アドリブシーンで笑いを求めるキャスト裏話も! TVアニメ『明治東亰恋伽』鳥海浩輔×岡本信彦インタビュー

明治にタイムスリップしてしまった主人公・綾月芽衣が歴史上の偉人たちと出会い、恋に落ちるタイムスリップ恋愛ファンタジーゲーム『明治東亰恋伽』(めいじとうきょうれんか、通称:めいこい)を原作としたTVアニメが1月より好評放送中。
先日7周年を迎えた『めいこい』は、ドラマCDシリーズ化、ミュージカル化され、ついにスマホアプリも配信スタート。さらに、実写ドラマシリーズ&実写映画化も決定している、根強い人気を誇る作品です。

今回は、川上音二郎役の鳥海浩輔さんと泉 鏡花役の岡本信彦さんにお話を伺いました!
7年やっているのに新鮮!?「カッコよかったんだ!」
――作品の見どころや楽しみにしているところは?
鳥海:完成版はまだ観ることが出来ていないのですが、大地 丙太郎監督カラーみたいなものが出ているだろうと思います。今まで長くやってきた『めいこい』シリーズとは、少しカラーリングが異なるというか……。
岡本:そうですね。真面目ではあるんですけど、数話に1回、大地節が入ってきますよね。
鳥海:“新しい『めいこい』”を感じました。ある話では突然歌いだしたり。
岡本:あれはビックリしました。新しかったですね~!
鳥海:そういった大地監督ならではの部分はあるので、今までゲームをプレイしてきてくれた方や劇場版アニメを観てくれた方も、また新たな『めいこい』の一面を観られると思います。
岡本:第1話の段階だと、まだ大地さんらしさを隠してますよね。だんだん自分の色を出されて来ましたけど(笑)。劇場版アニメでやったくだりも、大地監督なりの演出で新たに蘇る感覚はあると思います。あとは、今回の本筋ルートの鴎外さんが、今までは面白おかしくなっていたキャラクターだったところを、“ちゃんとカッコイイですよ”という描写が出てくるのは、ファンにとって嬉しい部分なんじゃないかなと思います。
鳥海:一番キャラが崩れてない感じがするよね。
岡本:崩れてないんですよ! 今まで一番崩れていた人が!
鳥海:イベントなどを通して中の人(浪川大輔さん)に寄ってきている感があったから、今回のアニメは“ゲームなどでは本来こういう人だったんであろう”という、我々の知らない姿を見せていただいています。

岡本:僕も「え、知らない……、こんな人だったんだ」と思ってビックリしました。
鳥海:「カッコよかったんだ!」ってね。
岡本:「普通にカッコイイんだな」と思いましたね。
鳥海・岡本:新鮮です(笑)。
鳥海:あとは毎話ゲスト偉人が登場するのですが、我々も収録に参加していない話もあるので、誰が出てくるのか気になってしょうがないです。
岡本:ゲストキャラで、「このキャストが来るの!?」と驚きましたね。僕がご一緒して一番驚いたのは堀江由衣さんでした。
鳥海:それ以外にもいろいろなキャストさんがゲスト偉人の役で来てくれるので、そこも見どころになるんだろうと思います。でも、話の主線とは全然関係ないです(笑)。
岡本:思い切ったことをやっていますね。偉人じゃなくても、ゴースト役(CVは折笠富美子さん)とかで普通にすごい人も来たりして、「え!この役(幼少期の小泉八雲(パトリック))を豊崎愛生ちゃんなの?」とかも思いました。
鳥海:もしかしたら、声優界の偉人が来るかもしれない。
岡本:あ~、待ちたい! 誰が来るんだろう(笑)!
鳥海:そこは我々も気になりますね。
TVアニメで気になるキャラは?
――ご自身のキャラクターを演じる上で意識していることを教えてください。
鳥海:僕はある意味二役演じさせていただいているんですが、音二郎さんのときは割りとストレートな人なのでそこまで意識していることはないです。女装をした音奴姐さんの方は、ヒロインの芽衣ちゃんが女性として憧れる女性なので、カッコイイ女性像を意識しているかもしれないです。アニメはギャグテイストな部分もあり、テンポが早いので、エピソードによってはセリフがとても早いなと感じることはありますね。
岡本:早口言葉みたいなこともありますよね。
鳥海:音奴さんがゲームではそんなに早く喋る人ではなかったので、テンポの良い回では、そのキャラクター性を保つのが若干大変でした(笑)。

