子どもを大きく育てる声がけのルール
前向きでポジティブな言葉が子どもを伸ばす
例えば子どもに「お前は勉強ができないね」と親が言う。するとそれを言った親も子どもも強くその言葉を意識するようになり「勉強ができない子」に成長していくと言われている。
これは「注目したところが伸びる」という脳科学で教えられる有名な話。では何といえば良いのだろう。「お前は勉強頑張るね」「お前は勉強ができるね」などだろう。
運が良い人と悪い人の違いも同じで、運の良い人は、自分が運が良いと思っているので、運が良いと思える物事の捉え方をしているそうだ。結果として、運が良い人生を送っている、と周囲からも思われることになる。注目したところが伸びると言われる良い例だろう。
なので子どもを育てるときにも前向きなポジティブな言葉しか使わないように心がける、ということが重要だと言える。
禁止の言葉は子どもを主体性のない親任せの人間にしてしまう
また子どもに「ダメ」や「いけない」「危ない」などと禁止の言葉を使うのもよくない。
なぜなら、確かに親の言うとおりにしていると危険は少ないし苦労も少ない・・・。自然と子どももそれが楽で安心であるから自分で考えることをしなくなる。「親に任せておけば大丈夫」という考えに収まってしまうのだ。
主体性のない子どもが育っていく。そしていずれ大人になっていく。
だからそうならないためにもそんな時には「なぜそうするの?」「どうしてそう思ったの?」などと言い、自分で考えさせることを習慣にする。少しの危険を伴うことであれば見守りながら体験させることも重要なのである。
自分の目と耳で「ダメだ」「危険だ」と感じさせるようにしなければならない。
子どもの心・人格を否定する言い方は子どもが傷つきマイナス影響に
一番してはいけないのが子どもの人格を否定する言い方だ。物事には事柄と心がある。心を否定することが=人格を否定することになる。例えば「落書きをしたら見た目が汚れる」と教えるのと「こんなことをする子は悪い子だ」というのとでは捉えている視点が全く違う。
否定された部分が事柄か自分かで子どもの心は大きく傷ついていく。
子どもに注意を与えるときは事柄を叱り人格を絶対に否定しないように十分な配慮が必要である。
「答えを出さない答え方」で子どもの探求心・自主性が育つ
また東京大学に入る子どもたちの親の育て方でよく例に出るのが「答えを出さない答え方」。
「例えば子どもがこれって何ていうの?」とスカイツリーを指さしたなら即答してはいけない。「なんだろうね。高い建物だね。一緒に調べてみよう!」などと言うことになっている。
そのあと図鑑やガイドなどで自分でまたは一緒に調べる習慣をつけさせることで物事を深堀する楽しさを覚えていく。そんな自主性を育てればいずれは自分の将来も自分で見つけていくことだろう。大人はここまで考えて子どもへの声がけをしなければならない。
何のためにこんなに神経を使って言葉がけを考えなければならないのか?
それはその子どもが自分の力で自信をもって未来を大きく切りひらいていけるように育てること、その小さな芽を摘まないことが私たち大人の肩に全てかかっているからだ。
(永田 之子/マナー・コミュニケーション講師)
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