【ボランティアの基礎知識】『ボランティア活動保険』ってなに?

全国社会福祉協議会ボランティア活動保険

東日本大震災から3週間以上が過ぎて、ようやく被災地でのボランティア受け入れ状況も整いつつあるようです。ボランティアの種類も受け入れ団体もさまざまですが、多くの場合に条件として『ボランティア活動保険』への加入を推薦あるいは義務付けています。でも、ネットで調べてみても具体的な加入条件や申込方法がわかりにくい気がしたので、全国社会福祉協議会にお電話でお話をうかがってみました。

――『ボランティア活動保険』には誰でも加入できますか?
社会福祉協議会およびその構成員・会員、社会福祉協議会が運営するボランティア・市民センターなどに登録されているボランティア、ボランティアグループ、団体などが加入できます。

――といういことは、たとえば個人あるいは個人のグループでボランティアをするときには、加入できないということでしょうか?
いえ、個人の方でも受け付けています。ただし、加入時に「どんな活動をするのか」について説明のうえ届け出ていただく必要があります。たとえば「東日本大震災の被災地でどんなボランティアをする」と説明していただけばけっこうです。また、有償のボランティアは『ボランティア活動保険』の対象外になります。詳しくは、加入時に「どんなボランティアに参加したいのか」を窓口で相談してください。

――『ボランティア活動保険』への加入方法について教えてください。
全国社会福祉協議会および各都道府県の社会福祉協議会で、加入書類を受け取り申し込んでいただくことになります。また、各都市の福祉ボランティアセンターで受け付けている場合もあります。社会福祉協議会および『しせつの損害補償』加入者以外の一般の方からはインターネットでの申込は受け付けていません。

――『ボランティア活動保険』への加入は、ボランティアに行く前に入るべきでしょうか?
参加前に加入すると、被災地に行く途中の事故なども補償対象になります。また、今回の震災では被災地の負担をなるべく減らすために、事前の加入が呼びかけられています。

――『ボランティア活動保険』の加入金額や補償内容は全国一律ですか?
東京都、愛知県、京都府などでは、各社会福祉協議会が独自の『ボランティア活動保険』を用意していますので、全国社会福祉協議会のものとはやや違っています。しかし、全国社会福祉協議会と同じものを採用している社会福祉協議会もありますね。全国社会福祉協議会の場合は、Aプランが280円/年、Bプランが420円/年です。Aプランは死亡時に1400万円、Bプランは2000万円が保証されます。詳しくは、各パンフレットなどをご参照ください。

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要するに、最寄りの社会福祉協議会に出向いて、申込書類に記入したうえで申込みをするという方法以外にはないようです。申込時に特に必要な証明書等はありませんが、「現金で加入金を受付」と「事前に加入金振込が必要」の2パターンがあるようで、後者の場合は振込用紙を受け取って近くの金融機関等で振り込みを済ませてから、再度社会福祉協議会に出向いて加入完了、という流れになります。

また、ボランティア団体がとりまとめて保険に加入するケースもあり、ボランティアに参加する際に「ボランティア活動保険に加入している団体かどうか」を確認してから、個人としての加入を検討するほうが良さそうです。申込みは少しめんどうですが、加入金額に対する補償内容も大きく入っておくと安心なことは確か。加入にあたっては、最寄りの社会福祉協議会に事前に電話をしてから行くことをおススメします。
 
ボランティア活動保険に関するリンク
全国社会福祉協議会
http://www.shakyo.or.jp/index.htm
都道府県・指定都市社会福祉協議会
http://www.shakyo.or.jp/links/kenshakyo.html
全国社会福祉協議会『ボランティア活動保険』パンフレット(PDFファイル)
http://www.fukushihoken.co.jp/pamphlet/volunteer.pdf
※画像は上記パンフレット表紙より引用。
 
 

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Kyoko Sugimoto

京都在住の編集・ライター。ガジェット通信では、GoogleとSNS、新製品などを担当していましたが、今は「書店・ブックカフェが選ぶ一冊」京都編を取材執筆中。

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