【インタビュー】踊ってみたの祭典『ニコニコダンスマスター』とは!?
今月19日に開催される『Nico Nico D@nce M@ster(ニコニコダンスマスター)』。 このイベントは『ニコニコ動画』に自身のダンスを投稿する踊り手(ユーザー)が出演するダンスイベントだ。 今回、この開催の直前にプロデューサーである、あべちゃんからイベントの見所やダンスの魅力について教えてもらった。
-宜しくお願いします。 まずは、このイベントの趣旨を教えて下さい。
元々、大会議(ニコニコ大会議)というイベントがあって、歌演目を主にやっていたんですが、『ニコニコ動画』の中には他にもステージに立てる沢山のユーザーがいますよね。 そういった人達にも徐々にステージに立って頂くということで、まずは「踊ってみた」(ユーザーが自身のダンスを投稿するカテゴリ名)の祭典(ダンスイベント)を開催しようじゃないか、という主旨から始まりました。
-あべちゃん自身、ダンスへは思い入れがあるのでしょうか。
大学時代、ずっとダンスをしていたんですよ。 ダンスを5、6年やっていてバトルイベントに出たり、舞台公演で振り付けや演出もやっていたんですね。 その後社会人になってからニコニコにハマり、元々やっていたダンスの舞台的な知識を活かしています。 だからダンス自体は詳しかったですね。 (ダンス自体は)かなりガチでやっていました。 そればっかりやっていたので、大学へも行かなかったくらいです(笑)
-そこまでダンスというのは魅力的なものなんですか。
歌だったりダンスだったり、それぞれ魅力はあると思うんですけど、ダンスの場合は言葉を発さないじゃないですか。 ただ、人間はやっぱり誰かと一緒に動こうとするとコミュニケーションをとらないといけない。 踊りの場合はそのコミュニケーションがダンスなんですよ。 動くことで呼吸を合わせて、時には目を合わせて、体全体で意志の疎通を図る。 そういう意味では、言語を持たなかった時代から何となく体でコミュニケーションをするっていう人間が本来持っている本能的な部分に近いものがあるんじゃないかなと僕は思っているんですね。
-ダンスのイベントってどんなことをするのでしょうか。
ダンスのイベントには色々な種類があって、ショーケース(演目のこと)イベントといって個人やチーム単位で順番に踊るもの、個人・チーム同士で競うバトル形式のもの、舞台公演としてのダンスイベントといったものもあります。 今回(ダンマス)はショーケースタイプになります。 ただ、バトルものもやりたいですよね。 ストリートダンス色に寄り過ぎないなんらかの形で。
-集まるお客さんはどんな層が多いのでしょうか、若い女性が多いイメージなのですが。
ところが、前回は男女半々くらいで意外と男性も多いんですよ。 ちなみに今回、本当に見たい人達を選びたくて応募へのハードルを上げてみたんです。 (-具体的には?)応募の際「意気込みメッセージ」を添えてもらったんですが、これが面白くて。 物凄い熱烈なファンレター的なメッセージや、「イベントを生で見たいんです!」と真面目でストレートな気持ちをぶつけて来るメッセージとか皆、色々と頑張って書いてくれていました。 逆に「見たいです」といった一言メッセージが少ないことが印象的でした。
-前回との比較をお聞かせ下さい。
まず出演の人数規模はより大きくなりました。 前回が70人くらいだったんですが、今回は120人弱と倍近くになっています。 また、前回は照明をあまり吊るせなかったりカメラの台数が少なかったんですが、今回はニコニコ大会議さながらの演出にパワーアップしていると思います。 何より前回と違うのは、(前回は)”カッコイイ”を軸に開催したんですが、今回は原点回帰というのが正しいか分からないですが「踊ってみた」には面白い人たちも沢山いるので(そこにも焦点をあてて)より「踊ってみた」の祭典らしくなっていると思います。
-ダンスのレベルはどうなんでしょうか。
ストリートダンスとしてレベルの高い人もいれば、全然ダンス経験はないのだけれど自分の踊りのフリを創作して踊る人もいます。 他にもアイドルみたいな人達もいるし、ギャグな人たちもいる。 ダンスの実力で見ると凄く上から下まで大きな開きがあるんですけれど『ニコニコ動画』ってストリートダンスだけの世界じゃないんで。 レベルは勿論重視しながらも、それだけじゃないと思っているんですよ。 技量が低かろうと発想の勝負で人気を得る人もいますし。
-ストリートダンスと「踊ってみた」の違いとは何でしょうか。
ストリートダンスと大きく異なる点で、また「踊ってみた」の特徴的な点として、ストリートダンスでは各チームが実力を見せるために、ショーケース(演目のこと)を作って皆に見せるんですよ。 反面「踊ってみた」が違うのは(例えば)誰かがボーカロイドの曲にフリを作り、その誰かが作ったフリをコピーして踊るという点ですね。 これは『ニコニコ動画』ならではだと思うんですけど、これってストリートダンスの世界では起きてこなかった。 (ストリートダンスは)自分達の実力を示す場だったりするので。
-「踊ってみた」は1つのフリを皆で共有する感じですね。
