高橋一生・ディーン……旬の男をカッコよく撮る秘訣とは? 『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY リミット・オブ・スリーピング ビューティ』二宮健監督インタビュー

THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY リミット・オブ・スリーピング ビューティ

新鋭・二宮健監督が、桜井ユキさん主演、高橋一生さんら豪華俳優陣を迎えて制作した映画『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY リミット・オブ・スリーピング ビューティ』。昨年10月に公開され、大きな話題を呼びました。

【ストーリー】主人公・オリアアキは、29歳の売れない女優。女優を夢見て上京し、ふと立ち寄ったバーでサーカス団を営むカイトに出会う。それから10年、毎日小さなサーカス団でマジシャンの助手をするアキ。30歳を目前にしたアキには仕事への熱も生きる目標もない。ルーチンワークのように繰り返されるのは、催眠術にかかるという演技。体を浮かされ、剣を刺され、催眠状態を演じているうちに、やがてアキの精神は徐々に摩耗し、いつしか現実と妄想の境界が破たんを迎えようとしていた。何故生きるのか? 何を夢見たのか? 何を目指すのか? 唯一アキの中で美しい思い出として残るのは恋人・カイトとの時間・・・。自分が生きてきた人生の軌跡、アキが生きる現実と、叶えられなかった様々な妄想が入り乱れる。そして2つの世界の境界が壊れようとしたとき、アキの人生再生がはじまる・・・?!

本作のベースとなっているのが、二宮監督自身が監督し、「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2015」で審査員特別賞を受賞した短編映画『眠れる美女の限界』。学生時代から制作し続けている映画は、26歳現在で40本以上。「子供の頃から映画ばかり観ていた」という、二宮監督が本作でこだわった事とは? お話を伺いました。

THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY リミット・オブ・スリーピング ビューティ

――本作のベースとなっている監督の『眠れる美女の限界』は43分の短編ですが、どの様な経緯で長編を作ることになったのでしょうか?

二宮監督:「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」の授賞式の後に、キングレコードの山口プロデューサーからお声がけいただきました。もともとは親子のストーリーなのですが、それを男女のラブストーリーにするということで『眠れる美女の限界』を『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY リミット・オブ・スリーピング ビューティ』として作り直すことがスタートしました。

――作り直す事は大変では無かったですか?

二宮監督:親子の物語をラブストーリーにするにあたり、主人公のオリアアキというキャラクターをがらりと変える必要がありました。その部分で、桜井ユキさんが主演になったことでイメージが湧いたというか、描きやすくなりました。以前も一緒に仕事をしていて安心感もありましたし、桜井さんとなら、オリジナル版とは違う、新しいオリアアキが撮れそうだなと思いました。

――共演の高橋一生さんはずっと人気のある俳優さんですが、本作が公開された昨年の秋は特にフィーバーぶりがすごかったですよね。

二宮監督:撮影が終わったあとに、すごい騒ぎになったので、タイミング的にもぎりぎりスライディングシュート感がありました。

――カイトというキャラクターは、個性的なキャラクターだらけの本作において異質な存在ですよね。

二宮監督:そうですね、カイトは行間が多いキャラクターで、謎が多いのに多くは語らない役どころですが、高橋さんの空気感で見事に奥行きを持って演じてくださって。切なさと優しさを同居させながら丁寧に表現出来るのは、さすが高橋さんだと感動しました。

THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY リミット・オブ・スリーピング ビューティ

――二宮監督はディーン・フジオカさんのPVの監督を勤めていらっしゃいますが、本作の高橋一生さんももちろん、「今最も注目されている男」をカッコよく撮る秘訣ってあったりするのでしょうか?!

二宮監督:お2人共もともととても素敵な人ですが、自分が撮るときは「男が見てもかっこいい」と思っていただけるように心がけています。やっぱり異性から見て素敵なのと、同性から見て素敵なのと、タイプが分れますし、女性の方が男性を見る時、「かっこいい」と思うリーチが広いと感じているので、その層もしっかり含めながら、コアなところにも届くようにと毎度思っています。

参照:DEAN FUJIOKA「Echo」Music Video
https://www.youtube.com/watch?v=-idvEIznptc [リンク]

――なるほど、おっしゃるとおり。PVには「いつもと違うけどかっこいい」といったコメントも見られますよね。本作も長編映画でありながら、PVを見ている様な美しい映像がとても魅力的だと思いました。DVDをずっと家で流しておきたいというか。

二宮監督:ありがとうございます。僕は洋画がもともとすごく好きなので、海外の作品の様な質感を出したいなと工夫しました。全編を夢のように描きたかったので、光の使い方や音楽、編集など細部まで、夢心地でいられるような工夫も重ねています。あと、DVDなら、本作の色々な場所に散りばめられたサブリミナル的な映像をぜひ見つけてほしいです。

――監督はこれからも若い世代の筆頭として映画を作っていくと思うのですが、最近「これが良かった!」という作品や、「やられた!」と思わず嫉妬してしまう作品はありましたか?

二宮監督:最近面白い映画が本当に多くて。『レディ・バード』が最高でした。グレタ・ガーウィグの監督デビュー作なんですよね。すごいです。今年なら『スリービルボード』や『アイ、トーニャ』も面白くて。外国の映画は毎年毎年面白さを更新し続けている感じがしています。『アベンジャーズ』などのマーベル作品も大好きで、ああいった娯楽大作においても、人を楽しませることと、自分たちが伝えたいことを両立しているのが本当にすごいなと刺激をもらっています。

――色々な作品に刺激を受けた、監督のこれからの作品も楽しみにしております。今日はありがとうございました!

THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY リミット・オブ・スリーピング ビューティ

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(C)2017 KingRecords

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藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

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