原発輸出 トルコ政府へ経産省職員派遣「交渉過程についてはお話できない」と長官
枝野幸男官房長官は2011年7月26日午後の会見で、トルコ政府が原発の建設計画に関する日本の優先交渉権を7月末にも打ち切る方針を固めたことについて、「トルコとの交渉については、その過程のことについて具体的にお話をすることはできない」と語り、理解を求めた。また「(トルコとの)協力のあり方について話し合うために、トルコへ経済産業省の職員を派遣している」と述べ交渉等に関しては継続中であることを明らかにした。
原発輸出については”閣内不一致”や”政府方針のブレ”が指摘されている。きっかけは7月21日の参院予算委員会における菅直人首相の原発輸出に関する答弁だ。「安全性を高めて進める考えがベースだが、もう一度きちんと議論しなくてはならない段階にきている」と発言。各新聞社等が「菅首相が原発輸出に関する見直しを示唆」と報じた。
枝野官房長官は同日21日午後の会見で、朝日新聞記者からの「原発輸出について総理と長官の考えは違うとの印象を受けたが」との質問に対して、「私は(首相が)見直しを示唆したとは受け止めていない」と答えている。
■枝野長官とニコニコ動画記者(七尾功)とのやりとり
七尾記者: トルコ政府が原発の建設計画に関する日本の優先交渉権を7月末にも打ち切る方針を固めたとの報道がございますが、政府としてはどのように対応していくお考えでしょうか。
枝野官房長官: わが国としては今回の(福島第1原子力発電所の)事故を教訓を生かしつつ、高い水準の原子力安全が実現するよう国際貢献をしてまいりたいと考えております。原子力協力を進めるに際しては何度か私ここで申し上げておりますがこうしたわが国の姿勢を相手国がどう評価、判断するかということが前提であると思っております。相手国がわが国との原子力協力を要望する場合には、わが国としては交渉の経緯や相手国の期待を踏まえ対応をすべきと考えておりまして、トルコとの交渉については、その過程のことについて具体的にお話をすることはできないということについてはご理解をいただきたいと思います。なお、この協力のあり方について話し合うために経済産業省から職員がトルコに派遣をされたというふうに承知をしております。
(七尾功)
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