【漫画つき】コンプガチャだけじゃない。ケータイSNSゲーム課金の仕組み解説

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コンプガチャだけじゃない。ケータイSNSゲーム課金の仕組み解説

今回は尾野政樹さんのブログ『しっぽのブログ』から転載させていただきました。
※すべての画像をごらんいただけない方はガジェット通信(https://getnews.jp/archives/213766)をごらんください。

【漫画つき】コンプガチャだけじゃない。ケータイSNSゲーム課金の仕組み解説

先日から、コンプガチャの話題が飛び交ってますが、みんな結局何が問題で、どこが論点なのかわかりにくくなってると思います。そこで今回、コンプガチャと、あといくつかケータイ向けSNSゲームの手法について、お金を使ってしまう仕組みについて解説してみました。

例のごとく凄く長くなってしまいましたが、現役漫画家の森井ケンシロウさん(*1)が分かりやすいイラストを描いてくれたので、ぜひ楽しみながら見ていってね。

*1:「森井ケンシロウtv」
http://www.kenshiro.tv/

ちなみに、説明する各種システムはゲームによって微妙に差異があります。今から説明するのはひとつの例で、カードの枚数や値段、期間やその他もろもろ、仕組みが違うゲームもあるってことは了承してください。

コンプガチャとその問題点

コンプガチャというのは、好調なケータイ向けSNSゲームで結構取り入れられている手法で、一部では売上の50%をこのコンプガチャが占める(*2)なんて話もあります。“ガチャ”というのは、現実のガチャガチャのようにランダムでカードを手に入れることができる仕組みで、300円で1回、3000円払うと11回分できたりします。

*2:「日本のソーシャルゲーム業界は規制されるか?セルカントトによる分析と見解」2012年5月1日『Startup Dating』

で、“ガチャコンプ”はゲーム内のイベント。対象のカード5枚から12枚が指定されて、期間内に全部集めることで、普段は手に入らないレアカードをもらえるんです! なるほど、コンプリートするとご褒美が出るんですね、平和で、面白そうなイベントだね。ところが大きなワナがあるんです。

ポチチチ

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さてとあるユーザーが、ケータイSNSゲームにハマっています。ガチャコンプイベントはお金がかかると聞いていたので、少し普通の有料ガチャをするだけで楽しんでいます。ところが

GET!

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コンプガチャをするつもりがなくても、対象カードが出ることがあります。8枚中3枚が手に入ったのだから、残りは5枚。あと今の2・3倍頑張れば、コンプリートできる……?

コンプできる!?

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実は大間違い。カードの出る確率は一定でも、そろえばそろうほどカードがダブりやすくなります。6枚そろっているなら、8種類のうち2種類しか当たりになりません。1枚目の確率が10%あっても最後は1.25%まで落ち込みます。厄介なことに、最初は短い間に何枚もそろってしまい、誰でも「あれ? いけるんじゃね?」と考えてしまいます。

ダブり多し

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最終的に100回以上もガチャをしなければいけないような低確率になっちゃう。3000円のセットなら、わずか9回のクリック。それで、あっという間に数万円が吹っ飛んでいきます。

いい加減に出て!

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よほど運が悪いのかな? 違うんです。確率の異様な低下で、コンプリートギリギリでずっと引けなくなってしまう。でも、今諦めたら、かけたお金は無駄になっちゃう!
そして、

嘘だろ……

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まあ、運が良かったほうかもね。世の中には10万単位で消費しちゃう人がいる(*3)んだから。

*3:「かーずSPの中の人、モゲマスに十五万円突っ込んだ」2012年2月8日『togetter』
http://togetter.com/li/254536

これがコンプガチャにお金を払ってしまう仕組みです。ポイントは最初に「今日は運がいい。チャンスだ」「意外と安くコンプできるのでは?」という錯覚を起こさせること。次にある程度つぎ込んでから確率が低下することで「払った分を無駄にするから途中で諦められない」と思わせることです。

ついでに8万も出したカード、その分育てて元を取らないと、ってことでゲームも辞められなくなりました。
(『現実のカード集めとの違い』『通称門番について』は記事の最後に蛇足として書いておきます)

買い物と詐欺の違い

「自分の意思でお金を払ったんだからいいだろ?」
そういう意見もあります。でも、自分の意志でお金を払ったらなんでも許されるかな?

