仕事がデキない人は、文章が「デコボコ」!?同一情報はまとめて書こう!

仕事がデキない人は、文章が「デコボコ」!?同一情報はまとめて書こう!
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■行ったり来たりの「デコボコ文章」が読者の混乱を招く!

情報Aについて書き終えたあと、情報Bについて書き、再び情報Aについて書く……そんな書き方をしていませんか? もしも答えが「イエス」だとしたら、注意が必要です。情報A→情報B→情報Aという具合に、情報が入り組んだ「デコボコ文章」は、読む人の混乱を招きがちだからです。

混乱を防ぐためには、同一情報(関連性の強い事柄同士)をまとめて書く必要があります。情報Aは情報Aで、情報Bは情報Bでまとめて書くことによって、読みやすく、理解しやすい文章になります。

■「デコボコ文章」かどうかは、分解するとよく分かる

【例文1】

「田舎」の魅力をアピールする旅館につき、周辺にはレジャー施設や観光地がほとんどありません。誇れるものといえば、豊かな森と清流、それに、都会では決して味わえない「おいしい空気」です。居酒屋やカフェなどの飲食店も、半径10Km圏内にはありません。天気のいい日の夜に見える満天の星も、一度は味わっていただきたいです。

この文章の意味が分からない人はいないはずです。しかし、読みやすい文章かといえば、そうともいえません。

この文章を分解すると、以下のようになります。

<田舎にないもの>

①周辺にはレジャー施設や観光地がほとんどありません。

②居酒屋やカフェなどの飲食店も、半径10Km圏内にはありません。

<田舎にあるもの>

❶誇れるものといえば、豊かな森と清流、それに、都会では決して味わえない「おいしい空気」です。

❷天気のいい日の夜に見える満天の星も、一度は味わっていただきたいです。

色分けすると次の通りです。

【例文1】

「田舎」の魅力をアピールする旅館につき、周辺にはレジャー施設や観光地がほとんどありません。誇れるものといえば、豊かな森と清流、それに、都会では決して味わえない「おいしい空気」です。居酒屋やカフェなどの飲食店も、半径10Km圏内にはありません。天気のいい日の夜に見える満天の星も、一度は味わっていただきたいです。

赤字(太字・下線なし)<田舎にないもの>青字(太字・下線あり)<田舎にあるもの>です。ところが、原文では、「レジャー施設や観光地がない<田舎にないもの>」の次に、「誇れるものといえば、豊かな森と清流〜<田舎にあるもの>」が登場し、再び「居酒屋やカフェなどの飲食店もない<田舎にないもの>」に戻り、最後にまた「天気のいい日の夜に見える満天の星<田舎にあるもの>」が登場します。

このように、情報がデコボコに流れてくると、読む人は、そのつど頭のスイッチの切り替えを強いられて大変です。情報が伝わりにくくなるだけでなく、「この人(書き手)は正しく情報を整理・分類できないダメな人だ」という烙印を押されかねません。最悪の場合、書き手自身の信用低下につながります。

では、どのような書き方をすれば、読みやすい文章になるのでしょうか? 同一情報をバラバラに書くのではなく、まとめて書けばいいのです。

【例文1の修正文】

「田舎」の魅力をアピールする旅館につき、周辺にはレジャー施設や観光地がほとんどありません。居酒屋やカフェなどの飲食店も、半径10Km圏内にはありません。一方、誇れるものといえば、豊かな森と清流、それに、都会では決して味わえない「おいしい空気」。天気のいい日の夜に見える満天の星も、一度は味わっていただきたいです。

情報を①→②→❶→❷の順、つまり、<田舎にないもの>→<田舎にあるもの>の順に並べたこの文章であれば、ストレスなく読むことができます。

ちなみに、この修正文では、<田舎にないもの>から<田舎にあるもの>へ移る場面に「一方」という接続詞を置き、情報の区切りをより明確にしました。

■情報がデコボコした実務文は、ミスやトラブルの元凶!

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もちろん、仕事で使う実務的な文章でも、「デコボコ文章」は厳禁です。

【例文2】

誠にお手数ではございますが、先日発注した商品Aを商品Bへ変更いただけますでしょうか。また、別途、商品Cを80個、追加注文したく存じます。なお、商品Bの数量は60個でお願いします。

おそらく、書いた本人に悪気はないのでしょう。しかし、この「デコボコ文章」では、意味を取り違えるなど、読む人が混乱を来しかねません。

【例文2】

誠にお手数ではございますが、先日発注した商品Aを商品Bへ変更いただけますでしょうか。また、別途、商品Cを80個、追加注文したく存じます。なお、商品Bの数量は60個でお願いします。

この場合、商品A&Bの情報は同一です。商品Cは別情報です。冒頭で商品A&Bについて書いてから、商品Cの情報が登場します。問題はそのあとです。商品Cの情報のあとに、再び商品Bの話に戻ってしまいました。

このような書き方をした場合、読み手が文章を見誤って「商品Cを60個用意する」といったミスが生じる確率も高まります(正しくは商品C=80個です)。危うい文章と言わざるを得ません。

【例文2の修正文】

誠にお手数ではございますが、先日発注した商品Aを商品Bへ変更いただけますでしょうか。商品Bの数量は60個でお願いします。また、別途、商品Cを80個、追加注文したく存じます。

同一情報同士をまとめたこの書き方であれば、読む人の誤読や誤解や招く心配はありません。

なお、文章が長くなればなるほど、書き手自身が「情報の分断」に気づきにくくなります。長文を書くときは、「同一情報をまとめて書く」という意識を、より強くもちましょう。

■同一情報がバラバラに登場する「デコボコ文章」への対処法とは?

同一情報をまとめて書ける人は、あらかじめ頭のなかできちんと情報を整理できている人です。一方で、同一情報がバラバラに出てくる「デコボコ文章」を書いてしまう人は、頭のなかで情報を整理できていないか、あるいは、文章作成中に思いついたことを、好き勝手に書いてしまう人です。

こうした原因を勘案すると、「デコボコ文章」をなくすための対処法は以下のふたつです。

対処法①:事前に情報をまとめてから書き始める

対処法②:書き終えたあと、文章を見直す

幸いにも、会話と違って文章の場合は、書き終えてからも修正することができます。同一情報がバラバラに書かれていることに気づいたときは、そのまま放置せずに、同一情報同士でまとめてあげましょう。同一情報をまとめて書ける人は、読む人に余計な負担をかけない人です。

著者:山口拓朗

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『伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける 87の法則』著者。

伝える力【話す・書く】研究所主宰。「伝わる文章の書き方」や「メールコミュニケーション」「キャッチコピー作成」等の文章スキルをテーマに執筆・講演活動を行う。著書に『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』(日本実業出版社)『書かずに文章がうまくなるトレーニング』(サンマーク出版)『伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける 87の法則』(明日香出版社)他がある。モットーは「伝わらない悲劇から抜けだそう!」。

山口拓朗公式サイト

http://yamaguchi-takuro.com/

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