貧困対策には投資も重要なんだけど。
この記事はkenさんのブログ『Tokyo Life』からご寄稿いただきました。
貧困対策には投資も重要なんだけど。
途上国の貧困対策には国際援助より投資が必要、という主張はそのとおりだと思うのです。国際援助の価値を軽んじるわけではないし、その役割、意義は確かにあるんだけど、貧困から脱し自立するには結局商売、経済がまわることがカギで、そのためには資本がないといけない。だから投資が必要で、国内に十分な資金がない途上国では海外からの投資の誘致が重要な課題になる訳です。
現に中国は30年前から、インドは20年前から、ザンビアやモザンビークも4、5年前から市場開放、規制緩和を始めて投資を誘致し、顕著な成果を上げてます。ミャンマーもこれから来そうですよね。
ところが、アフリカの後発途上国の中には、口では「投資が必要」と言いながら、元々汚職や腐敗、政情不安で投資リスクが高いのに、さらに外資系企業を搾取するような規制を導入して、投資のインセンティブを削いでる国も見聞きします。株主の目があり、コンプライアンスもうるさい日本や欧米のマトモな企業がなかなか投資に踏み切れないのも道理なんです。
また、そういう国は得てして天然資源が豊かで投資先として潜在的には魅力的なんですけど、そういう後発途上国の指導層は、海外からの投資が経済活動の資本になっていくことよりも先に、自分の懐を豊かにしてくれることを狙っているように見え、そんなところに投資はできっこないなぁと、素人の私でも思います。
で、そこに入って来るのが中国企業。節操なく参入し、相手側とズブズブな取引をして利益を上げているように見える。まあ、ある意味中国企業は大きなリスクを取っているわけで、単純に非難されるべきことではないけれど、日本企業や欧米企業が真似できることではない。で、中国側と途上国の指導層はwin-winの良好な関係を築いていると自慢されまして、確かに彼らに取ってはwin-winでしょう。お互いにうまい汁を吸っているわけで。
というわけで、日本はアフリカ進出で中国に遅れを取っている!と騒がれても、そもそも中国と日本のアフリカにおける立ち位置が違いすぎて、競争にさえならないです。
しかし、理想的な投資環境が出来るのを待っていたらいつまで経っても投資に踏み切れないし、ただ出遅れちゃうだけなので、日本は日本で、相手側に真っ当な取引を迫りながら、公正で持続可能なビジネスの実践を促し続けるしかないんでしょうかね。
どうなんでしょう、商社の方々?
執筆: この記事はkenさんのブログ『Tokyo Life』からご寄稿いただきました。
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