岡本:僕は第1話のときに、音響監督のたなかかずやさんに言われたのが、「実際のキャラクター的にはちょっと少年ぽいのかもしれないけど、みんな大人なテイストできているので、1話だけもう少し大人っぽくしてもらって、自分の担当回が来たら自分の色を出してください」というディレクションが入ったので、ちょっとだけ声を低くした気がします。それもあり、第1話の最初の鏡花ちゃんはいつもよりも落ち着いている気がしました。
――今回のTVアニメで気になるキャラクターをあげるなら誰ですか?
鳥海:今回、実は鏡花ちゃんとあんまり絡んでいなくて。
岡本:そうなんですよ!
鳥海:だから、それぞれのメイン回のときに、どんな感じになっているかなというのが気になります。
岡本:まさかの藤田さんの方が絡んでいるかもしれないです。あとは発表済みですけど、エンディングテーマも違う組み合わせなんですよ。

鳥海:そういう意味で言うと、今までは逆にほぼ接点がなかったので、これまで特に絡みのなかったキャラクターたちのエピソードは気になりますね。八雲さんのメイン回は僕は出ていないので。普段ああいう感じの人が、ちょっと雰囲気のいい感じのシーンになったときどうなるんだろうと気になります。若干面白いままなのか。
岡本:八雲さんのメイン回は良い話なんですけど、若干面白いままの感じもありました(笑)。そして、ここまで長くやってきたシリーズの中で、「あ、こういう過去があったんだ!」と八雲さんのことを現場で知ることができたのが楽しかったです。ゴーストのことも好きだったけど、娘サンのことも好きって「強欲だな」と思っちゃいました。「両方好きなんだ、へ~」みたいに思いながら僕は観ていました(笑)。一夫多妻と考えればいいんでしょうか。
鳥海:非常に前向きなんでしょうね。
岡本:でもそれを観て、八雲さんは肉食系だなと思いました(笑)。
鳥海:やっぱり農耕民族にはないものがあるのかな。
岡本:あとは、新キャラの尾崎紅葉は鏡花ちゃんとの絡みがあって、新作のゲームでも出てくるキャラクターたちも気になりますね。
――他に新鮮さを感じるキャクターはいましたか?
鳥海:僕は自分のキャラで……。
岡本:あ、歌ってましたね! 「女声で歌った、すごい!」と思いました。

