第7回山田風太郎賞 グリコ・森永事件をモデルに書かれた『罪の声』に決定
過去に、『悪の教典』(貴志祐介著、文藝春秋刊)、『ジェノサイド』(高野和明著、角川書店刊)、『光圀伝』(冲方丁著、角川書店刊)などが受賞した山田風太郎賞。
第7回となる今回の受賞作は塩田武士さんの『罪の声』(講談社刊)に決まった。
選考委員の奥泉光氏が「グリコ・森永事件という史実が最大限に活かされたミステリであり、作品の力と作家の力量を評価する声が一番多かった」とコメントした通り、本作は昭和を代表する未解決事件のひとつである同事件をモデルに書かれたミステリ作品だ。
塩田さんは授賞式で、「着想を得たのは21歳のとき。いつかこの題材を書く、というのが16年間ずっと心の支えだった。この作品を仕上げられなかったらという重圧が大きく、冒頭の一文を書くときにこんなに緊張したことはなかった」と作品への想いを語っている。
塩田さんは元新聞記者。そのキャリアを存分に活かした本作。ミステリ好きにはたまらない一作といえるだろう。
(新刊JP編集部)
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