この体験はプライスレス!「海外家族ノマドライフ」

この体験はプライスレス!「海外家族ノマドライフ」

今回は板羽宣人さんのブログ『これ買ってまじ良かったよ!』からご寄稿いただきました。

この体験はプライスレス!「海外家族ノマドライフ」

昨年夏のニセコでの1ヶ月滞在に続いて、今回はハワイで家族ノマドをおこなってきました。
約20日間の滞在だったわけですが、ニセコ同様*1、今回も得るものが多くあり、我が家にとっては「これまじ!」な体験となりました。

*1:「こんな快適な夏があったのか!ニセコでの長期ノマドワーキング!」2011年08月30日『これ買ってまじ良かったよ!』
http://koremaji.com/2011/08/niseko_nomad/

今回の「これまじ!」は海外家族ノマドライフについて書いてみたいと思います。

なぜ家族ノマドライフを行っているのか?

そもそも、我が家はなぜ家族ノマドライフを行っているのでしょうか?
単身者でノマド的な生活をしている方は最近ブログなどでもよく見かけますが、我が家は家族で行っています
妻と小学生の子どもを引き連れてとなるとハードルはグンと上がってしまうわけですが、それでもやるにはやはり理由があります。
理由は大きく分けて2つあります。

1.1つの場所に住むことのリスク回避
2.今後来るであろう世界に子どもをいち早く順応させる

1つ目の理由である、”1つの場所に住むリスクの回避”について、それを感じたのは、やはり昨年の東北地方太平洋沖地震です。
被災地から避難されない方を見て「なぜ他府県に避難されないんだろう」と感じられた方も少なくないのではないでしょうか。私もそう感じた一人です。

しかし、少し冷静にこれを自分に置き換えて考えてみました。
もし仮に、日本全体が放射能で汚染されることがあり、日本に住むことのリスクが高くなったとき、果たして自分はすぐに日本を離れることができるのだろうか?と。

答えは「No(無理)」でした。

これまで”のほほん”と日本で暮らしてきた私や家族が、いきなり海外に移住するということは相当ハードルが高いことです。
仕事や子どもの教育など、たくさん考えないといけないことがあります。

これは相当まずいなと感じました。
地震や放射能の問題だけでなく、今後日本は経済破綻する可能性もゼロではなく、これまでどおり、安心して暮らすことができるという保障は一切ありません。
そんなリスクが考えられる時代に、「日本を離れてどこででも暮らせていける状態を作っておかなければいけない」と考えたことが家族ノマドを行うに至った1つの理由です。

2つ目の理由は、今後、日本が外国人と一緒に暮らしていくであろう社会に、今のうちから子どもを慣れさせておくということです。
日本の総人口は2005年1億2,800万人をピークに減少しはじめ、2030年には1億1500万人に、そして、2050年いは9,500万人になるという予測が出ています。
また、下記は日本の人口ピラミッドですが、少子高齢化が進み、現在働き手4人で1人の老人を扶養しているのが、2030年には2人で1人を扶養、2050年には1,5人で1人を扶養することになるとも予測されています。

この体験はプライスレス!「海外家族ノマドライフ」

https://px1img.getnews.jp/img/archives/hawaii13.jpg

その状態で日本の経済が成り立つ訳がなく、外国人をどんどん受け入れていくしかありません。

昨年夏に滞在したニセコは非常に外国人が多いところで、参加した地元の夏祭りでも参加者の半分ぐらいの方が外国人で、かつ、外国人と日本人の間にできたハーフの子どもがたくさんいてました。
私は近い将来の日本を見たような気がしました。

この体験はプライスレス!「海外家族ノマドライフ」

現在、日本では不況不況と言われ暗い話題が多いですが、そうは言っても飢餓することもなく、私たちの先祖が築いてくれたしっかりとした社会基盤があります。
私も私の周りの多くの人もこんな恵まれた時代はないと先祖に感謝し、そして今の時代を大いに楽しんでいます。

来るべき社会が分かっているわけですから、私の息子にも、それにいち早く順応して楽しい人生を歩んでほしいと思うのです。
これまで大半の方にとって日本人だけが競争相手だったのが、これからは外国人とも直接競争することになり、かつ、彼らの多くが優秀でありハングリーでしょう。
それをとても厳しい時代だと捉えるか、いろんな人種の人たちと暮らせて切磋琢磨できる楽しい世の中と捉えられるかでまったく人生の楽しさが変わってくると思うのです。