鳥海:割りとお座敷のシーンが多いので、ゲーム以上にそういった芸者の振る舞いを演じる場面がついてくるなと感じています。あれ? おかしいな。僕、お当番回終わったはずなんですけど、ほぼ女だったんですよ。
岡本:あれ……?
鳥海:芽衣ちゃんに“女とは”の立ち居振る舞いを仕込んでいただけだった気がします。今気づいちゃいましたね。あれ(笑)? 役者・川上音二郎より芸者・音奴としての部分を掘り下げられている気がしますね……。
――でも鴎外さんに対して、芽衣ちゃんのことを牽制するような男を出してくるシーンはありましたよ。
鳥海:ああ、それはありました。ただ、メイン回が! 気づいちゃったなぁ。鴎外さんがメインルートになると、そうなるのか……。
プロフェッショナルなキャスト陣! 長尺のアドリブを打ち合わせなしで一発録り!
――アフレコ現場の雰囲気やエピソードを教えてください。
岡本:アフレコ現場は、毎回浪川さんを座長として、みなさん面白おかしくアフレコをしている感じです。浪川さんを知っているファンのみなさまなら、「きっとそういう現場なんだろうな」がわかりやすく現実になっています。
――先日インタビューさせていただいたときに浪川さんが、みんながイジってくるので、もっと先輩として敬ってほしいとおっしゃっていました(笑)。
鳥海:みんなすごい尊敬していますよ! 愛されていますから。
岡本:尊敬していなかったら、たぶんあんなにイジれないですよね。
――イジられるのが嫌ということはないと思いますけどね!
鳥海:チヤホヤされたいとか、褒めてほしいのかな?
――おそらくそうだと思います!
鳥海:じゃあ褒められるような行動をしていただければね。
岡本:そうですね。僕はなんだかんだ鳥さんには結構おごっていただいていますけど、浪川さんには全然おごってもらってないんで(笑)。「ごはん行こう、行こう」とだけ言っていて。
鳥海:あはは! まあ、お忙しいのはわかるんですけど、なかなか我々とはごはんに行ってくれないね(笑)。
岡本:そうなんですよ、行ってくれないんです、なぜか。
――そうなんですか?
鳥海:話を聞いていると、なんだか他のところでは飲んでいるっぽいんですけど。
岡本:僕らの知らないところではあるみたいですよ。
鳥海:でも、本当にみなさんよくご一緒する方たちですし、作品としても長くイベントなどもやっているので、これといって新しい発見はないんですけど、みんなプロフェッショナルな現場だなというのは感じます。あとは大地監督ならではなんですけど、すごく長い箇所を「ずっとアドリブで」みたいな演出があるんですよ(笑)。でもそこはさすがでしたね。打ち合わせしないでやるんですけど、成り立っていました。その収録は岡本くんは別録りでいなかったよね。
岡本:それがすごかったんですよ! 僕は後録りで、そこに音声を加えなければいけないので戦々恐々としました。みなさんが入れたアドリブを聴いて、「えーっと……」と考えながら。
鳥海:アドリブを本当にずーっとやっているんですよ! Bパートの3分の1くらいはやっていたんじゃないかな。
岡本:やってましたね! 素晴らしかったです。
鳥海:でも、裏でやっている掛け合いの音なので、本編ではどのくらいのボリュームとして聞こえるのかはわからないです。好男子たちがずっとワイワイやっているのを一発録りでやりました。
――では、そういった部分も耳を澄ませて聴いてみるとより楽しめそうですね。
鳥海:それが大地監督やたなかかずやさんのさじ加減でどれくらい聞こえるのか、我々はわからないですが……。
岡本:あれは結構活かしてほしいですけどね。面白かったですよ。
鳥海:ただ、僕らがそうやっている裏で、たぶん鴎外さんがすごくカッコイイことを言ってるシーンだから(笑)。
岡本:そうでした、我々は邪魔なんですよね(笑)。

――アドリブは他の場面でもちょこちょこ入れられているんですか?
岡本:やっぱり鴎外さんルートなので、鴎外さんと春草がアドリブで繋げてください、と言われていることがよくあって。テストで大笑いが起きて、本番でやったら滑ってもないんですけど滑ったような空気になったと浪川さんは判断して、「もう1回やらせてください」とよく言っています。
鳥海:それは当然なんですよ。だって本番はみんな笑っちゃいけないんですもん。
岡本:そのままでも面白いから大丈夫なんですよ。
鳥海:だから、あの人は何かに怯えているんでしょうね。
岡本:全然問題なく面白かったのに、やればやるほど迷走していったりしています(笑)。
鳥海:笑われていないと不安なんでしょうね(笑)。チヤホヤしろと言いつつも。
――ああ、ではそのあたりをフォローしていくといいかもしれないですね(笑)。
鳥海:「面白かったですよ~!」って(笑)。そう言ってもたぶん信じないし、逆効果だと思います。
7年間での変化は?
――イベントなど含めた7年間の思い出があれば教えてください。
鳥海:みんなが揃って出来ているのは、やはりイベントですね。ゲームコーナーがあるんですけど、毎回賞品がガチンコなんですよ。
岡本:あれは、ありがたいです。僕はそのおかげで海外旅行に結構行かせてもらっています。南の国とか、あと旅行以外もローストビーフとか。
鳥海:イベントのとき、全部勝ってない!?

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