ノーベル賞・田中耕一さん、原発事故調で発言「未来への提言も任務」

国会事故調委員として意見を求める田中耕一氏

 国会が設置した東京電力福島第1原発事故調査委員会(委員長・黒川清元日本学術会議会長)の第3回委員会が2012年1月30日、福島県双葉町民らの避難先である埼玉県加須市で開催されたが、その終盤、同委員でノーベル賞受賞者の田中耕一氏が発言する一幕があった。

 「一言すみません。みなさんが一番気にされていることはお子さん、あるいはお孫さんの健康だと思うのですが、みなさんご自身の健康不安のことをあまり聞かない。何かあればぜひ聞かせてほしい。委員会は事故の究明だけでなく、未来に向けた提言という任務も含んでいる。科学技術は完全ではないが、不完全だからこそ、これからできることはある」

と述べ、広く意見を求めた。これに対し、双葉町住民を代表して井戸川克隆町長は

 「不安だらけです。20ミリシーベルト以内の地域には住めると原子力安全委員会は言っているが、一般生活の基準は1ミリシーベルト以内と言われている。20ミリシーベルトは作業環境上の話で、生活をしている人に対しての言葉ではない。双葉町民を国民と思っていない。学者など、なかには100ミリシーベルト以内は安全だということを言う人もいるが、今それを立証するよう、報告を求めてます」

と、思いの丈を打ち明けた様子だった。

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送] 「第3回 東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(通称:国会事故調) 」田中耕一氏発言部分から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv79140384?po=news&ref=rews#3:19:57

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(神田桂一)

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