3Dプリンターでタコの動作を再現!自ら動くタコ型ロボットをハーバード大が開発

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3Dプリンター、機械工学、マイクロ流体工学を専門とする米ハーバード大学の研究者らの手によって、まるで本物のタコのように自ら動くタコ型ロボット「Octobot」が開発された。

このように自律的に動く軟体動物ロボットを生み出したこと自体が世界初の快挙であるともいう。

・完全な軟体ロボットを実現

Octobotの肝となる技術がリソグラフィー、鋳造、3Dプリンターの3つだ。これらのプロセスはどれをとってもさほど難しいものではなく、容易に軟体ロボットを生み出すことができる。

本物のタコのようにグニャグニャと動くことができるのは、体内で少量の過酸化水素ガスが大量のガスへと変換されるためである。そのガスは腕に流れ込み、風船のように膨らむことによって本物のタコのような動きを再現可能である。

何よりこの革命的なロボットを発明するに際し、バッテリーや回路基板を含む電源系統の制御装置を柔らかいアナログ式の要素と交換する時、最も苦労したという。

この苦難を乗り越え、完全な軟体ロボットを生み出したことで、今後より複雑な設計のロボットを開発するうえでの礎が形成されたことになる。

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・3Dプリンターでロボットの部位を作製

ロボットの各部位は3Dプリント技術で作製される。例えば、燃料貯蔵庫、電源、駆動部分といった部位が速やかに3Dプリンターで作製されるようだ。

ロボットの製造プロセスはいたってシンプルだが、ここからより複雑なロボットが生み出される可能性は十分あるそうだ。

・目標は人間とロボットとの相互コミュニケーション

Octobotは骨格がないにもかかわらず、機敏かつ力強い動きが可能であり、ロボット工学に革命をもたらしたロボットとも言えよう。

目先の目標は、「這う」「泳ぐ」といった動作をマスターさせるともに、周囲の環境に馴染ませたりすること。最終的には、このOctobotを通じて人間とロボット間の相互コミュニケーションを実現したいと研究者らは考えているようだ。

今回の研究をきっかけに、柔らかい素材を活用して自律的なロボットを生み出す研究が進んでいくことを期待したい。

Wyss Institute, Harvard University

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Techable

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