例えば、10万円で講座を受けられる契約をした。ところが講座に必要な教科書が5万円、教材が9万円、手数料が3万円!? そんな聞いてないですよ? え? やめてもいいけど10万円は戻らない? そんなぁ。

って場合とか。正当な取引って、正常な判断力があって、十分な情報があって、その上で価格に見合うお金を払おう、って、思った場合にだけ成り立つんじゃないかな?

だましたり、勘違いするように仕向けたり、時間で迫って焦らせたり、ギャンブルに酔わせたりしてたら、正当じゃないよね? そこが許容範囲内なのかどうかって、もちろん議論はあるけれど、必ずしも「自分の意思でお金を払ったから正当」とは言えないよね。

モテる香水

射幸性より欺瞞(ぎまん)性

コンプガチャの話をする時に、よく“射幸性”という言葉が使われる。ギャンブルで勝つことが忘れられなくて依存症になっちゃう、ということね。でも、今回の場合、その前に“錯誤(さくご)性”や“欺瞞性”と呼ばれるものが問題になると思うんだ。つまり“勘違いするように仕向ける”というものだね。

今説明したコンプガチャは、最初にユーザーに安い値段を予想させておいて、実は高い値段がかかる、という部分がこれ。

今回話題になっている法律が作られた時にも、コンプするとレアがもらえる、という方法に“懸賞の方法自体に欺瞞性が高い”という指摘をしているんだ(*4)。

*4:「当たり券3種類そろうと応募できる懸賞は可能か?」2011年4月1日『公益社団法人 日本広告審査機構』
http://www.jaro.or.jp/ippan/bunrui_soudan/kenshou_keihin01.html

もちろん射幸性は問題だけど、ケータイSNSゲームの仕組みについては欺瞞性に注目だと思うよ。

コンプガチャ以外の仕組み

コンプガチャが禁止されても、ケータイSNSゲームにはほかの収益方法がある、というのは本当で、単純にゲームが面白い、というのから、女の子が可愛いとか、友だちができる、とか色々。その中から課金の仕組みを2つ、お金を払ってしまう流れを紹介します。

バトルコンプ
ロワイヤル形式、と言ったほうがいいかも。これは正式名称じゃなくて、というのもゲームによって結構ルールが違うので、これといって統一された名称はないので、とりあえずバトルコンプと呼ぶよ。

ルールは
・ユーザーは、対象のアイテムをコンプリートすると、次へ進める。
・アイテムはガチャではなく、ゲームの敵を倒したりすると手に入る
・他人にバトルを仕掛けて、倒すとアイテムを1つ奪える
・他人にバトルを仕掛けられたときに、防衛するアイテムが有料で売っている
というもの。

ゲームによって、同じアイテムを10個、とかいう場合もあるし、7色のアイテム全てをそろえろ、っていう場合もある。今回はとりあえず、別々のものを7つそろえる、という場合で説明するね。

コンプリートアイテムは地道に集めてもいいんだけど、やっぱりほかのプレイヤーを狙ったほうが早い(ゲームによっては他人から奪わないとそろわない仕組みもある)。

ちなみに相手プレイヤーには表示されず、一方的に攻撃を仕掛けることになる。対戦する場合は、欲しいアイテムを指定すると、それを持っている相手が一覧で表示されるようになっている。

青のアイテムが欲しい

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この、欲しいアイテムを持っている相手を表示、という仕組みがミソ。逆を言えば、

とられそう……

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たくさんアイテムを持っていると、誰かの相手として表示されちゃうことが多くなるというわけ。こんな仕組みなので、

回復しよう

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苦労してあと1種類まで来てると、勉強中も、アイテムが奪われないか、気が気じゃない。

戻ってる!

