茂木健一郎氏が、脳科学者の立場から分析、ダラダラ先送りしてしまう原因は脳にあった?

茂木健一郎氏が、脳科学者の立場から分析、ダラダラ先送りしてしまう原因は脳にあった?

 やるべきことがあるのに、なかなか取り掛かれない。集中力にムラがあり、無駄な残業をしがち。土日に仕事を持ち帰っても、はかどらない。労働時間の長さが問題となる昨今、気が付けばそんな状態に陥っている人も多いのではないでしょうか?

 脳科学者の茂木健一郎氏は、近著『結果を出せる人になる!「すぐやる脳」のつくり方』で、物事を先送りにして仕事が山積みになってしまう人は、脳の前頭葉の機能により、無意識に行動にブレーキがかかった「ぐずぐず脳」の状態にあると指摘。「ぐずぐず脳」の人は、決してやる気がないわけではなく、このブレーキの外し方を知らないだけだと述べています。

 茂木氏は同書のなかで、誰しも工夫次第でこのブレーキを外すことができると提唱。例えば、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ、マイクロソフトのビル・ゲイツ、アップルのスティーブ・ジョブズなど、若くして起業し成功者となった人々は、”脱・抑制”に成功した人達。

 茂木氏は、彼らトップランナーのように抑制を外し、「すぐやる脳」を手に入れるには、脳内のムダをカットする「脳内ダイエット」が必要だと述べています。優先順位が高い事柄と、「やらない」事柄を見極め、不要とみなしたことは大胆にカット。徹底してムダを削ぎ落とし、大事なことに一点集中することで、脳内に、やる気スペースとなる”空き地”が生まれ、新たなヒラメキや発想が生まれるというわけです。

 また、結果を出せるビジネスパーソンに不可欠な「すぐやる脳」の好例として、茂木氏が紹介するのが、ゲーム『イナズマイレブン』やアニメ『妖怪ウォッチ』が爆発的ヒットとなった、製作会社・株式会社レベルファイブの日野晃博氏。

 福岡市というローカル発ながら、『妖怪ウォッチ』を世に送り出し、一躍脚光を浴びた同社ですが、その成功要因には「『徹底したユーザー視点』と『クロスメディア戦略』」(同書より)、なによりも日野氏の「すぐやる脳」があったことを挙げています。

 先行きが不透明な今の時代、あえて、リスクがあることにチャレンジするのは勇気がいることですが、茂木氏は、日野氏や堀江氏のように通常の就職活動のレールを外れた若者たちが、前人未到のイノベーションを起こしていくのだろう、と期待を寄せています。

 たとえ起業まではいかずとも、どんな仕事にも、「すぐやる」ことに越したことはないはず。普段の仕事がはかどらない「ぐずぐず脳」の自覚がある方は、同書を参考に「脳内ダイエット」に取り組んでみてはいかがでしょうか?

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