青少年の発育にも深刻な影響 スマホゲーム依存からいかに脱却させるか
青少年の発育にも深刻な影響を及ぼすスマホゲーム依存
近年、日常生活になくてはならないスマホですが、青少年のスマホ利用が長時間に及んで、インターネット依存が深刻化するのではと心配されています。
依存しすぎると日常生活の質を落とす原因にもなる依存症が心配されます。
『依存症』とは、その行為に対するコントロールが全く利かず、その行為をすることが生活の中心になる事です。
優先すべき事があってもやめることが出来ず、しなくてはならない事が出来ません。
勉強していても集中できず、日常生活に問題が起き、それを紛らわすためさらにのめり込むという負の連鎖が生じます。
スマホがないと落ち着かなく、常にスマホを触っているか、見える場所にないと不安を感じてイライラするところまでいくと要注意です。
スマホを見続けると、姿勢が悪くなりやすく、背中が丸まりその姿勢で操作し続けると、視力低下、肩凝り、筋肉痛、腱鞘炎などが起きやすくなります。
その他、光の刺激で脳波に乱れが生じるとも言われます。睡眠障害、頭痛、ストレートネック、コミュニケーションの低下、学力低下なども心配されます。
特に、軽い気持ちで始めるゲームの中に、オンラインゲームなど、人とつながれるゲーム、長時間プレイする程有利になるもの、知らない人たちとのチームプレイやスカイプでその人たちと話ながらプレイできるものなど、リアルな生活で悩んでいる子どもには、とても楽しい居場所になります。
そして、チーム戦の為、一人が抜けると弱くなるので辞めづらく、みんなが長時間プレイするため、長くやっている自覚が起こりません。
ネット依存症になった子の中には、筋力が衰えて骨粗しょう症になる子もいたそうです。
身長、体重、筋肉などの発達が良くない傾向にあるとも言われます。
感情のコントロールが利かず、攻撃的になりやすく、ADHD、うつ病などの精神疾患を患う子も多いという調査結果も出ています。
スマホゲーム依存から脱却するために日常生活で注意すべきこと
スマホ依存から脱却するために、次のようなことに注意して日常生活を送らせるようにしてください。
・スマホをいつも手に持って歩かない。(鞄などに入れ、開くのが面倒なパスワードを設定するのも良いでしょう)
・食事中はスマホをそばに置かない。
・夜何時までと終わりの時間を決める。
・ネット以外の楽しみを見つける。(スマホを忘れる時間を持つ)
・一日の行動を記録する。
自分が思うより多くの時間をゲームに費やしている認識をさせるため、起床、食事、ゲーム、入浴、就寝など1日の自分の行動時間を記録させましょう。
子どもがスマホゲームに依存していると気づいたら
子どもがスマホゲームに依存していると気づいたら次のような行動に移ってください。
・少しずつゲーム時間を減らせるように目標を決める。
(最初から高い目標だと続かないので、できそうなことから始めましょう)
・就寝時間を決める。焦らず段階的に就寝時間を早めて最終目的の就寝時間になるようにしましょう。
少しでもゲームの時間が減ったら、ちゃんと子どもを褒めてください。
ネット依存の子供は自己否定感が強い子が多いので、きちんと肯定してあげると本人の自信とやる気につながります。
子どもと相談しながら、保護者が早めに使用時間を制限、調節して、特定のサイトなどの使用制限をしましょう。(あくまでも強制ではなく、話し合ってルールを作る)。
ゲーム依存の兆候が見えたら、焦ってやめさせようと叱ったり、取り上げたりすると、ますますのめり込む場合があります。
大切なのは子供の気持ちを理解する事です。
依存脱却への根本的な解決策を考える
依存症の背景には強いストレスがあり、それを紛らわしている場合もあるのでストレスの原因を探しましょう。
そのうえで、どう軽減し、どう対処したらいいかを考えましょう。
家族内での会話を増やす、心身ともに休めるなど環境を考えてストレス対策をしましょう。(ネット依存の家庭に共通するのは、父親が子育てに非協力的な家が多いと言われます)
軽度の依存の改善はそれほど難しくありませんが、重度になると本人や家族の力だけでは困難です。
重度の場合はネット依存専門の病院で見てもらう事も大切です。
ネット依存症は、早期治療が大切です。
スマホは便利なものです。
良い所や悪いところもしっかり理解して、上手に使いこなしましょう。
(飯塚 和美/心理カウンセラー)
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