ハワイを選んだ理由

今回は初の海外ノマドライフ先としてハワイを選択しました。
なぜ、ハワイを選んだのか、これには3つの理由があります。

1.生活するのにハードルが低い
2.快適に過ごせる場所である
3.有利な場所である

1つ目の理由としては、生活するのにハードルが低いということです。
私も妻も語学が堪能ではなく、海外に慣れているわけではありません。
また、今回は息子に外国人と暮らすことを慣れさせることが目的の1つでもありますので、いきなりハードな場所ではなく、日本人も適度にいてる半分外国であるハワイが最適だと判断しました。
これは非常に正解で、海外初心者である私たち家族が刺激を受けながらも楽しく生活することができました。

2つ目の理由としては、快適に過ごせる場所であるということです。
元々昨年夏ニセコで過ごしたのは、大阪の猛暑を避けるということも理由の1つでした。ニセコの快適な環境で、夏バテすることもなく生産性をあげて仕事をすることができました。
そしてハワイも気候を含めて非常に快適な場所です。
私の理想は季節に応じた、その時々で快適な場所を選択して生活をするということです。
その1つの候補地としてハワイはやはり欠かせなく、ハワイでの生活を体験できたことはとても良かったと思います。

3つ目の理由としては、有利な場所であるということです。
これも快適な場所と同様重要視しています。
自分に有利な場所で過ごすという視点は今後とても重要になってくるのではないでしょうか。
私は日本が大好きです。できることならば、日本で骨を埋めたいと思っています。
しかし、「日本」と「自分・家族」のどちらが大切かと言えば、間違いなく「自分・家族」です。
今の時代、日本が破綻する可能性もゼロではありません。
破綻までしなかったとしても、我々世代は十分な年金ももらえない可能性が非常に高いこと、また、経営者のはしくれとしては、日本よりも税制面で有利な国があることは知っています。

今後世界はどんどん国境的な概念がなくなりボーダレス世界になっていくでしょう。
そうなると、世界中の人たちが国を選ぶ時代がくると思うのです。
多くの人から日本が選ばれる国になってほしいと心から思います。
しかし、今の政治を見ているとその望みも薄いと感じるのが現実です。

今回のハワイは我々にとって何が有利でしょうか。
それは円高です。ご飯を食べに行って家族で30ドルだったとします。5年前1ドル=120円の時代であれば、3,600円です。それが、今は1ドル=80円ですので、2,400円です。その差はなんと1,200円。
この円高は海外で生活するにおいては、非常に有利な点であることは間違いありません。

いつでもどこでも家族で自由に動ける状態を作っておくことで、その時々の我が家にとって有利である場所に移り住んでいく。そういう自己防衛手段を確立させることを目標にしています。

準備って大変じゃないの?

家族で海外ノマドライフするのって準備が大変だというイメージがあるのではないでしょうか。
実は今回のハワイにおいては、まったく大変さはありませんでした。

それは、昨年、国内のニセコで1ヶ月の家族ノマドライフを経験したこと、そして、海外滞在においては、昨年、今年とサンフランシスコ、マレーシアにそれぞれ2週間滞在したことがその理由です。
たしかに、初めに実践するときは大変です。書籍を自炊したり、スカイプ活用の準備を整えたり、仕事の手立てを考えたりetc…(ご興味ある方はニセコの記事をご覧ください。)
ただし、これらは一度準備をしてしまうとノウハウがたまりますので、2度目は非常に楽になり、普通に旅行をする程度の手間になるのです。

今回、新たに準備したこととしては、小学生の息子のスカイプを活用した家庭教師があります。
昨年のニセコが非常によい体験になりましたので、今後もこうしたライフスタイルを続けていきたいということが家族全員一致しました。
これを今後も続けていくには、何が問題になってくるかそのときに考えました。

一番に頭に浮かんだのが息子の教育です。そろそろ塾通いも意識する年齢になり、もし実際に通いだすとなると、このライフスタイルを継続することは難しくなります。
そこで、ニセコから帰ってきて、すぐに、以前「これまじ!」にも出演いただいた学習塾を経営する前田寛文さん*2 にスカイプでの家庭教師をしてもらえないか打診しました。

*2:「ハーバード白熱教室」2011年05月17日『これ買ってまじ良かったよ!』
http://koremaji.com/2011/05/harvard_hakunetsu/

どこででも学習できる環境を作ろうとしたのです。
もともと、iPadなどを活用して先進的な取組をしている塾でしたので、「ぜひやってみましょう!」とスタート。

この体験はプライスレス!「海外家族ノマドライフ」

当初は本当にできるのかなと心配してましたが、実際に始まってみると何ら問題なく行うことができ、息子も楽しみながら取り組んでいます。

ドロップボックスで宿題が送られてきて、それをプリントアウトして回答。そして、それをiPhoneで撮影して、ドロップボックスにアップ。そして授業中に新しく問題を出される時もドロップボックスにアップされて、それを息子がiPadで見て解く。
この一連の流れを今では息子一人で行っています。

実際のハワイでの生活はどんな感じ?

