【なぞなぞ霞ヶ関】数100メートルが遠い……国会議事堂内で取材できないのはどうして?

国会議事堂衆議院門

はじめましてのひとははじめまして。『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』というブログを2004年から運営しております、Parsleyことふじいりょうと申します。私は2009年に鳩山由紀夫民主党政権が誕生してから、大臣会見のオープン化をずっとウォッチしていたのですが、いつの間にか会見に参加できるようになってしまいました。今では内閣府を中心に、様々な省庁の大臣会見に出席しております。

とはいえ、私のような一般人からしてみれば、窮屈だったり不思議に思える慣習が霞ヶ関にはたくさんあります。【なぞなぞ霞ヶ関】では、そんな私の目から見て「なぜ?」と感じることを、政治家や官僚、大手メディアの記者などに直接聞いていきたいと思います。

第1回目は、私のようなブロガーやフリーランスの記者が国会議事堂の中では取材できない不思議について。

例えば、今は通常国会の会期中なので、大臣の会見が国会の中で開かれることがしばしばあります。国会内で取材するためには、「記者証」が必要になります。実際、新聞やテレビの記者の皆様は、顔写真つきのパスをぶらさげていらっしゃいます。これを見せるだけで、国会でも首相官邸でも各省庁内でも取材できるわけです。もちろん、木っ端ブロガーである私には、そのようなものは持っていません。だから、せっかく“オープン化”された大臣会見なのですが、出席することができないのです。

この「記者証」、なんとかゲットできないのかなぁ……。
内閣府広報課の担当に相談したところ、「記者証は国会で管理しているので、一度問い合わせてみてはどうですか?」とのこと。内閣府の細野・古川・中川各大臣は、院内の廊下や参議院の食堂で会見を開催しています。なので、まずは参議院に電話。

P:「大臣会見にフリーで参加している者なんですけれど、どうすれば記者証頂けますか?」
参:「記者証は、新聞協会や民間放送連盟や雑誌協会などに所属している会社に発行しています。フリーには発行できませんね
P:「どうしてフリーには発行できないんですか?」
参:「管理の問題ですね。なくされた時とか、責任が担保できないので」
P::「そもそも、管理や発行はどうされているんですか?」
参:「記者証は衆議院・参議院で発行していて、今は衆議院が担当です」

ということだったので、今度は衆議院にも電話してみました。

P:「大臣会見にフリーで参加している者なんですけれど……」
衆:「あーフリーの方には無理ですね。今でも発行数が多いと、議運にいわれているんです」
P:「えーと、つまり、議員運営委員会が記者証の発行数を決めているということなんですか?」
衆:「形式上はそうなりますね。なくされる方も多いので大変なんです。発行は年に二回のみにしていますし」
P:「(えーっ、会社もぜんぜん管理できてないんじゃん!)……どういうふうに発行数を決めているんですか?」
衆:「院内記者会が、必要だという数を発行しています」
P:「つまり、記者会が認めた人ならば、OKということですか?テレビ局だと、関連会社や派遣社員の方も多くいらっしゃるはずですが……」
衆:「そのあたりは、記者会の方でちゃんとされていると認識していますので」
P:「では、私のようなフリーの人間が参加できるように嘆願するには、議運宛に送ればいいのでしょうか?」
衆:「いやー、ちょっとこちらでは判断できかねます」

……とりあえず、この場は引き下がった私。フリーも記者証を発行してもらえる旨の申し入れ書を衆議院議運委員長の小平忠正議員と、参議院議運委員長の鶴保庸介議員に、送ってみようと思います。だけど、申し入れ書ってどう書いたらいいんだろうか?
 
そんなわけで、今後も一般人視点で霞ヶ関を徘徊して「なぞ」を探していきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。

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ふじいりょう

乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。

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