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バトルコンプは、ユーザーの不安を利用した課金システムと言えます。いつ奪われるか心配で、つい多めに課金アイテムを使ってしまう。

ただ、コンプガチャやランキングイベントに比べると、馬鹿高い課金にはなりにくく、ほかに比べると随分マイルド。かなり昔からあるもので、元々は海外で考えられたゲームのシステムです。

ただ、“コンプリート後半ほど難易度が上がる”という、コンプガチャと似た特徴をもっているのがわかるね。これにより、最初の予想よりもずっと多くのお金がかかってしまう。また、対戦相手として誰を出すかはサーバーの自由になるので、わざとそろいそうなユーザーを、運営が妨害できるのでは? という話もあったり……。

そんなわけで、後ちょっとで、後ちょっとで、が繰り返してお金を吸われてしまう。最近は、後半は一気に駆け抜けるべし、という攻略法が広まったためか、少し捻ったルールやランキングイベントや、コンプガチャに絡めたゲームデザインが増えてきているそうです。

ランキングイベント
ランキングイベントとは、一定期間内に上位○人に入った人には、レアアイテムをプレゼント! というイベントです。サバイバル、なんて言われたりも。

単純に1種類ではなく、例えば上位10000人にはちょっとしたアイテム、上位5000人には凄いアイテム、上位1000人にはレアアイテム! みたいに、いくつか区切りをつけることもあります。

がんばればいける・・・?

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いっちゃえ!

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抜かれてる

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少し課金しよう

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もっと落ちてる!

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もっと課金しないと

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こんなつもりじゃ・・・

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さて、どうしてこうなった? 最初このユーザーは、手持ちのアイテムをつぎ込めばランキングに入れると思ったのだけど……。実はほかのユーザーもみんな同じことを考えていたんだよね。時間ギリギリでどんどんランクが落ちていったのは、ほかのユーザーもみんな、レアカードが欲しくて課金していったから。

みんなが課金して、それを見て、みんなが課金して……どんどん加速するけど、諦めるわけにはいかない。だって、もうお金は使っちゃったんだ。レアアイテムをもらわずに止めたら、何にお金を払ったんだ! そしてみんなで青天井に……。

ランキング全てが問題ではなく、
(ランキング自体は、どのゲームでもありふれているからね)

・課金したアイテムがすぐにランキングに直結する。
・課金したアイテムを消費するまでの時間が短い。
・ランキングでもらえるアイテムがほかで手に入らないほどのレア(期間を逃すと2度と手に入らない)。

あたりがポイントになってくるんじゃないかなー。この設計によっては、コンプガチャよりも危ういかもしれない。線引きが難しいので、やっぱり自主規制の団体がいたほうがいいのじゃないかな、と。

カードは懸賞品か

今回話題になった法律って昭和52年にできたもの(*4)で、プロ野球のカードとかで、問題になったものなんだ。つまり、コンプガチャって昔禁止になった方法をもう1度ケータイ上で使ってるわけなんだ。発明でも開発でもなく、発掘と言ったほうがいいかも。

ところで、こんな法律があるのに、なんで今まで禁止ってことにならなかったんだろう?

ここに、とあるQAサイトでの質問がある。
「コンプガチャがなぜ違法でないのか教えてください(*5)」

*5:「コンプガチャがなぜ違法でないのか教えてください」2012年1月5日『OKWave』
http://okwave.jp/qa/q7226890.html

この話によれば、「カードの本体は、ゲーム会社のサーバーにある。ユーザーに使用許可を貸し出しているにすぎない。サービスが終了すれば、何も残らない。だから景品ではない」という感じ。

実は僕も、前に複数の人に「なんで規制されないの?」と聞いたことがあるのだけど、そのとき返ってくる答えは、だいたい同じようなものだった。聞くたびに「ふーん、そんなもんですか」と言ってたんだけど、でもこれおかしいよね。

ちょっとこの動画見て欲しいんだけど(*6)、

*6:「【2篇】TOKIO CM グリー GREE ドリランド  6」
http://www.youtube.com/watch?v=G_iu5WqbBLM&feature=player_embedded

ドリランドのCMなんだけど「TOKIOカード5枚でこれあげる」って言ってるよね。“あげる”って。他のゲームもさ、「ゲット!」とか「手に入れろ!」とか、あっちこっちで言ってるよね。それで、ユーザーも、カードもらってると思ってるじゃん? そしたらさ、もう実態としては「本体はサーバーにあります」とか無理ありすぎじゃないかな? そのユーザーの求めに応じていつでも表示できてダウンロードもできるし、規約で禁止されてるとはいえ実際ヤフオクで売れるものを「渡していません」って言ったら普通のダウンロード販売とかどうなっちゃうの?

