生の果物VSドライフルーツ 腸内環境を改善してくれるのはどっち?
「腸は第二の脳」ともいわれるように、腸には約1億個以上の神経細胞が存在。その数なんと、脳の150億個に次いで、体内で2番目に多いといいます。そのため、腸は食べ物を消化し栄養素を吸収、そして老廃物の排出に携わるだけでなく、体全体の指令塔としての役割を持ち、全身に影響を及ぼすのだそうです。
本書『腸の「吸収と排出」が健康の10割』では、腸内環境悪化のリスクについてこう説明しています。
「腸内環境が乱れると悪玉菌が優勢となり、本来排出されるべき老廃物が溜まり、腸の働きも弱まります。そして、その老廃物の有害な物質が腸壁から血液中に吸収されることで、血流に乗って体内を回り、体の中の遠く離れた意外な部位にまで、影響をおよぼしてしまいます」
便秘や下痢はもちろん、肌荒れ、肥満、さらには大腸がん……と、腸の不調はさまざまな病気を引き起こしかねません。そこで本書では、腸内環境を整えるには、日常生活においてどのような食事や習慣をとるべきかを指南。腸にまつわる52個の疑問に、わかりやすく答えていきます。
たとえば、腸内環境を改善してくれる食物繊維を果物から摂りたい場合、生の果物とドライフルーツを食べるのとでは、どちらの方がより効率的でしょうか。
この答えは、ドライフルーツ。生の果物に比べドライフルーツでは、ビタミンCの含量が減ったり、成分が凝縮されるため果糖は少し増えるものの、何倍も多く食物繊維が含まれているといいます。
具体的には、柿は8.8倍、ブドウは8.2倍、バナナは6.4倍、アンズは6.1倍、イチジクは5.7倍、プルーンは3.8倍といったように、多くの果物において、生で食べるよりドライフルーツとして食べる方が、食物繊維を多く摂ることができるとのこと。
また、ドライフルーツのメリットは、食物繊維が多いという点だけでなく、「噛まざるをえない」という点にもあるのだそうです。
「食べ物をよく噛むことによって、脳からヒスタミンという物質が多く分泌されます。ヒスタミンは脳の視床下部の満腹中枢を刺激して「おなかがいっぱいになった」という感覚を得やすくしてくれます。すると、食べすぎを防ぐことができるため、結果的に肥満を防ぐことになります」(本書より)
1億個以上の神経細胞が存在すると同時に、約100兆もの細菌が棲んでいるといわれる腸。そして、最も老化しやすい臓器であるといわれつつある腸。本書をきっかけとして、腸にまつわる知識を学び、その重要さを痛感したならば、自身の腸内環境を見直してみてはいかがでしょうか。
■関連記事
コレステロール対策 食事のバランスは1日単位ではなく1週間単位で考えるべし
民族音楽でトランス状態になる原因は皮膚の"聴覚"にあった!?
肩こりに「強く押す、揉む、叩く」はタブー……その理由は
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。