オープンから3カ月。代官山「Decor Tokyo」訪問レポート
2016年5月1日。代官山にオープンしたインテリアショップ「Decor Tokyo(デコールトーキョー)」。「もっともっと、日本の住まいをきらきら輝く空間に」というコンセプトで、小さなDIYグッズから壁紙や建具・床材など、住まいに関する商材を数多く取りそろえています。オープンから3カ月。反響はどうなのでしょうか。雑貨・インテリア好きな筆者がワクワクしながらお店をのぞいてきました。
代官山から恵比寿までの散歩ルートに出店。トレンドに敏感な人たちがふらっと立ち寄る
Decor Tokyoの前身は、杉並区西荻窪に構えていたDIY・雑貨ショップ「GONGRI(ゴングリ)」。DIY好きな人が、このお店を目的地として来店し、リピーターも多かったといいます。
「もっと多くの人にファッションのように気軽に住まいを楽しんでもらいたい」という想いから、店舗面積や商品点数を大幅に拡大し、「Decor Tokyo」は誕生しました。開店にあたり、なぜ代官山という立地を選んだのでしょうか。店主である株式会社夏水組 代表取締役 坂田夏水さんにお話を伺いました。
「立地はいろいろと検討したんですよ。表参道や目黒の家具通りとか。ここは恵比寿と代官山の中間にあって、行き来される方も多いんですよね。お散歩中にふらっと立ち寄ってもらえるし、近くに住んでいる方々にも楽しんでいただける立地と考えると、この辺りがベストだと思いました。また、代官山近辺にはインテリアコーディネーターや設計士などのプロが通うショールームや家具などのお店も多く、そういった方々が寄り道してくれるような場所になってくれればいいなと思いました。この街の、せかせかしていない、落ち着いた雰囲気も好きですし。でも、家賃がすごく高いので、どうしようかと思ったんですけど……(笑)」
オープン後、5月・6月の2カ月間で来店した客数は、なんと、延べ3万人にもなるといいます。1日平均来客数は700人。当初の想定より倍近くの来客があるそうで、急きょスタッフを増員して対応しているのだそうです。【画像1】お店の前で一瞬立ち止まったかと思うと、ビビッときたかのように店内に吸い込まれていく女性(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
土地柄、客層としては流行に敏感な若い世代が多いイメージですが、そうなんでしょうか?
「週末は若い人がデートでお散歩中にふらっと入ってこられることが多いですね。最初はみなさん、雑貨屋さんかな? インテリアショップかな? とのぞかれて、店内に入るとまず、“これ、壁紙ですか?”と聞かれますね。
一方で、平日の昼間はこの近くに住んでいる主婦の方が多く、時間もお金もかけて、じっくり商品を選ばれる方も多いです。以前海外で生活されていた方は、文化的にもDIYを経験されていて、“昔やっていたのよね。今度部屋の寸法を測ってくるわ。写真も撮ってくるから見てくれる?”と前向きで、自分でやることを楽しまれています」【画像2】お話を伺った、坂田夏水さん。フランスやイギリスのインテリアが好きで、現地にたびたび足を運んでいたそう。今興味があるのは、ニューヨークのインテリア。古いものをずっと大切にするヨーロッパとはまた違って、季節ごとにリノベーションしたりインテリアが変わり、新作が動くところが魅力的なのだとか(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
プロもDIY初心者も。たくさんのニーズに応えられるスタッフと品ぞろえ
実際に来店された方はどんなDIYを楽しまれているんでしょうか?
「賃貸にお住まいの方は、最初はまずマスキングテープを買って帰られます。貼ってみて楽しいと感じられると、次は壁紙を貼り、床材を買って、照明も替える……など、どんどんレベルの高いものになっていくんです。
”こんな感じに仕上がったんですよ“と写真を見せてDIYの成果を教えてくださるお客さまもたくさんいらっしゃいます」とうれしそうに話してくれたのは、店舗スタッフの長井幸恵さん。長井さんは設計デザインの仕事に長く携わっていたこともあり、お客さまの高い要望に応えられるスタッフで、なんと建築士の資格ももっているそう。
「建築の勉強をしていたので、そういう意味ではお客さまにいろいろとお話できることがあります。素材のことや、塗料の色の相談など。お客さまが商品に慣れていらっしゃらないことも多いので、接客は一人ひとり時間をかけています。週末は店内が混雑していますので、平日であれば、よりじっくり相談にのることもできますよ」とのこと。
【画像3】人の話に相づちを打つのがお上手で、おおらかで話しかけやすいオーラを感じる長井さん。この小さいタッセルは、バッグにつけるなどアクセサリーとしても人気なのだとか(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
「お客さまのなかにはDIY初心者の方も本格的にやっている方もいらっしゃいます。お部屋の写真を持ち込まれて、インテリアと材料の色合わせをしたり。家全体のコーディネートをすることも。また、設計士やインテリアコーディネーターなどのプロの方から“こういうの使いたいんだけど、ない?”とか、カメラマンや家具のデザイナーの方が、撮影の背景用に必要としている壁紙や床材の相談を受けることもありますね」(長井さん)
売れ筋No.1、絶賛売り出し中の商品はコレ!
