『Skype』の戦略にだまされるな! 『Skype』は禁断のアプリではない
今回はOrcaさんのブログ『デジタル@備忘録』からご寄稿いただきました。
『Skype』の戦略にだまされるな! スカイプは禁断のアプリではない
つい先日、KDDIが“禁断のアプリ”などと鳴り物入りで『Skype au』を発表しましたが、まったく禁断ではないかと。『Skype』の戦略とKDDIの戦略とが一致しただけの話。
お互いに美味しいわけです。禁断などと誇大宣伝もホドホドにしてほしい(『iPhoneと』は違い『Skype au』は国内の固定電話や携帯向け発信はできないようになる見込み)。
別に『Skype』に恨みがあるわけでも何でもないのですが、『Skype』=超激安! みたいなイメージだけが先行しているようなので『Skype』の知られざる? 実態を報告 (『Skype』は利用方法によっては非常にメリットがありますが、メリットだけが先行しているので問題点を指摘)。
語弊があるかもしれませんが、そもそも、無料なのはインターネット回線につながった『Skype』同士。それ以外は有料です。そんなことは知ってるって? では、『Skype』から携帯電話へは何円でしょう?
『Skype』のホームページを見てみましょう。
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世界中の固定電話や携帯電話への通話発信の開始価格:2.66円/分(3.06円“VAT込み”)
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『Skype』ホームページ プリペイド料金についてのページより引用
http://www.skype.com/intl/ja/prices/payg-rates
ここには“世界中の固定電話や携帯電話”と書かれていますが、2.66円からなのは固定電話のみ。この表記はいかがなものかなぁ〜と。『Skype』のホームページは料金形態が非常に分かりにくいように書かれています。特に『Skype』から携帯電話への正式な通話料金は一体どこに書いてあるの? と言いたくなってしまう。
反対に、誇大広告というか詐欺的な料金明示はデカデカと(~_~;)。この書き方では携帯電話に通話しても1分2.66円で通話できてしまうとだれもが思ってしまう。
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世界中どこでもプラン :1500円/月(1725円“VAT込み”)
世界中40か国の固定電話に実質無制限の通話を発信。
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『Skype』ホームページ 月額プランについてのページより引用
http://www.skype.com/intl/ja/prices/pay-monthly/
こちらの表記はまとも。月額定額プランというのがあって、月に1500円払うと世界中40か国の固定電話にかけ放題! これは非常に安い。というか信じられない安さ。この宣伝文句にウソ偽りはないが、携帯電話へは別会計であることは明記されていない。
では、一体『Skype』から携帯電話への通話料はいくらなのか? 下記の通信履歴と通話料金の表示を見てください。
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最近の通話 番号 料金
10/23 23:36 +8190×××××××× $0.00
10/23 23:35 +8190×××××××× ¥27
10/23 22:33 +8190×××××××× ¥27
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23日の通話で0円と27円というのがあります。0円は不在だったため、通話していないので0円。27円の通話はつながった時点ですぐに切ったので、1〜2秒程度。『Skype』から携帯電話への通話はつながった時点で27円! (『Skypeクレジット』の場合)
27円の内訳は、17.50円/分(通話料) + 接続手数料9.9円=27円
ちなみに固定電話へは、2.66円/分 + 接続手数料9.9円
『Skype』ホームページに上記の携帯電話への接続料金が書かれているのかギモン。色々とページを見ても上記の説明が見当たらない……まあ、どこかにはあるのでしょうが……。つながった時点で27円。その後は分数ごとに課金されていきます(月額定額プランの場合は接続手数料がないとか)。
ソフトバンクのWホワイトプランを契約している人は1分21円。もちろん接続料はかかりません。
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定額料 ホワイトプランにプラス 980円/月
国内通話料
・ソフトバンク携帯電話、ディズニー・モバイル携帯電話宛
1〜21時 無料
21時〜1時 10.5円/30秒
・上記以外
終日 10.5円/30秒
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ソフトバンクモバイルホームページ Wホワイトについてのページより引用
http://mb.softbank.jp/mb/price_plan/3G/w_white/
なので、1〜2分の通話ならばWホワイトプランのソフトバンクで電話した方が安いわけです。何が何でも『Skype』の方が安いわけではないのです。
そして、重要なのは『Skype』からの電話は基本は“通知不可能”と表示されます。なので非通知拒否の電話などには通話できません。
こちらの番号を通知できる方法がひとつあります。それは“オンライン番号の取得”です。この番号を取得すると050で始まる番号が付与されます。オンライン番号の取得は有料で3か月2250円。12か月だと7500円。
しかし、このオンライン番号にも落とし穴があるんです。 『Skype』にはオンライン番号の取得のメリットを以下のように宣伝しています。
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ご存じですか? オンライン番号を発信者番号認識用に表示できるので、固定電話や携帯電話に通話を発信したときに、相手はあなたからの通話であることがわかって便利です。
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『Skype』ホームページ オンライン番号についてのページより引用
http://www.skype.com/intl/ja/features/allfeatures/online-number/
宣伝文句は、こちらの番号が表示されるので、相手に分かって良いですよ〜〜〜! と。でも、いざ番号を取得するとただし書きがあるんですね〜〜〜。
「スカイプでは発信者認識番号が必ず表示されるという保証はできませんのでご了承ください。」
なんだと〜(~_~;)
どこまでユーザーをなめとるんだ。と言いたくなります。でも、この表記は実は正しくはないのです! 正しくは「必ず表示されるとは保証できず、また表示されたとしても取得番号と違う番号が表示されることがあります」かと。ホームページでは一切触れられていませんが、じつは相手に表示される番号が自分の番号ではないことが多々あるのです。
恐ろしい……。お金を取って番号を取得させているのに、相手に表示できる可能性が低く、また表示されたとしても表示番号が違うなんて……。その番号にかけ直したら間違い電話ってことですよね。どういうシステムなのか理解不能。
『Skype』が安くはない理由わかりました? なので、『Skype』のアプリを入れたからって禁断のアプリなどと『Skype』を持ち上げるほどのものじゃないかと。『Skype』も良い宣伝をしてもらったものです。
ちなみに、私の場合正しい番号が相手に表示されたことはないです……(~_~;)
執筆: この記事はOrcaさんのブログ『デジタル@備忘録』からご寄稿いただきました。
文責: ガジェット通信
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