もうすぐ見納め、スペースシャトル 気になる内部の設備とは
スペースシャトル・エンデバー号最後の打ち上げが、アメリカ・ケネディ宇宙センターで2011年4月29日(現地時間)に予定されている。スペースシャトルの打ち上げ計画は今回を含めて残り2回となっており、その雄姿が見られるのも今年までだ。
スペースシャトル内部の様子はこれまであまり公開されてこなかったが、ニコニコ動画では今回、アメリカ航空宇宙局 (NASA) ジョンソン宇宙センターにあるスペースシャトルの訓練施設に入ることができた。ここには本物のスペースシャトルと同じ大きさ、同じ構造の模型が置かれており、宇宙飛行士はこの中で実際の飛行を想定した訓練を行っている。
<写真>
ジョンソン宇宙センター内の訓練棟にある、スペースシャトルと同じ大きさの訓練模型。全長37.2メートルだ。
こちらはスペースシャトルのコックピット模型。2階建てで、上は操縦席のあるフライトデッキ、下は宇宙飛行士が生活できるようベッドやトイレなどが置かれたミッドデッキになっている。
スペースシャトルの中にはミッドデッキに通じるハッチから入る。
フライトデッキのコックピット(操縦室)。スペースシャトルを操縦するためのたくさんの計器が並んでいる。地上との通信やロボットアームの操作、地球の観測もここから行われる。
こちらは操縦席。左側が船長、右側パイロットの席だ。なお、後部座席にはミッションスペシャリストと呼ばれる運用技術者が2名座り、合計4名が搭乗する。
フライトデッキの窓は正面に6つ、天井に2つ、後方に2つ。熱などに強いガラスが3枚ずつはめこまれているそうだ。
スイッチの数は1000以上にものぼるという。
モニターを使ってシャトル内のさまざまな情報が一覧できるようになっている。ただ、模型内では実際にモニターは動いておらず、実際の画面をイメージした紙が張られている。
こちらはクルーが生活するミッドデッキ。
吊されている青いものは宇宙飛行士のベッドだ。
壁一面に収納があり、食事や洋服、機材などが入れられている。
こちらは調理台。上の丸いところからお湯が出て、フリーズドライ食品などに加水できる。中段の銀色のところはオーブンだ。
スペースシャトルの胴体部分につながるハッチ。ここから宇宙実験室やドッキングモジュールなどに行けるが、コックピットの模型では開けないようになっている。
ミッドデッキにはトイレも備え付けられている。
訓練棟の壁には、1986年の打ち上げ時に爆発したスペースシャトル・チャレンジャー号(左)と、2003年に帰還途中で空中爆発したコロンビア号(右)のフライトミッションロゴが星条旗と共に掲げられている。それぞれのロゴには、犠牲になった乗組員の名前が刻まれている。
(永井美智子)
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