G20夕食会での安倍首相渾身のジョーク(?)が笑えないと話題 各国首脳も困惑顔

28日夜に参加国首脳を招待して開かれたG20大阪サミットの夕食会において、安倍首相が挨拶の中で飛ばしたジョークらしき部分が笑えないと話題になっている。

「ここ大阪は4世紀頃に仁徳天皇により都に定められ……」と、学説も定まらない記紀の“日本昔ばなし”を披露し始めた出だしから何やら危うい雰囲気が漂っていたのだが、問題はもうちょっと後の部分。

「150年前の明治維新の混乱で大阪城の大半は焼失しましたが、天守閣は今から約90年前に、16世紀のものが忠実に復元されました。しかし1つだけ大きなミスを犯してしまいました。エレベーターまで付けてしまいました」とドヤ顔でスピーチしたのだ。

はて、「エレベーターを付けたのは大きなミス」とは、どういう意味だろう?

今ある復元天守閣は鉄筋コンクリート製で、工法も豊臣・徳川時代のものとは異なるし、内部には土産物屋まであったりして完全にテーマパーク化している。特に歴史的価値のあるわけでもないテーマパークの大阪城にエレベーターがあるのは何もおかしくないし、ない方がおかしいとすら思える。とすると、この「エレベーターを付けたのは大きなミス」というのはただの原稿の読み間違い? それとも安倍首相流の高度なジョークだったのだろうか?

しかし、「忠実に復元したつもりがエレベーターを付けたせいで現代風になってしまった」という意味のジョークだったとしたら、むしろより質の悪いことになりはしまいか。

時代はバリアフリー化の流れの中にある。「城にエレベーター」と聞いて、名古屋城天守閣を忠実に復元するためにエレベーターを設置しないとした河村市長の方針が反発を招いた経緯を思い出さないはずはあるまい。万里の長城にだってエレベーターとスロープが付け足された。世界遺産にまで身体障害者でも回れるための配慮がなされるのが現代風だ。それをジョークにすればバリアフリーの精神を茶化したと受け取られかねない、ぐらいの想像力は欲しい。スピーチを聴いていた各国首脳らは反応に困ったに違いない。会場からは笑い声があがるでもなく、少しニヤリとするか、あるいは困惑の表情を浮かべた人が多かったように見えた。

地元大阪人を含むネット民の評価も散々だ。この国はパラリンピックを開催するには少し早すぎたのかもしれない。


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画像:『かわいいフリー素材集 いらすとや』
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