ソーラーの発電単価についての雑感

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金融日記

今回は藤沢数希さんのブログ『金融日記』からご寄稿いただきました。

ソーラーの発電単価についての雑感

『「反原発」の不都合な真実』*1 を書いていたとき、各発電方法別の発電単価の資料で一苦労した。少し古い資料しか見つからなかった。自然エネルギー推進派の識者は、太陽光発電などのコストは近年かなり下がってきた、といっていたので、現状がどれぐらいなのかいささか自信が持てなかった。結局、信頼のおけそうな資料は2008年のものしかなかったので、しょうがなくそれを使った。

『「反原発」の不都合な真実』新潮新書 藤沢数希著
http://goo.gl/vWFMu

ソーラーの発電単価についての雑感

出所: 「反原発」の不都合な真実、エネルギー白書2008年度

このグラフを見て、正直、太陽光発電が高く出すぎていて、最近はもっと安くなっているのではないか、と内心思っていた。自然エネルギー推進派からかなり突っ込まれるだろう、と。特に孫正義氏は現在の太陽光発電は、原子力より発電単価が安いといい切っていた。

ソーラーの発電単価についての雑感

しかし、その孫正義氏や、自然エネルギー推進派の学者たちの主張が、僕が使ったグラフが案外正しいことを証明してくれた。孫正義氏は、買取価格が42円/kWhじゃないと採算が合わないから絶対にこれ以上にしろ、と民主党にロビー活動を繰り返していた*2。その他の補助金と合わせると、実質48円/kWhになる。そうすると、この4年も前の資料の46円/kWhというのは、かなり正確だったと分かる。何のことはない、ソーラーの発電単価は、原子力の10倍程度なのだ。しかも、発電量は天気まかせ。皮肉なことに、そのことを自然エネルギー推進派の人たちが自ら証明してくれたのだ。

*2:「太陽光発電の強制買い取り価格42円/kWh、20年間保証の異常」2012年04月26日『金融日記』
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/51901942.html

ソーラーの発電単価についての雑感

ちなみに発電単価が10倍の電源を無理やり増やして行く場合の電気代への影響を簡単に計算すると、上図のようになる。現状のソーラーはほぼゼロなので、この時の電気代を100とした。現実的にはありえないが、ソーラーを100%にすると電気代は10倍になる。10%のシェアにすると、電気代は2倍だ。

執筆: この記事は藤沢数希さんのブログ『金融日記』からご寄稿いただきました。

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