ビジネスの基本!電話応対のビジネスマナーを整理しよう【例文付き】
電話のかけ方・受け方に関するマナーは社会人として覚えておくべきビジネスマナーのひとつ。電話のかけ方・受け方は会社の印象を大きく左右する可能性があります。今回は電話をかける時・受ける時のマナーや覚えておくと役立つ表現をまとめました。
電話応対のビジネスマナー
まずは、この記事でご紹介するマナーをまとめておきます。ご自身でマナーを押さえておきたい時や、後輩に教えたい時にぜひともチェックを。
例文もご紹介していますので、気になった方は、その部分を詳しくご覧ください。
1、手元にメモ帳と筆記用具を用意しておく
2、電話の受け答えは明るい声で
3、会社の代表として応答している意識を持つ
4、積極的に電話を取ってみよう
■電話をかける時のマナー6選
1、昼食時や朝・夜の業務時間外は避ける
2、電話がつながったら、社名と自分の名前を名乗る
3、相手が電話に出た時には、もう一度社名・名前を名乗り用件を簡潔に伝える
4、相手が不在の時は戻り時間を尋ね電話をかけ直す旨を伝える
5、先方の用件で電話を折り返した場合は、その旨を伝える
6、電話を終えたら、受話器はそっと置く
■電話を受ける時のマナー8選
1、電話がかかってきたら3コール以内に取る
2、電話を受ける時「もしもし」はNG
3、先方の社名・お名前を復唱する
4、先方が名乗らない、聞きとりづらい場合は聞き直す
5、取次ぎは、いったん保留にしてから行う
6、取次ぐ相手が不在の場合は、不在であることを伝える
7、自分で対応できない場合は、一度確認する旨を伝える
8、個人情報は口外しない
では、詳しく見ていきましょう。
電話応対の事前準備・心構え4つ
はじめに、電話に応対する前の準備と心構えを4つご紹介します。
1、手元にメモ帳と筆記用具を用意しておく
電話がかかってきてから筆記用具を探しているとスムーズな受け答えができません。特に慣れていないうちは、メモ帳と筆記用具は電話の近くに置いておき、必要に応じて電話の内容をメモすることをおすすめします。
2、電話の受け答えは明るい声で
電話をかける時も受ける時も明るい印象の声で話をするように心がけましょう。対面で話す場合と違い、電話では相手の顔が見えません。電話の声だけでやり取りするわけですから、普段よりも1段明るい声で話すことを意識しましょう。
3、会社の代表として応答している意識を持つ
電話で話している相手は、電話のあなたの声を、その会社の声として判断します。電話応対の時は、勤務年数が浅い場合でも「自分は会社の代表として応答している」という意識と責任感を持ちましょう。
4、積極的に電話を取ってみよう
「会社に掛かってくる電話は、自分が一番にとる」という意識を持つようにしましょう。特に入社したての場合は、社内の同僚や先輩に対してあなたのやる気を伝える場となります。また、電話の応答に慣れたり、取引先に覚えてもらうと、仕事がはかどることもよくあります。
電話をかける時のマナー6選
次に、電話をかける時のマナー6つです。
1、昼食時や朝・夜の業務時間外は避ける
特に週明けや連休明けの業務開始時間は、朝礼や伝達事項報告など忙しい時間帯です。なるべく避けておきましょう。朝・夜などの業務時間外にどうしても電話をかけなければならない時には、一言添えるのがマナーです。
例)
就業前に電話をかける場合: 朝早く恐れ入ります、○○株式会社の■■と申します
終業後に電話をかける場合: 夜分恐れ入ります、○○株式会社の■■と申します
2、電話がつながったら、社名と自分の名前を名乗る
電話をかけた時には、社名と自分の名前を名乗り、その上で相手がいるかどうか確認します。
例)
「○○○○(会社名)の○○(自分の名前)と申します。いつもお世話になっております。
○○部(相手の所属部署名)の○○様(相手の氏名や肩書)はいらっしゃいますでしょうか」
3、相手が電話に出た時には、もう一度社名・名前を名乗り用件を簡潔に伝える
例)
「(相手が電話に出たら)お世話になっております。○○○○(会社名)の○○(自分の名前)と申します。□□の件でご連絡させていただきました。ただいまお時間○分ほどよろしいでしょうか?」
この時、電話が長くなりそうな場合は、事前に「〇分ほどお電話よろしいでしょうか?」などとうかがって相手に都合を尋ねる配慮が必要です。
4、相手が不在の時は戻り時間を尋ね電話をかけ直す旨を伝える
相手が不在の時には戻り時間を尋ね電話をかけ直す旨を伝えましょう。例えば「お戻りは何時ごろのご予定でしょうか?」「それでは改めてこちらからご連絡を差し上げます。ありがとうございました」などとする流れが一般的です。
5、先方の用件で電話を折り返した場合は、その旨を伝える
先方の用件で電話をかけ直した場合には「先方用件の電話であること」を伝えましょう。
例)
「○○○○(会社名)の○○(自分の名前)と申します。いつもお世話になっております。○○部(相手の所属部署名)の○○様(相手の氏名や肩書)に先ほどご連絡をいただき折り返しお電話いたしました。」
先方が不在の場合は、「折り返しがほしいこと」など連絡先を伝えておきます。
例)
「恐れ入りますが、○○様のご都合のつくお時間にお電話をいただきたいとお伝えいただけますでしょうか。私は○○○○(会社名)の○○(自分の名前)と申します。電話番号は○○○○です」と伝えます。
