オカルト探偵・吉田悠軌が語る『ゴースト・ストーリーズ 英国幽霊奇談』 「“怪談”は異世界に触れてしまう恐怖なんです」[ホラー通信]
イギリスの人気舞台を映画化した『ゴースト・ストーリーズ 英国幽霊奇談』が7/21に公開。初日トークショーが開催されました。
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トークショーに登壇したのは、“オカルト探偵”として知られる吉田悠軌さん。「この映画の監督は、ホラーも好きだろうけど怪談が好きなんだろうな、という感じがする」と指摘する吉田さんは、「日本人とイギリス人は双璧を成すくらいの“怪談”好き」として、混同しがちな“ホラー”と“怪談”の違いについて解説してくれました。
「“恐怖文化”という意味ではホラーも怪談も同じだけれど、例えば殺人鬼に追いかけられて命の危険にさらされる恐怖というのは“ホラー”。「あれっあそこの人、なんで首が逆さまになってるの?」というのは“怪談”。恐怖の対象が顕にはなっていなくて、少し隠されているというか。そしてこちらが怪我するとか危害が及ぶというよりは、異世界のものがフッと現れて、少しだけ触れてしまったような、こちらの世界とは違う世界があるのではないだろうか、という恐ろしさなんです」
幽霊懐疑派の教授が“絶対に解明できない”とされる3つの心霊事件の解決に挑む『ゴースト・ストーリーズ』でも、まさしく異世界のなにか触れたような、正体の分からない奇妙不可思議な数々の現象が描かれ、観客をゾクリとさせます。
「幽霊はいるのか、いないのか?」という今作の主題に絡め、吉田さん自身は幽霊を信じるか?と問われると、「僕は心霊体験をしたことがない」としながら、独自の“幽霊観”を展開。
「僕は幽霊は絶対いるとも思っていないし、絶対いないとも思っていないんです。“いる”と断言できた時点でそれは幽霊じゃない。“いる”と証明されるということは科学的に証明されてしまうということ。いるのかいないのか、というところで宙ぶらりんになっているから心霊現象なんです。それが怖いし、面白いところでもある」
更に吉田さんは、Jホラーと英国ホラーの相互関係について、「Jホラー特有の“不条理でなにか気持ち悪い”というような怖さは海外映画にも影響を与えたと思うけれど、さらに遡ればそれはイギリス的な感性を参考にしている」と指摘。「『ねじの回転』という小説があって、作者のヘンリー・ジェームスはアメリカ人だけどイギリスに長く住んでいた人で、小説もイギリスが舞台になっている。この小説や、これを基にした映画『回転』がJホラー的表現に影響を与えていると思いますよ」
この他、イギリスの“泣く男の子の絵”にまつわる都市伝説などを紹介してくれた吉田さん。今作のパンフレットにはイギリスの心霊スポット解説を寄稿しているそうなので、気になる方はそちらも是非チェックを!
Jホラーにも通じる不条理的な怖さを十二分に味わえる英国ホラー『ゴースト・ストーリーズ 英国幽霊奇談』は現在ヒューマントラストシネマ渋谷、ユナイテッド・シネマ豊洲ほかにて公開中です。
作品概要
『ゴースト・ストーリーズ 英国幽霊奇談』
7.21(土)より全国順次ロードショー
監督・脚本:ジェレミー・ダイソン&アンディ・ナイマン
原作:「ゴースト・ストーリーズ」byジェレミー・ダイソン&アンディ・ナイマン
出演:アンディ・ナイマン、アレックス・ロウザー、ポール・ホワイトハウス and マーティン・フリーマン
2017年 / イギリス / 英語 / 98分 / シネスコ / DCP / カラー / 5.1ch / 原題:GHOST STORIES / PG-12 / 日本語字幕:ブレインウッ
ズ / 配給:トランスフォーマー
<STORY>
心理学者のフィリップ・グッドマン教授は、イギリス各地でニセ超能力者やニセ霊能者の嘘を暴いてきた。ある時グッドマンは、長らく行方不明になっていた憧れのベテラン学者・キャメロン博士から「自分ではどうしてもトリックが見破れない」という3つの超常現象を調査するよう依頼を受ける。初老の夜間警備員、家族関係に問題を抱える青年、妻が出産を控えた地方の名士……3人の超常現象体験者に話を聞くため、グッドマンは旅に出る。しかし、そこで彼を待っていたのは、信じがたい怪奇現象の数々と想像を絶する恐怖だった……。
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