細野氏、2ヶ月前の1~3号機メルトダウンの助言に関し「可能性をもう少し厳しく見るべきだった」
細野豪志首相補佐官は2011年5月26日夕に行われた政府・東京電力統合対策室の合同記者会見で、3月28日の時点で原子力安全委員会が福島第1原子力発電所1号機、2号機、3号機のメルトダウンに関する助言を出していた件について「非常に重要な助言だった」と述べ、「溶融しているという認識は、多分、統合本部のすべてのメンバーは持っていた」と発言。メルトダウンについては「今から思えば、はっきりパラメータですべて確認できなくても(メルトダウンの)可能性があるということについて、『数字が確認された時点で最終的に皆さんに正式に報告します』と言っておけばよかった」と語った。
細野補佐官とニコニコ動画の記者(七尾功)との質疑応答は以下のとおり。
七尾記者: 原子力安全委員会は、3月28日の時点で1号機、2号機、3号機のメルトダウンを認識していた。原子力委員会のこの助言について、当時、統合本部および官邸は把握していたのか。
細野補佐官: 当時は連日、様々な助言や実質的な判断を(原子力)安全委員会はされていて、そのなかのひとつだと思う。(資料を確認して)これははっきり覚えている。非常に重要な助言だったので。『(その原子力安全委員会の助言の書類には)一時溶融した燃料と接触した格納容器内の水』と書いてあり、『一時溶融した燃料』という表現はよく覚えている。ですから”溶融はしている”と。そういう認識は多分、統合本部のすべてのメンバーは持っていたと思う。
このやりとりののち細野補佐官は、
「溶融がどの程度かについてそれぞれ分析は(メンバーの間で)必ずしも一致をしておらず、完全に炉心そのものが溶融して下に落ちている(メルトダウン)ということについて確認がなかなかできていなかったということだと思う。ただいずれにしても今から思えば、はっきりパラメータですべて確認できなくても『おおよそこういう状況なのではないか』とその可能性があるということについてもう少し厳しく見た上で、『数字が確認された時点で最終的に皆さんに正式に報告します』と言っておけばよかったのであって、原子力安全委員会の助言以前に、そういう厳しい認識を持つべきだったのではないかというふうに私は今振り返っている」
と語った。
◇関連サイト
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http://live.nicovideo.jp/watch/lv51126592?ref=news#2:25:29
(七尾功)
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