【日曜版】SF映画史上最短の126分『スター・トレック』


『スター・トレック』が初テレビ放映から43年後、エンターテインメント界の至宝であり高円寺のゴジラやで買い占めるのが趣味のJ.J.エイブラムスという天才の手によって新たに生まれ変わりました。「リメイク」ではなく、「リ・イマジネーション」。世界観はそのままに、新たなキャスト、新たな解釈を盛り込んだ『スター・トレック』は驚異の面白さを持つ恐るべき傑作です。

1966年、『スター・トレック』はテレビで放送されました。日本では円谷プロによる特撮ドラマ『ウルトラQ』や史上初女の子向けアニメである『魔法使いサリー』が放送開始された年でもあります。こういうとあまりピンと来ませんが、アニメ『宇宙戦艦ヤマト』がこの8年後にオンエアされ、『機動戦士ガンダム』が13年後にオンエアされる、そんな程度の昔です。今でもヤマトの新作やガンダムの新作がネットを賑わせるわけで、この『スター・トレック』が持つ43年の歴史は決して長すぎるわけでも特殊なわけでもないということは、太平洋を隔てても“Geek”な心で“トレッキー”と繋がっているあなたなら造作もなく理解出来るでしょう。

他のSFシリーズ、例えば『スター・ウォーズ』などと比べて『スター・トレック』は見るためのハードルが高いような思い込みがあります。その歴史がとても長く、ファンが“五月蠅い”作品であるために、そういった印象からも食わず嫌いになっている人も少なくないのでしょう。
確かに本作品も、旧作を知っているファンならばより“ニヤリ”と出来るセリフ(ただし字幕の出来は最低以下ですが)やシチュエーションがいくつも仕込んであります。しかしそれはいわゆる“サービス”的なものであり、そもそも監督のJ.J.エイブラムスをして「スタトレは良く知らないよ!」という人なわけですから、万人が楽しめるSF娯楽作品を目指して制作されているのです。

生み出した作品、生まれたキャラクター達は制作者の手によって大事に育てられていきます。そして作品は数多くのファンを生んでいきます。(勿論そこにある巨大な経済効果も見過ごすことは出来ませんが)良き作品は良きファンを生み、良きファンは良き作品を生みという至極単純でかつ羨ましいスパイラルを具現化した希有な作品が本作『スター・トレック』であることは間違いありません。

物語はググれ(Googleで検索する)ばなんぼでも出てくるでしょうし、一般評価はヤフー映画ユーザーレビューを掘ればいくつか的確なものが見つかるかもしれません。そういった情報を求めているのなら、そこで完結すればいいのです。ここで書いたことは、『スター・トレック』はめちゃくちゃ傑作だということ。そして「継続してる作品がものすげぇ天才にものすげぇ最新技術で作られるとこんなに面白くなる」と、代わり映えしない(むしろ改悪され続けている)ガンダムを見せられているアニメファンをやっていた自分がちょっぴり悲しくなったという、そんな小さいお話です。

いつか書きましたが、映画の面白さは極めて主観的でエゴに満ちています。ですから、あなたのその評価は自身で見て下すべきで、「鼻くそに等しい」人の意見に左右されるべきではありません。でも、とにかく今は盲目的に薦めます。間違いなく、予断で見過ごしてしまうことが損になる。見に行けば、映画史上最短の126分後にご機嫌になっているあなたがそこに居る。それが本作品です。

『スター・トレック』は『スター・トレック』ですが、それに左右されない冒険譚であり、青春の話であり、友情の物語であり、SFです。そこには1800円で得られる最高のスペクタクルと興奮と感動が待っています(このニュースの詳細記事はこちら)。

作品名:スター・トレック
公開日:5月29日(金)より丸の内ルーブル他全国ロードショー
公式サイトhttp://startrek2009.jp/
(C)2008 Paramount Pictures. Star Trek and Related Marks and Logos are Trademarks of CBS Studio Inc. All Rights Reserved.

(この記事では最新映画版の日本語表記に合わせ、「スタートレック」ではなく『スター・トレック』と表記しています)
 

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