「踊ってみた」にストリートダンスと違う可能性を感じるのは、再現なく広がっていく点だと思うんですよ。 やっぱり、1つのフリをみんなでコピーしていって、みんなで賑やかに踊って……。 ワイワイニコニコできるっていう踊りの世界は僕は凄い素敵だなと思っているんで。 実力派だけではなくて、そういうふうにイージーでポップだったり、だけど色んな人が真似して踊れるっていうのは『ニコニコ動画』ならではのカルチャーなんで、それは大きくステージで取り上げていきたいな、という感じですね。
-今回、どんなところが見所になりますか。
今回「踊ってみた」っていうカテゴリの中から、有名な人・実力のある人・可愛い人・面白い人と幅広くラインナップされているんですけれども、勿論出演者の演目はそれぞれ自分の好きな出演者の方をウォッチして貰えればいいんです。 それ以外の部分で言うと、いくつかあります。
-順番にお願いします。
まずオープニングアクトですね。 ここでは”「踊ってみた」はカッコイイだけじゃなくて面白さ、バラエティ感、ニコ動らしさがあるんだぜ”っていう宣言的な意味合いの演目になっています。 あとはシューターズっていうスペシャルショーケースがあるんですけれど、日本の独自のオリジナルダンスがあります。 これは世界的に見ても今までに無いダンス文化じゃないかなぁ。
-どういった踊りなんでしょうか。
ヒントになるのは「太鼓」かもしれないです。 詳しくは見てからのお楽しみということで。 「これは日本が誇れる文化だな」と思って頂きたい演目ですね。
-他の見所もお願いします。
あとはエンディングもですね。 今回震災があったりして、ダンマス自体も延期になったんですが、エンディングでは「この4月から色々なことがあったけれど、みんなが笑顔になれるような日本を願いたいよね」っていうメッセージ性を込めています。 イベント全体としては「”踊ってみた”っていうのはカッコイイだけじゃなくバラエティ感もあるよね」とか「日本の伝統文化的な(ところには)世界に通じる部分もあるよね」というテーマもあります。 そしてそれらが総合されて「みんなでニコニコできるものになったらいいよね」という一つの流れが作られています。
-ところで前回は入場の際に混乱があったとも聞きましたが、その対策は?
前回は本当にごめんなさい。 今回は会場を大きくすることで対応していますが、これでもパンクしたら(来場者の計算がし難い)無料イベントとして続けるのは難しいかもしれませんね。無料イベントは、どこまでいってもパンクする可能性って絶対に拭えない構造になってるんですよ。
-無料イベントは応募へのハードルが低い分、ドタキャン率も高くて主催者側としては計算が難しいですよね……。 それでは来場されたお客さんには、このイベントをどんな風に楽しんで欲しいですか。
将棋倒しの危険性があるので、決して横には動かないで下さい。 縦ノリがマストです。 それと声は出して欲しいですね! 単純に自分の好きな出演者さんが出てきたら声援を送ってあげて下さい。 サイリウムとかで応援するのも良いと思います。
-最後に一言お願いします。
去年、今年、来年と小中高でダンスが義務教育課程になっていっているんですよ。 徐々にダンスが広がっている中(「踊ってみた」は)色々な人達が一緒になって踊れるハードルの低いところも沢山あるので、今回のようなイベント等で興味を持ってもらったら、実際にそれを真似してもらったり練習してもらったりしてみて欲しいですね。 「細かいところが覚えきれないよ!」という人には今回”踊り譜”をグッズとして販売するんですよ。 それを見て友達、もしくは友達がいないぼっちさんも(笑)、練習してもらって「踊ってみた」が世の中に広がっていけば良いんじゃないかなと僕は思っています。
-ありがとうございました!
本インタビューを行う中、前回よりも格段にパワーアップしていることが強く伺えた。 またここでは紹介できないのだが、当日まで秘密な演出・内容もあったりと「ここが凄いぞ!」という話を全て紹介しきれないのが残念でもある。 それがどういったものなのか、それは是非自分自身の目で確かめて欲しい。
踊ってみたの祭典 ニコニコダンスマスター2 ~らめぇぇ!!しゅごい踊り手逆襲の乱舞~
http://live.nicovideo.jp/gate/lv43011048
Nico Nico D@ance M@sterオフィシャルサイト
http://www.nicovideo.jp/danmas
インターネットの賑わっているところに大概参加をしながら約20年。 ここ最近はニコニコなどの動画サイトを根城にしつつ、何だかよく分からない生活を送る。 生放送においては過去に、日本全国を生放送をしつつ巡ったり、ヨハネスブルグ、ジンバブエ、カザフスタンなど「そもそも回線は大丈夫なの?」といった場所から生放送を行ったことも。 しかし、一番好きな場所は『自分の部屋』とのたまう、自称「世界で一番忙しいニート」・「世界で一番仕事をしない自宅警備員」。
ウェブサイト: http://com.nicovideo.jp/community/co7201
TwitterID: higeoyaji
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