ほうれん草は冷蔵に不向き!?[冷蔵保存に強い野菜、弱い野菜]

ほうれん草は冷蔵に不向き!?[冷蔵保存に強い野菜、弱い野菜]

野菜を保存するときに、とりあえず冷蔵庫に入れておけばOK、と思っていませんか?実は、野菜の中には、冷蔵庫に入れることで栄養が失われるものがあります。そこで野菜の品種別に、冷蔵保存に適している野菜、適していない野菜を紹介。それぞれの保存方法もお教えします。

野菜によって違う、冷蔵保存での栄養減少率

まずは、ほうれん草とキャベツを、丸ごと生で冷蔵庫に保存した場合の、100gあたりのビタミンC量の変化を見てみましょう。

<グラフ1> 5℃設定の冷蔵室に5日保存した場合のビタミンC量の変化

(初日を100とした場合の、100g中のビタミンCの残存量)

ほうれん草とキャベツを、5℃設定の冷蔵室に5日保存した場合のビタミンC量の変化

ほうれん草やキャベツなど青果に含まれるビタミンC量は、時間経過と貯蔵温度に対応して含有量が減少します。キャベツの場合は5日後も変化がほぼみられず、冷蔵保存に強い野菜といえます。一方で、ほうれん草の場合は65%まで減っており、ほうれん草の場合はどのような保存方法が適しているか見てみましょう。

<グラフ2> ほうれん草の保存温度別ビタミンC量の変化

(初日を100とした場合の、100g中のビタミンCの残存量)

ほうれん草を0℃で5日間、-18℃で約半月保存した場合のビタミンC量の変化

グラフ1と比較すると、ほうれん草を5日間保存した場合、冷蔵室よりも0℃設定のチルド室の方が、ビタミンC量の減少が抑えられることが分かりました。チルド室がない場合や、5日間以上など長期間保存する場合は、減少率の抑えられる冷凍で保存しましょう。

冷蔵庫の各部屋の設定温度

冷凍室:-22~-18℃
チルド室*:0~1℃
冷蔵室:3~6℃
ドアポケット:6~10℃
野菜室:7~10℃

ほうれん草の冷凍保存についてはこちら

カットした野菜を冷蔵した場合の栄養減少は?

カット野菜のビタミンC量の減少率は、野菜の種類によって違う

カット野菜にして冷蔵で保存した場合の、100gあたりのビタミンC量はどれくらい変化するのでしょうか。にんじんとキャベツを例に見てみましょう。

<グラフ3> カット野菜を7℃設定の冷蔵室で保存した場合のビタミンC量の変化

(カット直後を100とした場合の、100g中のビタミンC残存量)

カットしたにんじんとキャベツを、7℃設定の冷蔵室で保存した場合のビタミンC量の変化

にんじんはカットしても、ほぼ変化が見られず冷蔵に強い野菜といえますが、キャベツはカットするとビタミンC量が大きく減少します。これは、カットによりビタミンCを壊す酵素が活発に働くためと考えられます。キャベツは、できるだけ丸ごと冷蔵するか、カットの場合は冷凍で保存しましょう。

最後に

野菜は適した温度で保存することで、栄養を逃しにくくなります。冷蔵に弱いものや、使い切れない場合、すぐに食べない場合などは、冷凍で保存するようにしましょう。また、カット野菜にして冷凍する場合は、あらかじめいろいろな種類の野菜をミックスしてから保存すると、時短料理にも役立ちます。

カット野菜ミックスの作り方と冷凍法はこちら

[ほうれん草]上手な茹で方と、日持ちさせる保存方法

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青菜の王様といわれる、ビタミンと鉄を含む緑黄色野菜の代表格。店頭には一年中並んでいますが、旬は冬。甘みも増して、ビタミンCの含有量 も多くなります。原産地は西アジアで、今では世界中で栽培されています。生食用(サラダ用)のほうれん草はアクが少なく、茹でずに食べられます。

最終更新:2018.10.10

文:アーク・コミュニケーションズ
写真(撮影):清水亮一(アーク・コミュニケーションズ)
写真(撮影協力):吉田めぐみ
監修:カゴメ

参考文献:
『調理のためのベーシックデータ』松本仲子監修(女子栄養大学出版部)
『ひと目でわかる!食品保存事典』島本美由紀著(講談社)

出典:
家庭用冷凍庫の冷却方式および保存温度の食品品質におよぼす影響(冷凍温度によるビタミンC量の変化)
日本調理科学会大会研究発表要旨集(冷蔵に伴うカット野菜のビタミンC含量の変化)
野菜の切断・放置、生食調理に伴うビタミンC量およびアスコルビン酸オキシダーゼ活性の変化(カットキャベツへのビタミンC分解酵素の影響)

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