あえてひとりで泊まりたい名宿へ。栃木の温泉宿で現代アートに浸る

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あえてひとりで泊まりたい名宿へ。栃木の温泉宿で現代アートに浸る

最近のわたし、ぜんぜん豊かに暮らせてない。

慌ただしい朝に、倒れ込んで眠りにつく夜……
東京での生活は楽しいけれど、ふと息ぐるしくなることもあります。

ひとり旅でもして、少し気持ちをリセットしてみたいな。

そこで、週末を使って「ゆったりせざるを得ない環境」に身を置いてみることにしました。

JR東京駅からほんの1時間。

静けさの中でゆっくりと温泉やアートに浸かる休日は、案外すぐに叶うみたいです。

東京駅

列車に乗り込み、向かうは栃木県の板室温泉

東北新幹線

東京駅から仙台行き東北新幹線に乗車

息抜き旅だからこそ、頑張って早起きするなんてお門違い。

午前中はゆるゆると準備をして、12時過ぎに東京駅から東北新幹線に乗り込みます。

行き先は、栃木県那須塩原市にある板室(いたむろ)温泉。

東京駅から那須塩原駅まで約1時間10分という気軽な距離感は、おひとり向けショートトリップにピッタリです。

東京駅構内の「駅弁屋 祭」で買ってきたお弁当をもぐもぐしながら車窓を眺めているうちに、気づけば景色が緑深くなってきました。

那須塩原駅

送迎タクシーで宿へ直行!

 那須塩原駅の看板

那須塩原駅に到着!

外に出たらさっそく、「板室温泉」の文字が。さらに、事前に予約しておいた送迎用のタクシー(片道1,000円)がお出迎えしてくれました。

ここから30分ほど乗車して、目的の温泉宿へ向かいます。

大黒屋

7割以上がリピーター!? 保養とアートの宿へ

大黒屋

創業468年の、由緒あるお宿です

到着したのは、保養とアートの宿「板室温泉 大黒屋」さん。

なんと、利用客の7割以上がリピーターという人気のお宿です。長期滞在してゆったりと休養する方も多いそう。

大黒屋

到着してすぐに目に入ったのは、入り口からお宿に向かって左手に広がる見事な庭園。

現代美術家の菅木志雄氏が手がけた空間は、一般的な日本庭園とはひと味違った美学を感じます。
茶室で用いられるつくばい

茶室で用いられるつくばい。

茶道の文化を大事にしているようにも思える大黒屋さん。
実は茶道のお稽古を十数年続けているわたしとしては、ときめきが止まりません。

荷ほどきが済んだら、ほっとお抹茶でもいただきたい気分に。

大黒屋

庭園喫茶「水琴亭」でゆったりお茶時間

水琴亭

栃木県名産の大谷石(おおやいし)で作られた大きな囲炉裏では、これまた大きな鉄瓶で、いつでもお湯が沸かされています。

そばに置いてある道具を使って、自由にお茶をいただいていいんですって。
水琴亭

こんな風情のある庵も

この庭園喫茶「水琴亭」では、注文すれば和菓子などの甘味もいただけるとのこと。

季節の和菓子とお抹茶

せっかくなので、お抹茶と和菓子のセット(税込864円)を。
筆者

ふぅ

大変結構でした。

大黒屋

明るい時間から、館内でゆったりすごす贅沢

ひと息ついたところで、今度は館内を散策します。
サロン

床暖房に黄土の壁、ピアノも置かれるサロン

フロントのすぐ横に広がるサロンは、終日利用可能。ソファに座ってゆったりのんびりしながら、ここでもコーヒーやお茶、甘味を注文(有料)できます。

そして、気になる客室はこちら。
客室「松の館」

人気の「松の館」

大黒屋

源泉かけ流しのぬる湯にゆったり浸かる幸せ

ここで忘れてはいけないのが、肝心の温泉ですよね。

大黒屋さんには、時間をかけて味わいたい4種類の温泉施設があります。
たいようの湯

(写真提供:大黒屋)

陽ざしにパワーをもらえそうな「たいようの湯」。
露天の湯

(写真提供:大黒屋)

川のせせらぎが心地よい露天の湯。
ひのきの湯

(写真提供:大黒屋)

やわらかな木の香りに癒やされる「ひのきの湯」。
黄土浴「アタラクシア」

(写真提供:大黒屋)

黄土浴でじんわり身体をあたためる「アタラクシア」。

スタッフの方に伺ったところ、お宿に到着したらひとまず温泉に浸かって夕食を待つのも、乙な楽しみ方だそう。

ということなので……
筆者

ふぁ〜〜、いい湯だったぁ〜〜

明るいうちから、ひとっ風呂浴びてまいりました。

源泉かけ流しの温泉で、身も心もほっかほかです。幸せだなぁ。

でもでも、夕食まではまだたっぷりと時間があります。

東京じゃこんなにゆったり過ごせることなかなかないかも……。夢みたいな時間です。幸せすぎてにやにやが止まりません。

大黒屋

宿の至るところでアートに触れられる!

大黒屋

浴衣でアート鑑賞ができちゃう

なんといっても大黒屋さんは「保養とアートの宿」。

芸術家の育成にも尽力する当代の大黒屋16代目・室井俊二代表の想いのもと、広い敷地内のあちこちにアートや展示室があります。

企画展も常に行われているので、訪れるたびに新しい作品に出逢えるのも魅力です。

和紙の展示販売

取材時は、伝統工芸である和紙が展示販売されていました。

そして、屋外には日本の文化に触れられるこんな場所も。

 四阿(あずまや)「投吟亭」

庭園の片隅に佇む四阿(あずまや)「投吟亭」。

ここではなんと、「色紙に一句お詠みください。」との案内が……!