家族ノマドライフをするときに私が意識していることは、家族と過ごす時間を十分に取るということです。
普段日本で働いているときは、朝早くから夜遅くまで働くことが多く、なかなか家族の時間を十分にとることができません。
そのまま惰性で生活をしていると、あっという間に子どもが成長し、もっと子どもと、そして家族と接する時間を取っておけば良かったという後悔の言葉はよく聞くものです。
ですので、私にとって家族ノマドライフをしているときは、家族との時間を取り戻す大切な時間でもあるのです。

また、もう1つ意識していることは、家族ノマドライフ中は仕事とそれ以外の時間のメリハリをつけ、訪れた先での生活を楽しむということです。
日本人の悪い癖として、働き過ぎるということがあります。かと言って欧米人のように長期間リゾート地でのんびり過ごすということは罪の意識があります(笑)
私は日本人にとってぴったりなのは「リゾートオフィス」ではないかと思うのです。
リゾート地で仕事をしながら、長期間過ごし、仕事もレジャーもどちらも楽しむスタイルです。
私のハワイでの基本的な生活パターンは次のとおりです。

AM5:00 起床
AM5:00~AM9:30 仕事(日本時間AM0:00~AM4:30)
AM9:30~PM7:00 家族との時間
PM7:00~PM10:30 仕事(日本時間PM2:00~PM5:30)
PM11:00 就寝

この体験はプライスレス!「海外家族ノマドライフ」 この体験はプライスレス!「海外家族ノマドライフ」

1日8時間働いて、9時間30分家族と過ごして、6時間寝るというパターンです。
今回はこの9時間30分を十二分に活かして、家族との時間を、そしてハワイを楽しんできました。

海外家族ノマドで得たものは?

冒頭に海外ノマドライフを行う目的を書きました。

1.1つの場所に住むことのリスク回避
2.今後来るであろう世界に子どもをいち早く順応させる

これら2つの目的を達成するために、必ず必要になってくることはコミュニケーションツールである語学です。
そしてもっとも重要な語学は世界共通語と言っても過言ではない英語でしょう。
英語をマスターしたいという人は五万といます。
しかし、モチベーションを保つことができず継続できない方が大半です。
それは明確な目標がなく、ぼんやりと英語を話せるようになりたいと考えていることが大きな原因のような気がします。

家族で海外で滞在すると、生活をするわけですから、どうしても英語が必要になります。
生活で必要なことは生きていく上で必要なことですから必死に言葉を覚えます。
スーパーに行って、こんなことを言いたかったのに、言えなかった・・・。
帰ったら必ず言い方を調べて次は使えるように覚えます。

そして、一番話したいと思うのはやはりコミュニケーションを取りたいときです。
今回の滞在では、息子も自分で目標を決めていました。

それは、外国の子どもと友達になるということ!

とてもハードルが高い目標にも関わらず、なんと彼は2日目にしてその目標を達成しました。

この体験はプライスレス!「海外家族ノマドライフ」

子どもだからという考え方もありますが、彼はどちらかというと奥手で、気にせずどんどん話しかけていけるタイプの子どもではありません。
勇気を振り絞って、声をかけ友達になったのです。
とても仲良くなり、友達が話すことが分かりたい、そして自分のことも話したい。
どんどんとその気持ちは強くなり、こんなときはどういうの?と積極的に私たちに聞いてきたり、また、お店でも自分で購入することにもチャレンジするようになりました。
これだけでも私は今回ハワイに来た甲斐があったと思いました。

この体験はプライスレス!「海外家族ノマドライフ」

結局は英語に対するモチベーションはここだと思うのです。
人とコミュニケーションをするためにあるのが言葉。伝えたい人、理解したい人がいるから、話せるようになりたいのではないでしょうか。

かく言う私も、私も何度も英語に挫折し、現在もがんばり中の身です。
息子が友達になったことで、その家族と仲良くなり、話しをする機会が何度もありました。

この体験はプライスレス!「海外家族ノマドライフ」

自分なりの英語、そして、身振り手振り、iPhoneなども使いながら、十分ではありませんがコミュニケーションをとることができました。
その時に感じたことは、やはりもっともっと伝えたいし、分かり合いたいという気持ちでした。

