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海上保安官(sengoku38)手書きメモ 全文書き起こし

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sengoku38氏手書きメモ全文

今回はくっくりさんのブログ『ぼやきくっくり』からご寄稿いただきました。

海上保安官メモ全文起こし

 尖閣衝突ビデオをYouTubeに流出したsengoku38氏とされる海上保安官。
 この方が上司に名乗り出る前、単独インタビューに成功していたという読売テレビの山川友基記者。
 水曜から金曜にかけてテレビによく出演していたので、ご覧になった方も多いでしょう。

 その山川記者が入手した、任意同行される前に海上保安官が書いたという直筆メモがこれなんですが……

 このメモって、日テレかどこかがとっくに全文発表してるんだろうと思いきや、何としてないんですね。

 日テレ系のニュース番組や情報番組でメモの実物は何度も映されてはいるんですが、どこもパッと映すだけ、内容についても細切れに取り上げるだけで、全文きっちりという形では紹介されてないという。

 というわけで、複数の番組で映されたメモの映像+細切れに紹介された文章から、こちらでつなぎ合わせて全文を起こしてみました。

注1)ペンの色、改行の位置などできるだけ原文どおり再現しています。
注2)表面の条文のすぐ上の「国民ひとりひとりが…」の箇所は原文では一部の文字を赤で書き直す形で修正されているのですが、読みやすいよう行全体に取消線を引いて打ち直しました。
注3)誤字に気づくなどして後日修正する可能性がありますので、転載の際はご注意下さい。
(ガジェット編集部注:色つきの画像バージョンの次に、テキストバージョンを掲載しています)

 メモ起こしここから____________________________
【【【【【表面(ワープロ打ちの面)】】】】】

●画像版(表面/ガジェット通信本サイト以外では表示されない場合があります)

sengoku38氏手書きメモ表

 
●テキスト版(表面)
これを国家機密とするのであれば、時の政府が自身に都合の悪いことは全て国
家機密にしてしまえば、何をやっても許されるのではないでしょうか?
60数年前の日本がそうだったように・・・・・・
あのとき連戦連敗の様子を国民皆が知っていたら、あれほど戦争が長引いたで
しょうか?
今回のビデオは、日本が中国に負けた様子がありありと記録されていた。
 (くっくり注:↑この行、赤いペンで追加)
もしかしたら、広島、長崎の悲劇も無かったかもしれません。
今日における北方領土問題も無かったかもしれません。
やはり時の為政者の意向によらず、国民が真実を知ることは大切なことではな
いでしょうか。
もちろん、国家機密というのも必要であると思います。
例えば日米の密約等、本当にその存在が発覚すれば大きく国益が損なわれるよ
うなものがそれにあたると思います。
今回の件で、我が国の国益は損なわれたのでしょうか?
それは、国民ひとりひとりが判断すれば良いことではないでしょうか?
それを、国民ひとりひとりが考えそして判断し行動してほしい。
 (くっくり注:↑この行、赤いペンで書き直し)

 日本国憲法第15条、国家公務員法第96条
 海上保安庁法第2条第1項
┌刑事訴訟法第196条
│刑法125条第2項、刑法第126条第2項(刑法第128条)
│刑法第193条、刑法第104条、刑法第61条

そもそも捜査資料とされる(捜査資料とは?)ビデオテープも
公開する事が何の違反にあたるのか?
 (くっくり注:↑ここも赤いペンで追加)

 (くっくり注:↓以下全て手書き)
・今回被疑者その他の者の名誉を害したのか
・捜査の妨げとなったのか?
・公開しない理由は?
・捜査は事実上終っているのでは?

総理曰く 今ビデオを公開すれば、流失犯の刑が軽くなる?
一見まともなようだが、目茶くちゃな理屈。
意味もないのに隠せば秘密になるのか?

