「カオス*ラウンジの芸術動画」 新たな芸術の生態系を育むネットスクール
カオス*ラウンジの芸術動画
美術集団・カオス*ラウンジが、ニコニコ動画内の生放送チャンネルで、インターネットスクール形式のアートチャンネル「カオス*ラウンジの芸術動画」を開設した。
本チャンネルは、月額3,780円で提供される、現代美術についての講義や、作品講評、作品の紹介・販売などを行う、アートスクールとギャラリーの機能を兼ね備えたサービス。
5月に開設され、初回はゲストに現在芸術家の宇川直宏さんが、2回目には美術史家の松下哲也さんが招かれて、それぞれカオス*ラウンジ代表の美術家・黒瀬陽平さんと議論を交わした。
現代アート集団・カオス*ラウンジ
カオス*ラウンジは、2009年からアーティストグループとして活動を始め、国内の若手アーティストの発掘、プロデュースなどを行う美術集団だ。
2015年からは株式会社ゲンロンが主催するアートスクール「ゲンロン カオス*ラウンジ新芸術校」の運営に協力。
2016年には、若手アーティストを中心に紹介するギャラリー「ゲンロン カオス*ラウンジ五反田アトリエ」を株式会社ゲンロンとの共同でオープンするなど、新しい場の立ち上げを試み続けている。
芸術の場を拡張
「カオス*ラウンジの芸術動画」は、アーティストになりたい人、アートに関心がある人たちのためのネットスクールとして設計されている。
芸術の拠点としてこれまで機能してきた大学や出版が、慢性的な少子化や経済的苦境などによって壊滅的な打撃を被っている昨今、現代美術を学ぶ場、語る場はますます縮小しているという。
そんな現状で、ネットワークに常時接続されたこのスクールは、様々なアーティストや論者が集い、議論を交わす“論壇”の場として、そして、新しい“アートシーン”をつくり出す場となることが期待される。
ひとつの“生態系”をつくり出し、血の通った実験場としても機能することが望まれる。
1年単位で「カリキュラム」を構成
チャンネルのコンセプト、番組内容などはすべて、黒瀬陽平さんによってプロデュース、キュレーションされる。
配信番組のラインナップは、1年単位の「カリキュラム」として構成されており、連続して視聴することで理解が深まるようになっている。
視聴者とのコミュニケーションも重視しており、Q&Aや視聴者の作品講評など、双方向性のある番組を目指しており、毎週1回のペースで生放送される「レギュラー番組」と、不定期に行われる「特別番組」の2つによってチャンネルの番組は構成される。月額会員はアーカイブ動画の視聴も可能だ。
また、メールで自身の作品を提出すれば、生放送中に作品の講評をしてもらえる「ニコ生講評会&制作相談」に参加することもできる。
常時接続されたインターネットスクールだからこそ可能な手法を用いて、視聴者たちのなかから新しい才能を育てることを目指している。
「カオス*ラウンジの芸術動画」放送予定
【レギュラー番組】「連続講義 現代美術と宗教思想」 第1回「シミュレーターとしての夢ーー明恵から現代美術へ」
出演:野呂靖(仏教学)、亀山隆彦(仏教学)、黒瀬陽平
放送:2019年6月15日(土) 20:00~【チャンネル開設記念放送 第3弾】「国内最強のサブカルチャー論客と語る、コンテンツ批評のハードコア!」
出演:石岡良治(批評家、表象文化論)、さやわか(ライター、物語評論家、マンガ原作者)、黒瀬陽平
放送:2019年6月21日(金) 20:00~【レギュラー番組】「連続講義 日本現代美術史を批評する」 現代美術のキーパーソンたち編 第1回
出演:新藤淳(美術史家、美術批評家)、黒瀬陽平
放送:2019年6月28日(金) 20:00~【レギュラー番組】「芸術動画の展覧会レビュー」第1回
出演:梅津庸一(美術家、パープルーム主宰)、黒瀬陽平
放送:2019年7月5日(金) 20:00~【レギュラー番組】「芸術動画のニコ生内覧会」第1回
出演:梅沢和木(美術家)、黒瀬陽平
放送:2019年7月12日(金) 20:00~【レギュラー番組】「芸術動画のニコ生講評会&制作相談」
出演:黒瀬陽平
放送:2019年7月19日(金) 20:00~【レギュラー番組】「連続講義 日本現代美術史を批評する」 ストリートアート編 第1回
出演:松下徹(SIDECORE)、黒瀬陽平
放送:2019年7月26日(金) 20:00~
引用元
「カオス*ラウンジの芸術動画」 新たな芸術の生態系を育むネットスクール
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