せっかくなので。

筆者 おもむろに筆を整え、 筆者

うーん…

はい、ととのいました。

「せせらぎに 日々遠ざかる 大黒屋」
筆者

そこそこな出来ばえに、思わず爆笑の図

そうこうしているうちに、お腹が空いてきました。

大黒屋

川のせせらぎを聴きながらごちそうを堪能

夕食

食事はお部屋でいただきます

お部屋に運ばれてきた夕食を見るなり、「わぁーい!」と思わず歓喜。

地産地消を大事にし、季節の食材を使った料理は、健康にも配慮されたバランスのとれたメニューです。

ちなみに、「早めに夕食を済ませて、あとは自由に過ごしてほしい」という心配りから、大黒屋さんの夕食時間は18時台とちょっぴり早め。

たしかに、長い夜をじっくり自由に過ごすのにはぴったりな環境ですもんね。

大黒屋

都会から離れて、自分と向き合う夜

ということで、今夜はスマホもPCもお片付け。ひとりで過ごす静かな夜を満喫しようと思います。

図書室

美術書や小説なども豊富な図書室。自室への持ち出しも自由です。
那須高原ビール「愛」

宮内庁御用達の那須高原ビール「愛」

自室にこもってしっぽりお酒を飲みながら読書するもよし。お風呂にゆっくり入りなおすもよし、夕涼みをしながら星空を眺めるのもよし。

なにを選んでも贅沢な夜だなぁ……。

これはたしかに、リピート率が高いのも納得です。

大黒屋

目覚めたら、朝からアート鑑賞

宿からの景色

目覚めてすぐ、窓越しに飛び込んでくる緑の借景に、思わず「おはよう」とひとこと。

ぐっすり眠れたせいか、いつもよりちょっぴり早起きできました。

今日は活動的に過ごす予定なので、まずはしっかり朝ごはん。
朝ごはん

朝ごはんも豪華!

お腹が満たされたら、大黒屋さんのアートの大本命ともいえる「倉庫美術館」へ。
宿泊施設から歩いて5分ほどの場所まで案内してもらいます。

大黒屋

現代アートの巨匠・菅木志雄の倉庫美術館

倉庫美術館

足を一歩踏み入れると、アート作品がずらり壁一面に。

案内付きで約1時間、毎日10時からの1回しか入ることのできない倉庫美術館には、現代アートの巨匠・菅木志雄氏の作品が保管されています。(要予約)
倉庫美術館

菅木志雄氏の作品がこんなに近くで鑑賞できます

大黒屋16代目の室井代表は、30年以上前に菅木志雄氏の才能に惚れ込み、毎年「菅木志雄新作展」を開催するなどして、世界的な作家へと後押しをされたお方です。

菅氏の作品がこの地でじっくり味わえるのは、そうした縁があったからこそなのです。今では海外からも、作品を見るために泊まりに来るお客さんがいらっしゃるとのこと。

作品に宿る魂に圧倒されて部屋に戻ってきたら、チェックアウトの時間ももうすぐ。

宿に併設されたショップ

最後に、思い出の品を求めてショップに立ち寄るのもおすすめです。

リピーターさんが多い宿だからこそ、よくあるお土産のお菓子よりも、自分へのプレゼントになるような工芸品などを中心に取り揃えているそう。

温泉もアートも満喫したところで、大黒屋さんを後にします。

絶対にまた来る……!

那須塩原駅

送迎タクシーで再び那須塩原駅へ

送迎タクシーで再び那須塩原駅に戻りました。今日は、ここから関東バスで約40分、那須郡那須町にある美術館へ。

林道

バス停「一軒茶屋」で降り、緑のトンネルのような林の道を15分ほどお散歩していくと……?

藤城清治美術館

森に囲まれた美術館でランチ

藤城清治美術館

かわいい猫ちゃんのキャラクターがお出迎え

ここは、影絵作家として現役で活躍する、1924年生まれの藤城清治(ふじしろせいじ)さんの作品を展示している美術館です。

藤城清治美術館

入り口に到着するまでの200mほどの道のりも、癒やしの森。

まずは、館内にあるカフェでランチをすることにしました。
ミートローフサンドセット

ミートローフサンドセット(税込1,230円)

藤城先生の好きな味付けにしてあるというミートローフサンドは、どこか懐かしいお味。

作品の世界観にもぴったりな、かわいらしい盛り付けで提供してくれます。

藤城清治美術館

幻想的な藤城ワールドへトリップ

ここには、藤城先生の影絵やデッサン、貴重な資料を含め約200点が常設展示されています。

渡り廊下 藤城先生の影絵の原点となる写真やデッサンが展示された渡り廊下の先には……? 光と影の展示室

写真提供:藤城清治美術館

展示室内には、藤城先生の遊び心が反映された仕掛けがたくさん。

水たまりのようなプロジェクションマッピングや回転舞台などもあり、他の来館者さんたちも童心にかえって楽しんでいました。
展示室

写真提供:藤城清治美術館

庭に広がる森の中には、藤城先生がデザインしたステンドグラスのあるチャペルも。

チャペル

贅沢なこの2日間のことを振り返りながら、ステンドグラスを眺めました。

那須塩原駅

缶ビール片手に旅を振り返る

関東バスで約50分。来た道を戻り、再び那須塩原駅へ。

ここから東北新幹線の東京行きに乗り込みます。
駅で買ったおやつ

駅で買った那須高原のおやつたち

缶ビールを片手に、夢のようだったアートと温泉の旅に乾杯しました。

車窓の風景がだんだん都会になってゆく……

リフレッシュして、充電完了。ゆっくりと温泉やアートに浸かることができて、忘れかけていた感性を取り戻せたような気がします。

よし、明日からまた働くぞ〜!

掲載情報は2019年8月13日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

東京駅

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