ほかにも、お店の割引券とか、お店が潰れてしまえばただの紙クズになってしまうけど、それをもってして「景品じゃない」とは普通は言わないよね。

まあでも、とにかく、この理論が通ってて、……少なくとも開発してる人たちはこの理論が通ってると思ってたわけ。で色々な法律を回避できてた、ってことなんだけど、もし今回、コンプガチャが規制されるとしたら、こういうデジタルカードは“貸し出しているもの”とは違うって判断されるわけだよね。そしたら話はコンプガチャだけで済まされるのかな? どうなんだろ。

ほかにも、このサイトで、どのように法律を回避する理屈が立てられていたか、説明があるので、難しい話が大丈夫な人は見ておくといいかも。
「景表法は変質したのか??「コンプリートガチャ」規制をめぐって。 – 企業法務戦士の雑感(*7)」

*7:「[企業法務][独禁]景表法は変質したのか?~「コンプリートガチャ」規制をめぐって。」2012年5月5日『企業法務戦士の雑感』
http://d.hatena.ne.jp/FJneo1994/20120505/1336243138

SNSゲームの今後

コンプガチャ以外の、仕組みをいくつか説明したけど、やっぱり根本的な問題は、アイテムをお金にできちゃうRMT(リアルマネートレード)と確率の表示のない有料ガチャじゃないかなーと思う。RMTがなければ、ギャンブル性は緩和されるし、ガチャの確率が明示されれば、錯誤は起きにくくなる。

RMTは防げない、なんて言うけど、システム側で対応すれば随分改善すると思う(最後の蛇足に書きます)。ガチャの確率表示は、課金のものだけでも必要なはずじゃないかな。そういう方向に進んでいくと思う。

SNSゲームと一口に言っても、ガチャなどの仕組みを中心に据えるものもあれば、ゲーム性やグラフィックを中心に据えているものもある。だから、今回のコンプガチャ騒動についても、SNSゲームを全部まとめて評価することはできません。

ゲーム性や、ソーシャル性、デザイン性などを軸に据えたSNSゲームも、もちろんあります。そういったゲームでも、収益を上げているものがある。ということは、コンプガチャなどが規制されても、ただちにSNSゲームがなくなるわけではありません。

願わくば、射幸性や欺瞞性ではなく、ユーザーにとっての、ゲームとしての“面白さ”を求めるゲームが、より多く登場してくれれば良いなと思います。たぶん、そうなっていくでしょう。デザインにしろプログラムにしろ、いちクリエイターとして、そのほうが、仕事をしていてうれしいですしね。

蛇足

以下は本文では省いた話となります。

現実のカード集めとの違い
現実で本当のカードを集めようとした場合、ダブったカードは友人同士で交換し合えて、少ない枚数でコンプリートできるけど、コンプガチャでは、トレードなしで集める必要があります。ゲームによって違いますが、期間中は対象カードがトレード禁止になったり、トレードしたカードはコンプにカウントされなかったりします。

表向きは一回コンプに使ったカードの再利用防止というところでしょうが、カードにコンプへの使用済みマークを付けるくらいできるので、コンプリート難易度を高めるためじゃないかなーと思います。

コンプガチャの門番
コンプガチャには通称“門番”と呼ばれる、対象カードの中でもレア度の高いカードが存在しています。一般的にはコンプリートを妨げるための存在と思われ、掲示板などでも“門番がいるからコンプガチャはそろいにくい”という扱いを受けていることが多いのですが、僕はむしろ門番はユーザーをコンプガチャに引きこむための存在と考えています。

確率が判明していないため、詳しい計算は避けますがある程度のレアカードでも、通常カードのコンプリートに比べると難易度が低いものになります。もちろん、統計的には最後の1枚が門番である可能性はほかのカード1つよりも高くなりますが、ほかのカード全てに対するとそうではない可能性が高いです。

かみ砕いて言えば、門番がコンプリートする前に出現することは、それほど珍しくなく、逆に門番が手に入ってもコンプリート難易度はそれほど下がりません。また、コンプガチャに興味のないユーザーの、偶然の1枚目に出現する可能性も全体で見るとかなり高いです(ユーザー母数が多い場合)。

