なぜ今まで無かった? “耳に入れるスピーカー”『INAIR』― 上質かつナチュラルなサウンドの愉悦
「これはスピーカーだわ……」試聴してみて納得
当日は「バーブラウン社製のD/Aコンバータが搭載された」iPhone3GS(音源はあえてmp3とAAC)と『INAIR』の組み合わせで試聴を行いました。
一番の特徴は内耳を全く圧迫しない装着感でした。「丸型に削るのに実はとても苦労した」という球形のスポンジは耳に負担を掛けずフィットしつつ、耳から落ちることのないような絶妙な大きさと柔らかさにデザインされています。
この形状も耳の大きさや形に関わらず、ほぼすべての人がワンサイズのスポンジで装着できるよう試行錯誤した結果。
実際に聴いてみると非常に解像度が高いことがわかるのですが、特に低音の表現が秀逸でした。カナル方式が筒(音道管)を通すことで低音をブーストしているのに対し、インエアー方式イヤースピーカー【M360】での低音の表現には、ドライバ周りに装着されたエアチューブが一役買っています。
低音の解像度を保ったまま、見事にその厚みを増しているのです。
さらに、外界の音をほどよく遮らずに音楽を楽しむことのできるというのも、これまでにありそうで無かった体験でした。内耳が密閉されていないので鼓膜にかかるストレスがカナル型のイヤホンとは桁違いに少ない印象です。確かにスピーカーから出る音を長時間聞いていても疲れる事はほぼありません。『INAIR』であればその感覚に極めて近い体験をすることが可能になっています。
「僕自身、イヤホンをずっと付けているのが苦手なのですが、INAIRを開発してからは、耳から外したくなくなるほど音楽を一日中聴くようになり、寝る時に横向きになっても耳が痛くないのは本当に最高でした」と佐川氏。実は筆者も長時間イヤホンをつけているのが得意ではないタイプなので、今回のINAIRによる音体験はきわめてナチュラルで快適でした。
スピーカーから聴こえる、という当たり前の感覚を実現した『INAIR』、これは確かにイヤホンではなく耳に装着するスピーカーなのだ、という実感を得ることができました。
装着方法によって聴こえ方を選べる
『INAIR』は装着方法によってサウンドの傾向を変えることも可能です。
■カナル型イヤホンと同じく、耳の穴に取付ける方法
(スピーカー放射面を、耳の穴から鼻の方向へ向けて取付けた場合)
・装着感は軽く、開放的
・低音がやや弱めのオープンBGMスタイル
※やや耳から外れやすい傾向もあるので、下記の取り付け方法がオススメとの事■インナーイヤー型のように、耳の窪みにすっぽりボディ全体を収めてしまう方法
(スピーカー放射面を、耳の穴から自分の正面方向へ向けて取付けた場合)
・耳内空間(スピーカーで言うところの筐体、リスニングルーム)が最大化。
・低音がぐっと持ち上がり、全体的にバランスの取れた音圧を感じる。
・しっかりしたスピーカーで聴いているような音になる。推奨する装着方法
・寝ながら聴く際も耳が痛くならない。
公式推奨の装着方法はこちらです。
【A】…ボディーを引っ掛けられる方はより安定して耳へ固定できます。
【B】…ケーブルはこの位置から出るように調整します。
【C】…耳をひっぱりつつ、INAIRロゴ辺りを耳穴方向へ押さえ込むように装着します。
ちなみに音漏れは思っていたよりずっと少ないです。音漏れの目安としては、現在iPhoneに付属されている白いスタンダードなイヤホン程度だと感じました。
筆者は今回、あえて前情報を入れずに現地でお話を伺ったうえで視聴に臨んだのですが、その装着感やサウンドのクオリティから実売は3~4万円なのかと想像していました。しかし、クラウドファンディングでの現在の(募集)価格は9000円前後となっています。
メインのイヤホンと取って代わるクオリティの『INAIR』、イヤホンの歴史を根底から変えうるポテンシャルを秘めた製品と言えそうです。
現在、『INAIR』はGreenFundingにて20018/6/1 23:59まで支援募集中で、既に2000万円以上の支援を集めています(※目標金額1000万を大きく超え、プロジェクト成立確定見込みです)。
興味のある人はお早めにどうぞ。
世界初! 耳に入るスピーカー『INAIR(インエアー)』 新開発「AIR TUBE」搭載 360°音に包まれる新感覚 インエアー方式イヤースピーカー【M360】 | GREEN FUNDING by T-SITE
https://greenfunding.jp/lab/projects/2251
※VTS-384画像はamazonより引用。カナル方式とインエアー方式の比較図はGREEN FUNDING『INAIR』より引用。装着図は&COLOR提供。
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