【話題】東京都福祉保健局のベビーシッター利用支援事業が危険すぎると物議 / 対象者に所得税として高額な税金がやってくる可能性
文筆家であり、赤ちゃんフォトアプリ「BABY365」プロデューサーの高沖清乃さんが、福祉保健局の「民間のベビーシッターを1時間150円で利用できる制度」に対して懸念する声をあげています。そしてその実態を知ったデザイナーの山下あか理さんも、「国の制度に問題がありすぎる」と苦言を呈しています。
・ベビーシッター利用支援事業
問題視されているのは、東京都福祉保健局のベビーシッター利用支援事業。この支援展開は、詳しくは公式サイトで確認してほしいが、「0~2歳児の待機児童の保護者」で、「保育所等の0歳児クラスに入所申込みをせず1年間の育児休業を満了した後、復職する方」を対象者とし、「お子さんが保育所等に入所できるまでの間、保育所等の代わりとして、東京都の認定を受けた認可外のベビーシッター事業者を1時間150円(税込)で利用できる事業」である。この支援で何が問題なのか? 資料には以下のような一文が書かれている。
・東京都福祉保健局の説明の一部
「この事業では、各認定事業者が1時間当たり2,400円(税込)を上限に定めた利用料と、利用者負担額(1時間当たり150円(税込))との差額を、東京都及び区市町村が公費で負担し、認定事業者に支払います。東京都及び区市町村が公費で負担した額(助成額)は、利用者にとって、所得税法上の「雑所得」となり、その他の給与所得以外の所得金額との合計額によって、以下の申告が必要です。(申告により、後日、所得税等が課税されます)」
・確定申告によって多額の税金を支払う可能性
カンタンに言えば「ベビーシッターを1時間150円で利用できるものの、公費で負担した分はあなたの所得として計算しますよ」という点であり、確定申告によって多額の税金を支払う可能性が出てくるのである。そもそもこれは支援と言えるのか? インターネット上で議論が勃発している。以下は、高沖清乃さんのTwitterコメントである。
・高沖清乃さんのTwitterコメント
「敵を作るかも、しれないけど言いたい #保育園落ちた ら、民間のベビーシッターを 150円/h で利用できる件 これはちょっと「ない」。確かに入れないよりましかもだけど、カラクリがだいぶやばい みんながわかってないことをいいことに or パフォーマンスなのか」
「50円/と実際の「民間」のシッター料の差額が助成される。たとえば、1時間2000円のシッターさんを8時間お願いすると、本来は1日16,000円。しかしこの制度で1日1,200円でシッターさんを利用して働くことができる。なにこれ、すごい! と、おもいきや じつは、助成された差額は、「あなたの年収(雑収入)」として計算される。と、言われてもピンとこないかもですが つまり、あなたが年収350万円で仕事復帰したのに、この制度を使うと、あなたは 年収750万 で計算される(説明だいぶ端折っています)」
「使った「シッター代金」のうち、助成された差額があなたの収入という計算になります。それがなにか? と思っているとまずい。あなたは確定申告をすることになり(結構たいへん)、かつ、年収750万円分の「追加の税金」を【まとめて支払う】ことになります」
「お得にシッターさん利用したんだから、多少は払ってもいいなんて言っていると、さらにまずい。年収350万円のかたが、1日8時間ほどシッターさんを利用して勤務していると、どのくらいの「追加の税金」がくるか 都が、小さい字でしれっとリンクしている「モデルケース試算表」によると、繰り返しになりますが、年収350万円のかたが、1日8時間ほどシッターさんにお願いして月~金働いていると、年間75万円の「追加の税金」を払うことになります」
ベビーシッター事業応援してるけど、国の制度に問題がありすぎるし、事業側も「150円になったよ!」をアピールするだけじゃなく、その後の税制について説明するべきだし、それが「ユーザーファースト」なんじゃないか。どの事業者のページを見ても、ちゃんと税制に言及出来てないように見える。 https://t.co/dYBBKoDzPr
— 山下 あか理 (@AkrYmst) February 11, 2020
敵を作るかも、しれないけど言いたい#保育園落ちた ら、民間のベビーシッターを 150円/h で利用できる件
これはちょっと「ない」。確かに入れないよりましかもだけど、カラクリがだいぶやばい
みんながわかってないことをいいことに or パフォーマンスなのか。つづくhttps://t.co/puDGsMAyW2— 高沖清乃 (@kiyono_t) February 11, 2020
150円/と実際の「民間」のシッター料の差額が助成される。
たとえば、1時間2000円のシッターさんを8時間お願いすると、本来は1日16,000円。しかしこの制度で1日1,200円でシッターさんを利用して働くことができる。なにこれ、すごい!
と、おもいきや(つづく)#保育園落ちた #シッター1時間150円
— 高沖清乃 (@kiyono_t) February 11, 2020
じつは、助成された差額は、「あなたの年収(雑収入)」として計算される。
と、言われてもピンとこないかもですが
つまり、あなたが年収350万円で仕事復帰したのに、この制度を使うと、あなたは 年収750万 で計算される(説明だいぶ端折っています) つづく#保育園落ちた #シッター1時間150円
— 高沖清乃 (@kiyono_t) February 11, 2020
使った「シッター代金」のうち、助成された差額があなたの収入という計算になります。
それがなにか?