6、電話を終えたら、受話器はそっと置く
電話を終える時には卓上電話の際は雑に受話器を置かないように気を付けましょう。フックを押してから受話器を置くと丁寧です。
電話を切る時はかけた方から切るのが基本的なマナーです。しかし相手がお客様の場合には相手が電話を切ったことを確認してからこちらも受話器を置くように心がけましょう。
電話を受ける時のマナー8選
最後に、電話を受ける時のマナーをご紹介します。
1、電話がかかってきたら3コール以内に取る
電話を受ける時は、基本的に3コール以内に受話器をとりましょう。
電話を取った時の挨拶例)
「(朝11時まで)おはようございます。/(通常)お電話ありがとうございます。
○○○○株式会社の○○でございます」と言って電話に出ます。
3コール以上鳴ってしまった時には、「お待たせいたしました。○○○○株式会社の○○でございます」と出ます。
ただし会社によって受電ルールが設けられている場合は会社のルールに従うようにしましょう。
2、電話を受ける時「もしもし」はNG
電話を受ける時に注意点として、まず会社に電話がかかってきた時には「もしもし」とは言いません。ビジネスシーンでは「もしもし」はNGです。「お電話ありがとうございます」などと明るい声で電話に出ましょう。
3、先方の社名・お名前を復唱する
電話を受けたら先方の社名とお名前を復唱します。
復唱の例)
「株式会社○○の○○様でいらっしゃいますね。いつも大変お世話になっております」
この時、「株式会社○○の○○様で『ございますね』」と言う方がいますが、「ございます」は自分に対して使う言葉です。相手のことを言う時は、『いらっしゃる』を使いましょう。
4、先方が名乗らない、聞きとりづらい場合は聞き直す
先方が名乗らない場合は、必ず訊くようにします。
「私、○○と申しますが、お名前を教えていただけますか?」と、自分から名乗って相手の名前を伺うのがマナーです。
また、聞きとりづらい場合は訊き直すことが必要です。相手の名前を間違えるほど失礼なことはないので、しっかりと聞き取ります。その際は、「恐れ入りますが、少々お電話が遠いようなので、もう一度お名前をおっしゃっていただけますか?」などと聞き返せばよいでしょう。「お声が小さいので」など、相手を責める言い方は絶対にしてはいけません。
5、取次ぎは、いったん保留にしてから行う
近くにいる人に取次ぐ場合でも保留にして取次ぐのが基本です。相手を待たせないためにも保留にするのは30秒程度とします。30秒以上かかりそうな場合は、折り返しのお電話をする旨を伝えるのがマナーです。「電話代がかかる」「相手の時間を奪ってしまう」という意識を持つことが大切です。
6、取次ぐ相手が不在の場合は、不在であることを伝える
取次ぐ相手が外出などの理由で不在の時には、電話の相手に不在であることを伝え、折り返す旨を伝えます。
例)
「申し訳ございません。本日○○は外出しており、戻らない予定となっております。明日の○時より出社いたしますので、明日○○からお電話するようにいたしますがよろしいでしょうか?」
この時、代わりに用件を伺っても良いでしょう。
例)
「もし私(わたくし)でよろしければ代わりにご用件をおうかがいいたしますが、いかがいたしましょうか?」
7、自分で対応できない場合は、一度確認する旨を伝える
かかってきた電話の内容を自分ひとりで解決できない場合もあります。だれかに相談してから折り返しの電話をかけたい時には「恐れ入ります。その件に関しましては少々お時間を頂戴したいのですが、折り返しお電話を差し上げてもよろしいでしょうか?」と相手に確認しましょう。
8、個人情報は口外しない
携帯電話の番号などをはじめとする社内の個人情報は決して教えてはなりません。
「御社の部長のお名前を失念してしまいまして…」など、名前を聞き出そうとする場合もあります。怪しいと思った場合は、「本人に確認して、必要な場合は折り返しご連絡いたします。」などと伝えましょう。
また、万が一いたずら電話を取ってしまった場合は、相手の求めに応じて個人情報を伝えるのではなく、
「お電話が遠いようですが…」と丁寧に対応した上で「大変申し訳ございませんが、お声が届かない状況ですので切らせていただきます」と対応するとスムーズです。
電話応対は電話のかけ方・受け方・取次ぎの方法などの丁寧な応答が求められます。はじめは緊張していても何度か電話をかけたり受けたりしているうちに自然と適切な言葉が出てくるようになります。電話応対で覚えておきたい例文やマナーを押さえ、電話応対の経験を積んでいきましょう。
監修者:佐野 昭子(マナー講師)
日本航空株式会社国際客室乗員部、庄交航空株式会社での勤務を経て、JALアカデミー株式会社、ヒューマニケーション株式会社、トラベルジャーナル旅行専門学校の講師を勤める。2002年人材育成研修会社「プリサージュ」を設立。「ホスピタリティマナー」に関する研修や「ホスピタリティマインド」に関する講演を行っている。千葉商科大学客員講師、クリニークデュボワ外部顧問。
文:リクナビネクストジャーナル編集部
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