コンプガチャに興味がなかった。ガチャのみで遊んでいた。ところが話題の門番カードを手にしてしまう。うわさによれば、これさえ手に入ってしまえばコンプガチャは楽勝だとか。耳元で「今がチャンスです。あなたは運がいい」とささやかれるようなものです……。

確率の調節
「一定量課金するまでレアが出ないようにするような悪質なことはしていない。イベントや課金状況を見て、盛り上がるようにガチャの調節をすることはあるけど」という話を見かけましたが、本当なら、十分悪質です。全体に対しての調節なので罪悪感が薄いのかもしれませんが、例えば課金率が高いのでレアカードを低く設定しなおす、など、ユーザーの動きに対応して確率が変化するというのは、パチンコなどにおける遠隔操作などと一緒です。たぶんコンプガチャよりヤバいです。また、実際これをやられていても、ユーザー側からは判別がつかないのが現状です。

客単価を上げる、という考え方
あまり客単価を上げ過ぎるとヘイトも稼ぐし、焼畑農業になるしで、よくないと思うんです。客の、単価対満足度も考えなければいけないのではないでしょうか?

各ゲームでどのような課金施策が行われているかを調べたい場合
“ゲーム名 イベント wiki”で調べることで、攻略wikiがまとめているイベント情報を見ることができて便利です。

RMT防止
ゲームシステムを、RMTを防ぐ設計にする。既にDeNAなどが始めていますが、例えば売買を匿名性にする。株と同じく、売り注文と買い注文を出し、それらをマッチング性にする。さらに、一覧に表示されるまでをランダムにわざとラグを持たせる、など、狙った相手にアイテムを渡しにくくすることで、RMTが成り立たなくなります。もちろんこの設計にするにはゲーム内通貨が必要になります。

ほかに、オンラインゲームで利用されている手段ですが、低レベルなアイテム(特に初心者が必要なもの)は、プレゼントしたり、交換したりできるが、一定以上の価値のあるアイテムは渡せない、というようなものがあります。

海外のSNSゲーム
海外ではガチャ周りの規制が厳しいので、海外のゲームは今後の日本のゲームデザインの参考になります。Zyngaのゲームが、日本語版も出ていてわかりやすいのでオススメです。

基本的には、プレイするためにスタミナのようなものが必要で、一定時間で無料で回復するけども「今すぐゲームの続きが遊びたい!」という人のために、スタミナの回復に課金をしています。ほかにも友だちと協力しないとすすめない場所を、ソロプレイでもすすめるようにする、というアイテムに課金が多いです。また最近のZyngaはよりグラフィックに力を入れているように思えます。

神撃のバハムートという日本のゲームが海外に売りだされて話題になりました。日本での神撃のバハムートは、コンプガチャなどがあるデザインですが、海外のものは(僕の端末で海外のゲームのインストールができないので伝聞ですが)ブースターパック制度を採用しているようです。ブースターパックとは複数のカードがセットになった有料のアイテムで、“レアが何枚、普通のカードが何枚”といったように、予め入っている割合が決まっていて、ユーザーもそれを知っている、というようなものです。もちろん、レア同士でも価値の差はありますが、ランダム要素は随分とマイルドになると思います。

サンク・コスト
埋没費用 – Wikipedia(*8)

*8:「埋没費用」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9F%8B%E6%B2%A1%E8%B2%BB%E7%94%A8

画面を見なくても遊べるゲームに絡む問題
具体的に書きませんが、いざ事件になるとセンセーショナルに扱われやすいかと思います。ケータイSNSゲームに関わらない話ですけどね。

体験したい
アイドルマスターシンデレラガールズ コンプガチャシミュレーター ver.0.93(*9)
(モゲマスを想定。1モバコインは1円)

*9:「アイドルマスターシンデレラガールズ
コンプガチャシミュレーター ver.0.93」
http://www.ani-ban.info/aimas/comp_sim/

カードコンプシミュレーター(*10)
(ドリランドを想定)

*10:「カードコンプシミュレーター」
http://game.sheile.net/compsim/

文章:尾野政樹
イラスト:森井ケンシロウ

執筆: この記事は尾野政樹さんのブログ『しっぽのブログ』から転載させていただきました。

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