幾原邦彦監督「百合ジャンルで本当の事はまだ誰もやっていない」 ”マチ★アソビ”で語られた『ユリ熊嵐』のヒミツ [オタ女]

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四国・徳島市で開催された”マチ★アソビ vol.13”。2014年10月11日から開催されたクライマックス・ランは台風19号の影響で13日の予定が中止になりましたが、12日までに多くのステージ・イベントが敢行され、全国から集まったアニメファンを楽しませました。
そんな中、11日には2015年1月よりMBSなどで放送予定となっているアニメ『ユリ熊嵐』のトークイベントが眉山山頂ステージで開かれ、幾原邦彦監督とKADOKAWAメディアファクトリーの吉沼忍プロデューサーが登場。作品の世界観やキャラクターについて少しだけ明かされています。

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そもそも『ユリ熊嵐』の意味は?

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既に発表されているPVが上映された後に登場した幾原監督と吉沼プロデューサー。2013年秋に続いて2回目となる”マチ★アソビ”の出演となる幾原監督は、終始リラックスムード。

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そもそもタイトルとなっている”ユリ”と”熊”とは、と問われると、「ユリというのは、皆が知っているいわゆる”百合”ですよ」といい、「百合と熊が出会って嵐が起こるという、あり得ない組み合わせ。百合は百合、熊は熊で混ざるはずがないと思っているけれど、みんな見たことがないものになると思う」とこれまでの常識に囚われないことを宣言しています。

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「僕はこのジャンルでは間違いなく新人。既にいろいろな方が作品を出していて、足元にも及ばない」と謙遜する発言も出る中、そこは『少女革命ウテナ』や『輪るピングドラム』で美麗で謎めいた世界観を提示してきた幾原監督。「実は(百合では)まだやっていないことがかなりあるのではないか、本当のことは誰もやっていないのではないかと気づいた。『ガンダム』は放映当時は単なるロボットアニメだったが、今見れば”リアルロボット”というジャンルを作ったのだと分かる。この作品は百合の中でそうなる」と語っています。

現在、『コミックバーズ』(幻冬舎)では森島明子さんのコミカライズが連載中。幾原監督と森島さんは『Twitter』で意気投合したといいますが、アニメ版ではまた別の世界が描かれることになる模様。吉沼プロデューサーによると、PVも「もしかして封印するかも」ということで、幾重にも張られている伏線がどのように生かされるのかは、実際にアニメ本編が放映されてみないと分からないというのが正直なところ……。ただ、明かされている情報からも幾原監督らしいエッセンスを随所に垣間見ることができるので、とりあえず徐々に発表されるキャストから想像をたくましくするしかなさそうです。

「シルエットでキャラクターが分かることを意識している」

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トークでは既に明かされている3名のキャラクターについても幾原監督が言及。

嵐が丘学園に転校してきた女の子で、正体は”人食グマ”だという百合城銀子については「爪がついていますが、一話を見て驚くと思う」とのこと。『ピンドラ』の高倉陽毬役に続いての出演となる荒川美穂さんについては「今回(陽毬とは)まったく真逆の性格なのが面白いかな」とのこと。さらにキャスティングについて「同じ年齢の声優を集めるとかわいいインフレを起こすので、(声質の)差を意識しています」とも明かしています。

また、キャラクターをデザインするにあたって「いつもシルエットを気にしている」といい、「マジックで真っ黒に塗りつぶした時に形がどうなっているのか、キャラクターが分かるというのを意識している」とポイントを指摘。『ウテナ』の影絵少女などもひと目で誰か分かるシルエットになっている幾原監督ならではの視点といえるのではないでしょうか。銀子も耳や爪の形が特徴的で、作中の演出を注視したいところです。

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銀子と一緒に転校してきた女の子で、やはり正体は”人食グマ”だという百合ヶ咲るる。しばしば暴走気味の百合妄想を展開し、ハチミツが好物で何にでも入れたがると、明かされているプロフィールからもポイントを押さえたキャラクターといえそう。ツインテールで巨乳というビジュアルについて、幾原監督は「男性で嫌いな人はいない。(おっぱい)マウスパットが羨ましかったので、なんとか作ってくれないかな」と笑わせつつ、「女性から拒絶されるといけないので、森島さんやキャラクターデザインの住本(悦子)さんの意見を聞いて、ディティールはお任せしています」と、他のキャラとの関係を意識していると語っています。

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嵐が丘高校に通う女の子で、母親をクマに殺されておりクマを憎んでいるという椿輝紅羽。プロフィールには「クールで人を寄せ付けないところがあるが、”友人”であり”恋人”である泉乃純花には心を開いている」とあり、いかにも百合というキーワードが散りばめられています。まだ詳細が明かされていない純花という存在が気になるところですが、幾原監督も「めちゃいいんですよ!」と自賛。吉沼プロデューサーも「作品にとって重要な役で、皆が納得する声優さんをキャスティングしています」と語っています。

ちなみに、そのほかの登場するキャラクターについては、「この世界は基本的に百合とクマですからね。男性は出ない」と幾原監督。オスのクマは出てきそうな雰囲気ではありますが、これも発表されるまでのお楽しみといったところでしょうか。

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トークの最後、「例えば、海外TVドラマの『24』でよくある登場人物全員が疑われて、疑心暗鬼になるような要素があったり、グリム童話のような残酷さのエッセンスがある」という吉沼プロデューサーは、「幾原監督が前作から形を越えようとやっているので、是非観て欲しいです」とアピール。
幾原監督は「企画から放送まで2年を要した」といい、「2015年になぜこの作品が作られて世にでるのか。僕の中で今、気にしていることがこの作品の切り口になっている。そこに正直に作るのがいいのか、今葛藤の中で戦っています」と淡々とした語り口ながらも熱を感じさせるメッセージを残しています。
『ウテナ』『ピンドラ』で一貫して「運命」を描き続けていた幾原監督が、どのようなストーリーで”百合”に挑むのか。かわいいクマの姿だけでなく、そのテーマにも注意しなければならないのは間違いなさそうです。 

おまけ

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トークショーの直後に開催されたオークションに出品されたサイン色紙。

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この日、初お披露目となった特製シールは、”マチ★アソビ”のKADOKAWAブースで配布されました。

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徳島阿波おどり空港に登場した巨大垂れ幕。『THE IDOLM@STER』『Tales of Zestiria』などに混じって『ユリ熊嵐』も堂々と掲示!

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TVアニメ『ユリ熊嵐』公式サイト
http://yurikuma.jp/ [リンク]

TVアニメ『ユリ熊嵐』公式Twitter
http://twitter.com/yurikuma_anime [リンク]

(C)2015 イクニゴマモナカ/ユリクマニクル

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ふじいりょう

乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。

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