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テリー伊藤が、かつて恋した「いすゞ 117クーペ」を前に願望爆発!「男の力量が試される」

▲軽自動車からスーパーカーまでジャンルを問わず大好物だと公言する演出家のテリー伊藤さんが、輸入中古車ショップをめぐり気になる車について語りつくすカーセンサーエッジの人気企画「実車見聞録」。誌面では語りつくせなかった濃い話をお届けします!

「こんなキレイな車があるなんて……」117クーペの登場はショックだった

今回は、「ISUZU SPORTS」で出合ったいすゞ 117クーペについて、テリー伊藤さんに語りつくしてもらいました。

~語り:テリー伊藤~

現在、日本ではトラックやバスなどの商用車とディーゼルエンジンを製造している「いすゞ」。でも2002年までは乗用車も製造していたことを、みなさんならご存じでしょう。

いすゞの乗用車、とくに1980年代までのいすゞ車は僕にとって不思議な存在でした。日本車なのに日本車には見えない。例えるならアルファ ロメオやロータスを見るのとと同じような目で見ていたのだと思います。

高校時代、僕はアイスホッケーをやっていたのですが、先輩が練習場まで「いすゞ ベレットGT」に乗ってやってくるんですよ。トランクに大きな防具を積んでね。1人は白のベレG、もう1人の先輩はブリティッシュな雰囲気にあふれたレーシンググリーンのベレGでした。

今で言うなら、高校生がランボルギーニ アヴェンタドールで通学しているようなものでしょうか。その姿がとにかくカッコよくて、いすゞ車への憧れがどんどん強くなっていきました。

そして1966年のジュネーブ国際モーターショーに出品されたギア/いすゞ 117スポルト(117クーペのコンセプトモデル)を写真で見たとき、「こんなキレイな車が出るのか」と大きなショックを受けたのを今でも鮮明に覚えています。

▲憧れ続けた117クーペのスタイル

フラットなボンネット、か細いピラー、リアに向かってなだらかに傾斜するルーフ……。

どこを切り取ってもエレガントで、眺めていると不思議と切なさが込み上げてくるデザイン。曇り空の、ヨーロッパの石畳が似合う雰囲気ですよね。

大人4人が乗って高速道路を普通に走れるのに、流麗さを併せ持ったラグジュアリーカーは、現在まででも117クーペだけじゃないでしょうか。

同時期に登場したトヨタ 2000GTやマツダ コスモスポーツが天文学的な相場になる中、117クーペは初期のハンドメイドモデルでも十分手が届きます。

でも僕にとっては、2000GTやコスモスポーツと同じくらい、特別な存在であり続けています。

▲無理しないでも手が届く相場というのがいいよね

117クーペには丸目と角目が存在します。僕はやっぱり、丸目の初期型が好きですね。

本来なら美術館とかに飾られてもおかしくない車ではないでしょうか。

いすゞ117クーペ(Photo:阿部昌也)

テリー伊藤なら、こう乗る!

こういう車に乗るのは、恋愛と同じです。若い頃、僕は117クーペに恋をしました。

あれから40年以上の月日が経った現在、車の進化は目覚ましく、また僕もいろいろな車に恋をしてきました。きっと今乗ってもそこまで楽しさは感じられないかもしれません。

でもそれを含めて愛することができるか。男の力量が試されます。

いすゞ117クーペ(Photo:阿部昌也) ▲搭載されるエンジンは1.6L DOHC

今回出合った117クーペのハンドメイドモデルは、スポーティなホイールを履いていました。

僕ならワイヤーホイールにして、タイヤももう少し細くします。この辺のバランスはものすごく難しいですよ。乗り手とともにアドバイスをもらうショップのセンスが問われます。

▲乗るならホイールにもこだわりたい。僕は細い雰囲気のあるものが好みです

この車に乗るときはロンドンっぽい雰囲気を楽しむためにスーツで。そして、日本海を見に行きたいですね。

海を見た後は古都金沢の武家屋敷を堪能する。キレイな芸子さんが横に乗ってくれたら、幸せですね。

そしてもう1ヵ所、117クーペで行きたいところがあります。それはモーテルです!!

ちょうど117クーペがデビューした頃、横浜にニュー京浜というモーテルが出来たんですよ。僕の記憶が間違っていなければ、日本で初めてのモーテルです。

仲間内で「車でそのままホテルに入れるなんて凄いな! カッコいい車で行きたいな」と話していました。今こそその夢を叶えたいですね(笑)。

いすゞ117クーペ(Photo:阿部昌也) ▲117クーペの助手席にはキレイな女性を乗せたいね

1960年代後半~70年代といえば、思い出すのは、田園調布にあったドライブイン「VAN・FAN!」です。

ここには、夜になると銀座や六本木で遊んでいたモデルやレーサーが車で集まってくるんです。

僕は当時お金がなかったし車は実家の軽トラしかなかったから、当然「VAN・FAN!」には入れなかった。だから反対側の車線に車を止めて、駐車場に止まっているカッコいい車やキレイな女性を羨ましく眺めていました。

あのとき叶えられなかった夢を、117クーペのような素敵な車で実現させてみたいですね。

これから117クーペに乗りたいと思っている人には、品のよさを感じるデザインを壊さないようファッションは手を抜かないでほしいし、車だってホイールをはじめ細部にまでこだわってほしい。

▲生半可な気持ちではダメ。技量のあるドライバーに選んでほしいです

まず、20代や30代の若者には難しいでしょう。手間もかかるから間違いなく途中で嫌になるはずです。

希少な車ですから、丁寧に扱う技量がある人が乗って、次の世代に受け継いでいくべきです。

ぜひ車に負けない大人の色気を持った人に選んでほしい車です。

いすゞ 117クーペ

イタリアのカロッツェリアであるギア社のジョルジェット・ジウジアーロがデザインしたコンセプトモデル「ギア/いすゞ117スポルト」は、初披露されたジュネーブショーのコンクール・ド・エレガンスで優勝。そのコンセプトモデルをほぼそのままの形で量産化した117クーペ。量産化にあたり機械化が難しかった工程を手作業で作ったため、最前期型はハンドメイドモデルと呼ばれる。繊細で華麗なスタイルは日本でも絶賛され、今なお多くのファンを持つ。1977年のマイナーチェンジではフロントライトが丸目から角目に変更された。

text/高橋満(BRIDGE MAN)

photo/阿部昌也

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