と思っているとまずい。
あなたは確定申告をすることになり(結構たいへん)、かつ、年収750万円分の「追加の税金」を【まとめて支払う】ことになります。#保育園落ちた #シッター1時間150円
— 高沖清乃 (@kiyono_t) February 11, 2020
「お得にシッターさん利用したんだから、多少は払ってもいい」なんて言っていると、さらにまずい。
年収350万円のかたが、1日8時間ほどシッターさんを利用して勤務していると、どのくらいの「追加の税金」がくるか。 つづく#保育園落ちた #シッター1時間150円
— 高沖清乃 (@kiyono_t) February 11, 2020
都が、小さい字でしれっとリンクしている「モデルケース試算表」によると、
繰り返しになりますが、
年収350万円のかたが、1日8時間ほどシッターさんにお願いして月~金働いていると、年間75万円の「追加の税金」を払うことになります。つづくhttps://t.co/jVQCk96cIm— 高沖清乃 (@kiyono_t) February 11, 2020
75万円。おおむね一括で、ですよ。確定申告とか結構手間をかけてやる上に、75万円支払うんです。
それを12か月にならしたら、毎月62,500万円の保育料
どころじゃなくて(つづく)#保育園落ちた #シッター1時間150円
— 高沖清乃 (@kiyono_t) February 11, 2020
そもそもあなたは、150円/hの保育料と、シッターさんの交通費を払ったうえに、「追加の税金」がくるのだから、
交通費にもよりますが
よく考えたら、保育関連出費で【月額100,000円】 とかに、普通になります。つづく#保育園落ちた #シッター1時間150円
— 高沖清乃 (@kiyono_t) February 11, 2020
ちょっと後ほど、税理士さんに確認してみますが、これって、さらに
・来年の住民税が上がる
・夫の会社から出ている家族手当が減る
・シングルのかたは、年収ふえたとかいって、養育費が減らされる(雑収入だとないのかな?)とかも、起こりうるのでは?#保育園落ちた #シッター1時間150円
— 高沖清乃 (@kiyono_t) February 11, 2020
さらに
8時間シッターさんにお願いする場合、往復を考えると実質6時間勤務。「時短」勤務となるかと思います。そうすると、年収350万円も微妙になってくる人も多いと思うんです。#保育園落ちた #シッター1時間150円— 高沖清乃 (@kiyono_t) February 11, 2020
年俸350万円得たとしても、ここから所得税やらひかれて、さらに保育関連で月に10万円払うことになったら、産後の身体でめちゃくちゃに働いたことがなんかこう….
「あれ?なんだっけこれ」
って、ならないでしょうか。#保育園落ちた #シッター1時間150円
— 高沖清乃 (@kiyono_t) February 11, 2020
最初に言ったように(言ったっけ?)、保育園に入れずに会社に席がなくなるよりはマシ かもしれないし、いくら支払ってでもまずは復帰したいという気持ち、わたしもよくわかります。自営業のかたやフリーランスのかたはなおさらかもしれません。#保育園落ちた #シッター1時間150円
— 高沖清乃 (@kiyono_t) February 11, 2020
それでも。なんかちょっとこう。まったくしっくりこないし、都のサイトの説明も、
まずそれを書いておけーーーーー!
と思ったりはします。以上です。#保育園落ちた #シッター1時間150円
— 高沖清乃 (@kiyono_t) February 11, 2020
なお、本題の雑収入になる件ですが、都が決めたというより、そもそも国の税制ルールだそうです。※教えてくださったかたありがとうございました ルールとはいえ、ちょっと今回のシッター150円の告知では税金が増えることがわかりにくいですね— 高沖清乃 (@kiyono_t) February 11, 2020
同じようなケースが保険や証券など金融広告でも度々ある。今はユーザーのリテラシーが高まっていて、みんな「サービス」に懐疑的だ。だからこそ、「メリットもデメリットも平等に説明するサービス」こそ本当にユーザーに愛されるんじゃないか。これはそうあってほしいという私の願いかもしれない。
— 山下 あか理 (@AkrYmst) February 11, 2020
・のちのち大きな負担となる可能性
支援とは何なのか。困っている人たちの負担を限りなく減らし、貧困やストレスなく生活していけるよう助けてあげることが支援の本当の意味だと考えられるが、この支援制度が対象者の所得としてのちのち大きな負担となるならば、それは支援と言えないかもしれない。
・本来の「支援」という意味
その場はしのげても、のちのち、大きな負担として襲い掛かる危険性があるこの支援制度。本来の「支援」という意味を遂行できているのかどうか、疑問視されている。東京都福祉保健局としても善意から生んだ制度だと思われるし、その点は評価するべきだが、そうであれば、もう少し対象者のことを考え、手厚くできないものだろうか。
もっと詳しく読む: 京都福祉保健局のベビーシッター利用支援事業が危険すぎると物議 / 対象者に所得税として高額な税金がやってくる可能性(バズプラス Buzz Plus) https://buzz-plus.com/article/2020/02/12/babysitter-use-support-project/
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