西アフリカで流行中のエボラ熱ウイルスの遺伝子が変異!? 仏・パスツール研究所の指摘
フランスのパスツール研究所の研究者グループは、31日までに、西アフリカで感染が拡大しているエボラ熱ウイルス(Ebola hemorrhagic fever virus)の遺伝子に変異が見られることを指摘しました。
パスツール研究所の研究グループは、人から人への感染力が強くなったエボラ熱ウイルスが発生しているか、分析を開始したことを公表。英国BBCが報道を行ったことから、パスツール研究所の指摘が広く知られることとなりました。
エボラ熱は、2014年3月、ギニアでの発症を発端に西アフリカへ拡大が始まり、現在も感染者が増えています。
2014年8月には、WHOが非常事態を宣言。各国も続々と非常事態宣言を出し、世界中に緊張が漂う状態が続いています。
日本においても、検疫法や感染症法を根拠に、防疫や、感染者の隔離・治療の体勢を整備しています。
今のところ、日本での感染者は出ていません。ですが、飛行機で簡単に世界中を移動できる時代です。入国の時点で、感染者を全て見つけ出し、隔離および適切な治療ができるとは限りません。
そのため、日本政府は、西アフリカでのエボラ熱感染拡大を食い止めることが最良の方法と考え、様々な支援を行い続けてきました。
それだけに、遺伝子の変異が見られるエボラ熱ウイルスが発生しているという、パスツール研究所の指摘はショックですね。
とはいえ、英国BBCの取材に応えたパスツール研究所の研究グループは、エボラ熱ウイルスの遺伝子変異によって、従来のエボラ熱ウイルスより、死亡率が下がる可能性があることを指摘しています。
ただし、人から人へ感染しやすくなったウイルスが発生しているとするなら、現在、世界が協力して行っている西アフリカでのエボラ熱ウイルスの封じ込めについて、今よりも厳しく取り組まなければなりません。
各国が国内向けに行っている防疫と、感染者の隔離・治療についても同じことがいえるでしょう。
フランスのパスツール研究所の分析結果が、いつ出るのか、今の時点では公表されていません。
ですが、エボラ熱感染拡大が収束に向かっていることを示すものであってほしいですね。
※写真は、NIID国立感染症研究所ホームページより引用
http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/a/vhf/ebora.html
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