進研ゼミのDMはなぜ届くのか？

「なんで私が小学3年生になったのを知っているんだろう？」。子どもながらに不思議に思ったことがある人もいるのではないだろうか。なぜ進研ゼミのDMは届くのか……。なぜ、福武書店（現ベネッセコーポレーション）は自分の年齢を知っているのか……。

そんな疑問が少し解消されたのは、社会人になってから知人から聞いた一言だった。「昔、福武書店って、生徒手帳作ってたんだよー。それで個人情報手に入れてたってことじゃないかな」。なるほど……。しかし、いまや個人情報の取り扱いについては、非常にセンシティブなご時世だ。しばらくは生徒手帳から手に入れていた個人情報だっていつまでたっても、会社にとって有益なものではないだろう。しかし、その一方で、同社の事業は拡大の一途。提供する刊行物の対象は、小学生、中学生、高校生（浪人生）だけに留まらず、妊娠、育児中の親や、はたまたペットを飼う人たちなど、本当に幅広い。

特に、通信教育は同社の基幹事業だが、なんとそのターゲットのトラッキングは、子どもが母親のお腹の中にいるときからスタートしているらしい、というから驚きだ。同社の出版物からはもちろんのこと、ネット上では、「産婦人科で行われるイベントで何気なく書きこんだアンケートが元になっているのでは？」とか「出生届が元になっているのではないか」といった情報もある。子どもが誕生した後には、提携している赤ちゃんグッズ専門店や、保育園、水族館、動物園など、親子が訪れそうなところで収集された情報から取得しているのでは、という推測も多い。

万が一、産婦人科で提出する書類の中から収集しているという情報が本当であれば、これは特に大問題だ。アンケートについては、アンケートの主目的以外での個人情報の転用は認められていないが、このようなご時世、入力する方も安易に記入しない、という意識が大切だろう。しかし、産婦人科や出生届けなど、個人情報を入力している目的が、入院のため、とか、出生の情報を届け出るため、というように情報の提供が避けては通れない場合、その目的からそれた内容に転用されるのは、たまったものではない。

このベネッセコーポレーションからのDMについては、実際に悪評も高く、「送付を中止するように電話で言ったが止めてくれない」「引っ越しても続く」という人が後を絶たない。実際に、知人でも、2度の引越しを繰り返しているのにも関わらず、『こどもちゃれんじ』の送付が止まらない、といった例もある。これらが、子どもが高校を卒業するまで続く……というのは、想像するだけで本当に恐ろしい。

私は現在、第一子を妊娠中だが、通っている産院への入院申し込みをする前に、これらのさまざまな情報を知った。当然、情報の真偽は定かではないが、地番や住んでいるマンションや部屋番号などは、念のため記載しなかった。現時点で、これまでに私個人が妊娠している情報を外部で知っているのは通っている産婦人科しかないことは確実だ。これで、子どもを出産したあとにDMが届いたとなれば……。今後も引き続き本件には注目していきたい（このニュースの元記事はこちら）。
　
　
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