【【【【【裏面(手書きのみの面)】】】】】

●画像版(裏面/ガジェット通信本サイト以外では表示されない場合があります)

sengoku38氏手書きメモ裏面

●テキスト版(裏面)

これを機に管理が厳しくなり
本来の仕事に支障をきたすおそれ(間違いない)
組織が1人1人個人を管理する事は不可能である
結局個人の自覚が必要である
管理社会→情報統制
一職員の行動まで大臣・長官が
責任を行わねばならないのか
だとすれば、大阪市長(平松さん例えにしてすいません)
は一年で何回交代するのですか?
連帯責任論は、責任のなすりつけ合い
監視社会も生む

本件を犯罪行為とするならば
ビデオ画像が機密であるとの証明が必要
ではないだろうか
また尖閣は自国の領土と言うのならばなぜ
何人も上陸できないのか?
堂々と上陸しモグラの調査保護を行い
船舶の航行安全のために灯台も設置すべき
ビデオ公開が日中関係に影響をあたえると
言うならばAPECに中国国家主席が来日するのはなぜ?
むしろ日本国民が知るところになったから来日するのでは?

 (くっくり注:↓用紙右上の青い文字)
犯罪者の理屈
に耳を傾むけるな
と言うのなら
推定無罪?

 ____________________________メモ起こしここまで

 パズルみたいでちょっとしんどかったですが、ほぼこれで間違いないと思います。
 ただ、最後の「推定無罪?」の上の3行はちょっとあやふやです。もし解読できた方がおられたらご一報下さい<(_ _)>

 ※メモ起こしにつき参考にさせていただいた番組
  ・「ミヤネ屋」11月11日放送
  ・「NEWS ZERO」11月11日放送
  ・「スッキリ!」11月12日放送
 ※メモ起こしにつき参考にさせていただいたブログ
  ・アニ妻ブログさん11月11日付

 メモ全文を見ますと、この海上保安官が決して興味本位とか、そういった生半可な気持ちでビデオを流出させたのではないことが分かりますね。

 あと、メモにはありませんが、彼は山川記者にこのように語ったそうです。
 (以下「ミヤネ屋」11月11日放送より。テレビにだまされないぞぉさん11月11日付に起こしあり http://dametv.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/post-88e6-1.html )

 「あれ(ビデオ)を隠していいのか」
 「闇から闇に葬られて跡形もなくなってしまうのではないだろうか
 「もともと国民が知るべきものが私の目の前に落ちていて、それを拾って届けた。こんなん拾わんでもええんちゃうか、余計なことして、とおっしゃる方もたくさん居ると思います。でも、うやむやにするよりは、たとえ一時大騒ぎになろうが、知ることが、やっぱり国民・日本という国のためになると、私は思いました」
 「職を失うことは覚悟していました。やる以上はそうなってもやむをえない。残された家族、これが最大の心配です。私の行為によって傷ついたり迷惑をかけた人には非常に申し訳ないと思っているので、そういう意味では後悔は非常にしています。私の周りの人間に累が及ばないように、それだけが切に願っていることです」
 
 また、「sengoku38」の投稿者名については、「官房長官の名前でもありますし、戦国時代の“センゴク”かもしれないし、日本を取り囲む状況が戦国時代さながら、そういう意味にも取れるんじゃないでしょうか」「私の胸の中にひとつくらい秘密があってもいいのでは」と、意図を尋ねた山川記者をはぐらかしたそうです。

 倫理に反したら甘んじて罰を受けるという覚悟を持って流出させたのか?という点について、山川記者は、「公開することにより、賛成もあるが、大きな批判にさらされるという事も彼は分かっていた。あと、自分の主義主張を伝えたいとか、今の内閣へダメージを与えたいとか、そういう気持ちではないと。内部告発にありがちな、今の組織に不満があるとかいう事は全くなく、職場の同僚にも大変感謝をしていると話していた」と説明。
 そして山川記者は最後に、「彼と直接向き合った感想は、非常に丁寧な人物。家族を心配する時には涙するという事もあった」と述べました。

 さて、その彼ですが、水曜の朝に流出を告白、事情聴取が始まって、その日のうちに逮捕されるのかと思いきや、金曜(12日)夜の時点でまだ逮捕されてませんね。

 世論が彼に対して非常に同情的なのでそれに考慮してるとか、そういうことではなくて、裏付け捜査ができない、つまり物的証拠や「秘密の暴露」がないため逮捕に踏み切れないようです。

