スライドの文字効果を各段に高める「画像」活用法──澤円のプレゼン塾(その20)
前回はプレゼンに使うスライドの文字を減らし、観衆の関心を惹きつけるコツを紹介しました。
澤円のプレゼン塾・第20回は、さらにスライドの文字効果を高めるためのテクニックをお伝えしていきます。
スライドの文字効果を高める「画像」活用法
前回説明したように、スライド内の文字を絞ったら、さらにその文字の効果を高めてみましょう。
文字の効果を高めるのは、ずばり、画像です。
私はプレゼンをするときに画像検索をしまくります。使うかどうかは別にして、自分の想像力を掻き立てるためにも、関連するキーワードで画像を検索しまくります。
たとえば、「読むのが大変」という言葉に対応する画像検索をするとします。そのまま「読むのが大変」と入力してもいいのですが、ここは一工夫。
これからの連載でどんどん出していこうと思っている一つのメソッドになるのですが、「連想力」を働かせて、画像検索します。連想は、とても大事なアクションです。ぜひ覚えておいてください。
さて。「読むのが大変」という言葉をちょっとひねると、「解読不能」になります。その言葉から「暗号」が連想できます。ということで「暗号」で検索するわけですが、日本語のままだとヒット数が限られる可能性が高いです。ということで、IT業界人的には「ENCRYPTION」という言葉で検索してみましょう。
いかにも「文字だらけで読みにくい!」という画像が何点か含まれていますね。このイメージを頭に入れて、スライドを作ります。
もうちょっとひねった方法としては、「文字がたくさん入っている何か」を想像して検索します。たとえば、お経の書かれた巻物とか。そこで「写経」というキーワードで検索してみましょう。そうすると、なかなか面白い絵が表示されます。
まさしく、文字びっしり。
これをスライドのバックにはりつけて、コメントを入れると面白い仕上がりになります。
さて、画像をコピーして利用するときに、インターネットの画像検索をそのまま使うのは、著作権の観点から少々リスクがあります。
そのリスクを回避する一つの方法が、Microsoft Officeのオンライン検索です。ここに表示される検索結果は、「クリエイティブ・コモンズ」がライセンスしており、通常の画像検索に比べて著作権の心配が格段に少なくなるものです。
画像イメージは、上手く使うとオーディエンスに対する印象付けには最高の効果を発揮します。言葉は覚えていなくても、画像だけは覚えている、ということもあります。
プレゼンテーションは「覚えて帰ってもらってナンボ」なので、画像を使うのはとても効果的なのです。そのために画像を使わない手はありません。ぜひどんどん使いましょう。
連想のススメ
画像検索をする場合、まずキーワードとなる言葉を選ばなくてはなりません。ここで一工夫できるかどうかが、スライドのクオリティを決めると言っても過言ではありません。
そのために必要な資質の一つが、「連想力」であると思います。
ある言葉から別の言葉を見つける。ポイントは、後から見つける言葉は誰にでも具体的なイメージがわくようなものがいいと思います。
先ほどの例で言えば、「文字が多い」から「お経」を連想しました。お経なら、びっしりと文字が入っているイメージが誰にでも想起できると思われます。他に「辞書」や「六法全書」なども文字だらけですね。そういった誰でも映像が頭に浮かぶような言葉を使って、さらに画像データと組み合わせれば、とても分かりやすく印象に残るプレゼンが可能になります。
この「連想力」は、「天賦の才」と思って、最初からあきらめてしまう方が多いように感じます。しかし案外、この能力は意外と練習によって磨くことができます。
次回以降で、この「連想力」を磨く方法についてお話しさせていただきます。
著者プロフィール
澤 円(さわ まどか)氏
日本マイクロソフト株式会社 マイクロソフトテクノロジーセンター センター長 立教大学経済学部卒。生命保険のIT子会社勤務を経て、1997年、マイクロソフト(現日本マイクロソフト)に転職。情報共有系コンサルタントを経てプリセールスSEへ。競合対策専門営業チームマネージャ、ポータル&コラボレーショングループマネージャ、クラウドプラットフォーム営業本部本部長などを歴任。2011年7月、マイクロソフトテクノロジーセンター センター長に就任。著書に「外資系エリートのシンプルな伝え方」「マイクロソフト伝説マネジャーの世界世界No.1プレゼン術」
Twitter:@madoka510
※本記事は「CodeIQ MAGAZINE」掲載の記事を転載しております。
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