが徹底的に市場調査し、喜多酒造が「日本酒に馴染みのない台湾人にも抵抗なく飲んでいただけるように、軽快でフルティーな味わいに醸しました」(吉田さん)とのこと。
台北にあるジーリーメディアグループ経営の日本アンテナショップですでに販売されており、今後は台湾の百貨店や飲食店などでも販売・提供される予定です。海外なので関税などもかかり、720mlで6000円~7000円と現地では高めで販売されております。日本での販売は喜多酒造のみで、税別4800円(720ml)とのこと。
筆者も味わってみましたが、確かに飲み口がスムーズでスルスルと入っていき、重くないので、2杯目もすぐにお代わりできそうな味わいでした。精米歩合60%の純米吟醸なので、香りは華やかで、味わいもフルーティで甘め。台湾は日本のように醤油を使った甘辛い料理が多いので、こういったお酒と相性がいいのではと個人的には感じました。もちろん和食にも合いそうです。
お米は日本酒用の酒造好適米ではなく、あえて食用の「イクヒカリ」を使用。雑味の出やすい食用米ですが、創業300年の歴史を誇る喜多酒造の技術を駆使して、きれいな味に仕上がっていました。透明感のある豊かな味わいなので、ワイングラスで楽しむのもオススメです。
ワイングラスで楽しめる日本酒。甘辛い醤油味とも好相性
現在、日本酒を醸す酒蔵は全国に1400以上あり、その土地ならではの特徴を生かした酒が醸されています。ほとんどが小規模の蔵で、その土地で醸されたお酒なので地元で消費されることが多く、海外(や台湾)の市場に流通するお酒はごく一部ということになります。
吉田さんは「見方を変えれば、台湾に日本酒のファンが増えれば、台湾からの訪日観光客が蔵のある土地を訪れる一つのきっかけになるのでは」と考え、今回の企画に着手されました。台湾は飲酒習慣がほとんどない国なので、「台湾人のマインドを変えることは我々にとって大きな挑戦。台湾最大の日本観光メディアを運営する我々だからこそできることを、しっかりとやっていきたい」と意気込んでおられました。
日本の観光産業の発展のために、日本と台湾の友好のために今後も励んでいかれるそうです。
≪筆者プロフィール≫▪タッキー
国際きき酒師(英語)&きき酒師。飲食ライター歴20年の食いしん坊バンザイ!記者&PRプランナー。日本酒やワインなどもこよなく愛す。株式会社GreenCreate代表。テレビ番組などにも出演中。
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