1型糖尿病治療に光明! インスリン分泌細胞を埋め込む “ひも”は免疫反応なし

糖尿病というと生活習慣病というイメージがあるが、実際は肥満や運動不足などを原因とする「2型糖尿病」と、自己免疫疾患などを原因とする「1型糖尿病」に分けられる。

1型糖尿病は、膵臓にあるインスリンを出す細胞が壊されてしまうので、この細胞を移植することが根本治療となる。ただ、免疫による炎症反応をどう抑制するかがネックとなる。

この難問をクリアするのが、米コーネル大学の研究チームが開発しているインプラントタイプの「TRAFFIC」だ。

・ゲルでコーティング

TRAFFICは体に埋め込む細いひもで、中にインスリン生産細胞が入っている。ひも全体がアルギン酸ハイドロゲルでコーティングされていて、免疫システムによる攻撃から細胞を守るのだという。

炎症反応が抑えられることに加え、TRAFFICのもう一つの大きな特徴がインスリン生産細胞の取り出しを簡単に行えること。

細胞の働きは有限であるため、古くなった細胞は取り出す必要があるが、そうした交換作業は腹腔鏡手術で対処できるのだという。

・患者の負担を減らせる

つまり、免疫反応を抑制し、必要に応じて細胞の入れ替えもできるので、移植による患者の肉体的負担を大幅に減らせるのだ。

開発チームはすでにマウスと犬で実験を行い、その効果と取り出し作業の利便性を確認。研究結果はこのほど専門誌「Proceedings of the National Academy of Science」に発表された。

今後はもちろん人での臨床試験となるが、実用化すれば1型糖尿病の治療を大きく変えることになりそうだ。

Cornell University

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Techable

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