会議中に居眠りしてもすぐ議論に追いつける技術をマイクロソフトが開発

会議中に居眠りしてもすぐ議論に追いつける技術をマイクロソフトが開発

今回はアキヒトさんのブログ『POLAR BEAR BLOG』からご寄稿いただきました。

会議中に居眠りしてもすぐ議論に追いつける技術をマイクロソフトが開発
春眠暁を覚えず……という季節でもなくなりましたが、眠いものは眠い。特にゴールデンウィーク明けの怠けた体には、長時間の会議が辛かったりするわけですが、マイクロソフトから会議中の居眠りを可能にする(別にそれを推奨しているわけではありませんが)技術が発表されたとのこと。

● 「If You Doze During A Meeting, Microsoft’s Got Your Back」2011年05月05日『Fast Company』
http://www.fastcompany.com/1751740/snoozed-during-the-meeting-microsofts-got-your-back

マイクロソフトが開発した”Accelerated Instant Replay (AIR) Conferencing”という技術について。これはテレビ会議用のシステムで、会議中に何らかの理由で聞き漏らした会話を、後追いで把握することを手助けしてくれるのだそうです。開発中なのできちんとした製品イメージはありませんが、同時に発表された研究論文*1 中に、UIの画像(トップ画像参照)が掲載されています。

*1:「What did I miss? In-Meeting Review using Multimodel Accelerated Instant Replay(AIR)Conferencing」(PDF)
http://research.microsoft.com/pubs/148460/AIR_chi2011_camera_ready_v11_submitted.pdf

会議のビデオや、使用された補助資料、音声認識による会話内容の筆記録などが1つの画面上に集められ、これによって会議の流れを再確認できるようになっているわけですね。果たしてこれでどれだけの効果があるのか疑問に感じるところですが、マイクロソフトからは以下のように発表されています。

●「What did I miss? In-Meeting Review using Multimodal Accelerated Instant Replay (AIR) Conferencing」『Microsoft Research』
http://research.microsoft.com/apps/pubs/default.aspx?id=148460

People sometimes miss small parts of meetings and need to quickly catch up without disrupting the rest of the meeting. We developed an Accelerated Instant Replay (AIR) Conferencing system for videoconferencing that enables users to catch up on missed content while the meeting is ongoing. AIR can replay parts of the conference using four different modalities: audio, video, conversation transcript, and shared workspace. We performed two studies to evaluate the system. The first study explored the benefit of AIR catch-up during a live meeting. The results showed that when the full videoconference was reviewed (i.e., all four modalities) at an accelerated rate, users were able to correctly recall a similar amount of information as when listening live.

会議の一部を聞き逃してしまい、他の参加者に迷惑をかけずに会話内容に追いつかなければならないという時があります。そこで私たちは、テレビ会議用のシステムとして『Accelerated Instant Replay (AIR) Conferencing』という技術を開発しました。これは会議を続けたまま、聞き逃した部分をキャッチアップできるという技術です。AIRは“音声”“映像”“筆記録”“ワークスペース”という4つの手段で会議内容を再生することが可能です。私たちはこのシステムを評価するため、2つの研究を行いました。最初の研究は、AIRによるキャッチアップの利益を調査するものです。この結果、4つの手段を通じてテレビ会議を見返した場合、ユーザーは 生で会議内容を聞いていた場合と同じ情報を、正しく把握することが可能であると明らかになりました。

ということで、一定の効果は得られたと。うーん、本当ならば今すぐにでも商品化して欲しい……。ただ実際の話、会議中にこの画面を凝視していたら寝ていたことがバレバレですが(笑)。外部からの電話に対応していた、別の会議に参加する必要があったなどの理由で、会議を中座する場合には有効かもしれませんね。

一方で音声認識技術は進歩しており、日本語でもかなりの精度で筆記録を自動作成できるようになっていますから、例えば筆記録作成の部分だけアプリ化して手元でコッソリ会話内容を後追いする……なんて方向に進化させられるかも。

執筆: この記事はアキヒトさんのブログ『POLAR BEAR BLOG』からご寄稿いただきました。

寄稿

ガジェット通信はデジタルガジェット情報・ライフスタイル提案等を提供するウェブ媒体です。シリアスさを排除し、ジョークを交えながら肩の力を抜いて楽しんでいただけるやわらかニュースサイトを目指しています。 こちらのアカウントから記事の寄稿依頼をさせていただいております。

TwitterID: getnews_kiko

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。