歴史を映画で描く手本と言いたくなる一本 ― 『タクシー運転手 ~約束は海を越えて~』

歴史を映画で描く手本と言いたくなる一本 ― 『タクシー運転手 ~約束は海を越えて~』

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(文=吉田伊知郎/『キネマ旬報 2018年11月上旬号』より転載)"見ている” が、 "見えていない” 存在今年は50年の節目とあってか、1968年の回顧を目にすることが多い。世界的な学生運動の盛り上がりが取り上げられがちだが、一方で誰も彼もが運動に参加していたわけではないと矮小化する声もある。今も、国会図書館からの帰りに国会議事堂の横を歩いていると、シュプレヒコールを上げながらデモ行進する人々...

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