妻はこちらに来るまでは外国人と接する機会がなく、到着当初は会話することをためらっていましたが、この家族と接してコミュニケーションを取ったことで、英語に対してモチベーションが上がり、次に海外に訪れるときにはもっともっとコミュニケーションできるようにがんばるという気持ちになっているようです。
そして、帰国前には臆することなく、外国人と話しをすることができる姿勢ができました。

この体験はプライスレス!「海外家族ノマドライフ」

帰国後も我が家の英語に対するモチベーションは下がることなく、家族全員の共通の目標としてがんばっていくことでしょう。

意識していることは、世界中に薄いつながりをつくること

今後も家族で海外ノマドライフを行っていこうとしているわけですが、継続するに当たり私が意識していることがあります。
昨年のサンフランシスコ滞在、今年のマレーシア滞在、どちらの滞在でも現地の方に非常に懇意にしていただき助けられました。

サンフランシスコではノリさんという方に2週間自宅に泊めていただき、マレーシアでは北城さんという方に毎日のようにいろんなところを案内してもらいました。
お二人に共通していることは、これまで一度も会ったことがなかったということです。
ノリさんは友達の友達の友達。北城さんは友達の友達です。
お二人ともfacebookを通して事前に交流させていただき、現地で初めてお会いしました。

現地で知り合いがいてるのといてないのでは大きな差があります。
いてないと単なる観光旅行になってしまいがちですが、いてると現地の生活を垣間見ることができ、生活を経験することができます
これまではそうした方を探すことが難しかった訳ですが、現在はfacebookという素晴らしいツールがあり、それが可能になりました。
例え初めは薄い関係であったとしても、facebookで交流することでじょじょに関係性が深まり、そして直接お会いし、さらに深まり、帰国後もfacebook上で交流が続きます。
そうすることで薄い関係が濃い関係に発展していくのです。
現在、私が意識していることは世界各地に薄い関係を作っていき、そして、じょじょにその関係を深めていき、お互いに困ったときに助けあうことができる関係を作っていくということです。

こうした関係は作るには海外にいてなくても日本でもできると思うのです。
最近、私と息子は休みの日に時間があるときに、大阪城公園など海外の旅行者がたくさん訪れるところに行くようにしています。
そして、困っている外国人がいれば声をかけるのです。
日本人が海外旅行をしていると話しかけられることはよくありますが、逆に日本人が海外からの旅行者に声をかけることはあまりありません。
ですので、こちらから声をかけて助けてあげるととても喜ばれます。
これまでであれば、そういう方ともその場限りで終わりでしたが、今はfacebookがあります。
そこでつながり、また困ったことがあれば、メッセージで答えてあげることもできます。
そして、私たち家族がその方が住んでいる場所を訪れることがあれば、きっと彼らも私たちを同じように助けてくれることでしょう。

今回の滞在で知り合ったカナダ人一家とも、facebookを通じて帰国後もつながりを持ち、彼らが日本に来るときは私たちが彼らを助け、私たちがカナダに行く時は彼らが私たちを助けるという関係を現在築きつつあります。

こうした関係を世界各国の方々と作っておくことで、何かあったときに、安心して移動できるようになると思うのです。

まとめ

このように、我が家にとって海外家族ノマドライフは、今後の生き方を模索するものであり、かつ、家族との時間を作るものであり、また、リゾートオフィスを実現するものであり、今後のライフスタイルで欠かせない「これまじ!」なものです。

現在の日本は非常に恵まれており、いろいろな生き方を選択することができます。
私も今でこそこのようなライフスタイルを送っていますが、大学卒業から8年間は公務員をしており、まったく異なるライフスタイルを送っていました。

「あの人がこう言ってるから・・」とか、「一般常識的な考え方はこうだから・・・」ではなく、自分にとって何が大切で、何が幸せなのかという視点で自分なりの生き方を見つけ、実践することができる現代。
それを考えると今の時代そのものが「これまじ!」ではないかとも思えます!

執筆: この記事は板羽宣人さんのブログ『これ買ってまじ良かったよ!』からご寄稿いただきました。

  1. HOME
  2. 生活・趣味
  3. この体験はプライスレス!「海外家族ノマドライフ」

寄稿

ガジェット通信はデジタルガジェット情報・ライフスタイル提案等を提供するウェブ媒体です。シリアスさを排除し、ジョークを交えながら肩の力を抜いて楽しんでいただけるやわらかニュースサイトを目指しています。 こちらのアカウントから記事の寄稿依頼をさせていただいております。

TwitterID: getnews_kiko

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

記事ランキング