今、店内にある商品で一番売れているのは、「フックステッカー」という、貼ってはがせるフック。壁に画びょうも打ちたくないという賃貸に住んでいる人も安心して使える商品です。ステッカーだけどフックが付いていて、ペットボトル1本分くらいの500gまで耐荷重がかけられるのだそう。
「日本の粘着テープはすごいんですよ。貼った後にはがず必要のない海外の人にとってみれば信じられない商材ですが、粘着テープの技術の進化は、日本特有の素晴らしいものだと思います」(坂田さん)
「また、今、絶賛売り出し中なのは、7月1日に販売を開始したAIMER(エメ)という商品で、これは大手ドアメーカーと開発した“貼って塗れる自由なドア”。家をリノベーションするとき、建具(ドア)を自分の好きなものに変えようとすると、建具自体のお金、枠のお金、大工さんが枠を取り付けるお金、さらには塗装代……などがかかって、見積書全体に対する建具工事の割合ってけっこう大きいんです。でも、このAIMER(エメ)は建具自体・枠・金具・レバーハンドルもすべてついて、1本3万5000円~。この価格はけっこう画期的で、安い価格で自分で塗ったり壁紙を貼り替えることもできますし、満足度の高い商材だと思います」【画像4】AIMER(エメ)を使って壁紙を貼ったドア。まるで隠れ部屋のよう! なお、自分で取り付けるのが不安な場合は、職人さんによる施工サービスも3万円で利用できる(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
いればいるほどワクワクする店内。自分の部屋をああしたいこうしたいと想像力がかきたてられる!
まだまだオススメしたい商品はたくさんありますが、ここからは店内の様子を写真で紹介していきましよう。 【画像5】店内入ってすぐのところには造花コーナー。部屋に造花を飾るだけでも素敵な世界観がつくれる(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部) 【画像6】左/タイルの種類も豊富。筆者は洗面台の鏡の下に貼りたいなと妄想をふくらませました。右/金物コーナー。このゴチャっと感がたまらない。掘り出し物が見つけられそう(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)【画像7】左/マスキングテープはDIY初心者向き。右/タイル両手一杯で300円!遊び心いっぱい(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
また、7月上旬には、Decor Tokyoの商品が購入できるECサイト「MATERIAL(マテリアル)」もオープン。実際に店舗に来て、見て触れて気に入った商品・気になった商品をチェックし、家に帰ってこちらのサイトに訪れ、購入される方も多いのだとか。今のところネットよりも店舗のほうが品ぞろえが多いので、店舗に来たほうがより多くの商品を見つけることができますが、手で持ち帰るのが大変な大きい塗料缶などはネットで発注するなど、上手に使い分けもできますね。
なお、店舗では、プロの職人さんによる壁紙施工サービスの紹介もしているそうですので、自分で貼る自信がない場合は、スタッフに気軽に相談してみてください。
いるだけでワクワク感が止まらない店内。雑貨屋感覚で気軽に足を運んだ人が、小さなDIYグッズを買い、そこからDIYにどんどんハマってリピーターになるというのも納得。DIYやリノベーションのプロであるスタッフがじっくり相談に乗ってくれるのも大きな魅力です。
Decor Tokyoは今後もオリジナルの商品開発に力を入れ、海外にはない、日本特有のDIYの商材を増やして「持ち家の方だけでなく、賃貸の方も誰でも楽しめる住まいを提供できるようにしていきたい」とのこと。
筆者自身もDIYに関しては「わたしにはセンスないし……、失敗するのコワイし……」と及び腰でしたが、失敗してもやり直しがきくDIYグッズが多いことを知りました。
「キッチンにタイルを貼ったらカワイイかも」「ここだけ壁紙を貼ってアクセントをつけたらおもしろそう」「このイス、ブルーに塗りたいな」……住まいをもっと気軽に、ファッション感覚で楽しめたら、毎日の暮らしをちょっと素敵にできそうです。●取材協力
・MATERIAL
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