 てか、それ以前の問題として、国家公務員法100条の守秘義務違反に該当するのか、つまり1977年の最高裁の判決に照らして、あのビデオが同条でいうところの「秘密」に該当するのかということがあり、そこでまず捜査当局内も逮捕するか否かで意見が分かれているのだとか。
 (国家公務員法100条と最高裁判決に関してはこの水曜の「アンカー」で青山繁晴さんの解説がありましたので、未読の方は是非 http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid912.html http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid912.html )

 報道によれば、中国とのことも関係しているようです。
 というのは、APECで中国の胡錦濤国家主席が金曜(12日)の夕方に来日しましたが、日曜まで滞在するそうなんですね。で、日本側としてはどうしても日中首脳会談をやりたいので、胡錦濤がいる間は波風を立てたくない。だからこのまま任意捜査を続けて、逮捕するにしても捜査当局が動くのは月曜以降であろうと。

 中国といえば、沖縄・西表島の南の海上で中国人の乗組員25人が乗ったパナマ船籍の貨物船が遭難、11日の朝に第11管区海上保安本部の巡視船がうち5人を救出(うち2人はすでに死亡)したという出来事がありましたが(FNN11/12 http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00187800.html )、実はこのニュースを中国の国営テレビは繰り返し報道しているそうです。
 つまり、向こうは首脳会談をやる気はあるというメッセージだと日本側は捉えているようです。

 まあそういうことで、現在も彼の身柄が宙ぶらりんにされてしまっているのには、「外交的配慮」も絡んでいるのではないかと。

 今後、彼がどういう運命をたどるのか、私には分かりません。
 ただ、もし罪に問われて逮捕された場合は、できれば情状をくみ取って寛大な措置をしていただきたいものです。

 ネット上では署名活動も始まってますね。
・尖閣沖ビデオを公開した海上保安庁航海士(sengoku38)の減刑嘆願
http://www.shomei.tv/project-1643.html

 こういった動きについて、「愛国無罪か?それじゃ中国と一緒だよ」とおっしゃる方もおられるかもしれませんが、いや、それは違うでしょう。
 向こうの「愛国無罪」は、日系の店舗を襲って壊したり、略奪したりというまさに暴力行為、破壊活動であって、今回の問題とは全く性質が異なっています。
 なので同列に考えるのはいかがなものかと思います。

 いずれにしても、彼の責任を追及する前に、まずは、そもそも中国人船長を釈放してしまった、そしてビデオ非公開を決めてしまった官邸、特に仙谷官房長官の責任を追及するのが先だと思います。全てはそこから始まっているわけですから。
 (しかも、仙谷氏は中国側から「ビデオを公開するな」と要求されてそれを呑んだ、つまり中国側と密約を交わしていたということも複数のメディアで報道されています)

 仙谷氏は今回の一連の失政、その経緯について、国民に説明する気は全くないようです。
 ビデオ流出問題についても、11日の会見で「政治職と執行職では責任のレベル、次元が違う」と述べており、海上保安庁長官の鈴木氏に全ての責任を被せて終わらせる心づもりのようです。
 「政治主導」「情報公開」「クリーン」が売りの民主党政権がこんなことでは、国民は誰一人として納得しないでしょう。

 ……最後に、先ほど(11月13日0時45分頃)、「NEWS ZERO」を見ていたら速報が入りました。海上保安官がコメントを発表したそうです。
 突然のことなので全文拾えませんでしたが、「世間をお騒がせしたこと、多くの方々にただならぬご迷惑をおかけしたことをお詫びします」「本日、私がここ(5管本部が入る神戸の庁舎)に泊まるのは私の意思に基づくものです」という内容でした。
 読売新聞の配信(11月13日0時59分)ではこういう内容になっています。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101113-00000101-yom-soci

執筆: この記事はくっくりさんのブログ『ぼやきくっくり』からご寄稿いただきました。
尚、書き起こしテキストはまだ修正が入る可能性がある、とのことですので最新の修正点に関しては原文を当たってください。

文責: ガジェット通信

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