【塚田農場】日本初VRを利用した社内研修を導入 養鶏場や加工業の現場を疑似体験できるように
居酒屋『塚田農場』を展開するエー・ピーカンパニーは、2017年7⽉より、日本国内で初となるVRを使用した研修プログラムを開始。11日(火)、プレス向けの説明会が開催され、VR研修の概要や目的が紹介されました。
『塚田農場』の研修プログラム
同社の社員向け研修では、宮崎県や⿅児島県などの産地に赴き、養鶏業や加工業の現場を見学体験させる取り組みを行っています。アルバイト従業員を対象としたVR研修では、その現地研修をベースに、これまでアルバイトが訪れることのできなかった産地の養鶏場や加工センターを疑似体験することができます。
説明会に登壇したエー・ピーカンパニーの取締役副社長、大久保伸隆氏は、全国の『塚田農場』約200店舗の全スタッフのうち約8割がアルバイト従業員であると紹介しつつ、「アルバイト従業員の働きの質がお客様の満足度に直結します。アルバイトが増えても会社の理念が薄まらないようにと考え研修制度を導入しました。よりリアルな体験を多くのスタッフに提供するべく、VR研修の開発に取り組みました」と説明。
なお、約5000人のアルバイトスタッフ全員を宮崎県に連れて行くとなると、ひとりあたり5万円と想定して2億5000万円ほどの経費に。その反面、今回のVR研修の開発コストは500万円程度であると明かしました。
VRコンテンツの概要
研修プログラムに含まれるVRコンテンツは全部で3種類。
「聖域編」では地鶏生産の聖域“ひなセンター”の役割を知り、孵化の様子やワクチンの接種など、鶏肉がテーブルに並ぶよりもずっと前の状態を観察。
「養鶏編」では地鶏農家の鶏舎における仕事を体感し、鶏の成長段階ごとの飼育を疑似的に追うことができます。
そして「処理加工編」では、加工センターで行われる放血(屠殺の手法のひとつ)を担当者の目線で体感し、生き物が食べ物になる瞬間にフォーカス。
映像は1本あたり約5分、VR映像にスライド資料と2Dの映像を交えた編集になっています。スマホをセットしたVRゴーグルを利用することで、いつでもどこでも研修が行えるわけです。
筆者も試しに「処理加工編」を見てみましたが、確かに放血の行程をその場で実際に観察しているような気分に。通常の動画では体感できないリアリティです。加えて、臭みがなく美味しい鶏肉にするために必要な過程、消費者のためにその仕事を行っている人々の存在を改めて認識することができました。
このVR研修は本社にて実施した後、全国7エリアへ展開、さらに海外の店舗にも順次導入を検討しているそうです。
ちなみに、同社の2017年度新入社員(90名)の入社式は宮崎県の“サンメッセ日南”で行われ、新入社員らはそのまま養鶏場や加工センターを回る研修へ。ガジェット通信では4月に3泊4日の入社式&研修ツアーを取材していました。VRコンテンツの開発と同様に、同社が研修にかける並々ならぬ熱い思いを知ることができます。
【体験レポ】3泊4日のバスツアー! 居酒屋“塚田農場”運営会社の入社式がスケールでかすぎた件
https://getnews.jp/archives/1703072[リンク]【体験レポ】生き物が食べ物になる瞬間 みやざき地頭鶏が炭火焼になるまでのドラマを追う
https://getnews.jp/archives/1703084[リンク]
『塚田農場』公式サイト:
http://www.tsukadanojo.jp/
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