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日本は1人当たりのGDPが低いのか?(疑似科学ニュース)

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今回はメカAGさんのブログ『疑似科学ニュース』からご寄稿いただきました。
※すべての画像が表示されない場合は、http://getnews.jp/archives/673076をごらんください。

日本は1人当たりのGDPが低いのか?(疑似科学ニュース)

なにかと呪文のように「日本は国民1人当たりのGDPが世界○位」とかいう。「日本はこんなに低いんだ」と。しかし何度か述べているけれど、そもそも産業の形態が全然違う国と比較しても意味がない。

たとえばリーマンショック以前、アイスランドは金融に特化してすごい効率の良さを誇っていた。でも真っ先にリーマンショックの影響を受けて大変なことになった。小規模な国というのは1点豪華主義的に、特定の産業に特化しないと、そもそも生き残れない。ベンチャーと同じですな(笑)。しかしそれだけに危機に対して脆い。これもベンチャーと同じですな(笑)。

小規模な国なら周りの国が助けてくれたり、立て直しも可能だろう。しかし大規模な国が万が一破綻してしまうと、他の国は助けられない。ハイリターンと引き換えにハイリスクに賭けるか、ローリスク・ローリターンを選ぶか、それはその国の規模や位置づけによる。

たとえばどんなにパフォーマンスが高い国でも、トータルの経済規模がたいしたことないなら、他国がその国を侵略する価値もたいして大きくないわけで、防備にかける金を節約できる。属国ですな。

   *   *   *

ということでやっぱ日本と比較するにしてもある程度同じ国と比較しないと意味がない。国同士を比較するにはいろんなやり方がある。一番簡単なのは為替レートで変換して比較するもの。

「一人当たりの名目GDP(USドル)の推移(1980~2014年)(アメリカ, 日本, ドイツ, フランス, イギリス, イタリア)」 『世界経済のネタ帳』
http://ecodb.net/exec/trans_country.php?type=WEO&d=NGDPDPC&s=1980&e=2014&c1=US&c2=JP&c3=DE&c4=FR&c5=GB&c6=IT


(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
http://px1img.getnews.jp/img/archives/2014/09/214.jpg

2014年の1人当たりの名目GDP(予測)
アメリカ 54979.94
日本   38141.84
ドイツ  47892.94
フランス 45123.47
イギリス 43829.98
イタリア 36215.65

欠点は為替レートの変動に影響されすぎること。その国の潜在的な経済力(生産力)はゆっくりとした変化で、為替レートほど急激には変化しない。

   *   *   *

こちらは購買力平価による比較。ビッグマック指数みたいなものですな。

「人当たりの購買力平価GDP(USドル)の推移(1980~2014年)(アメリカ, 日本, ドイツ, フランス, イギリス, イタリア)」 『世界経済のネタ帳』
http://ecodb.net/exec/trans_country.php?type=WEO&d=NGDPDPC&s=1980&e=2014&c1=US&c2=JP&c3=DE&c4=FR&c5=GB&c6=IT


(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
http://px1img.getnews.jp/img/archives/2014/09/39.jpg

2014年の1人当たりの購買力平価GDP(予測)
アメリカ 54979.94
日本   38052.68
ドイツ  41248.11
フランス 36537.47
イギリス 38710.53
イタリア 30803.00

依然としてアメリカには大差を付けられているけれど、ドイツとの差は縮まってるし、フランスやイギリスとはいい勝負。一方、なんか日本はイタリア並になったとか言ってた人がいるけど、購買力平価で比較すると、イタリアには結構な差をつけて勝ってるよね。まあ別に勝った負けたというのは意味がないんだが。ようするに日本はアメリカほどではないにせよドイツやフランスなどと同程度には持続的に成長しているということ。

   *   *   *

グラフを見ても為替レートで換算したものは1995年当たりは日本がアメリカを追い抜いているけれど、これは実態以上の円高のせいだろう。購買力平価で換算したものは、一見してなだらかに増加している。減少しているのはリーマンショックの2009年あたりだけだが、この時期は他の国も減少している。

他の国もそうだが為替レートによる換算は乱高下してるよね。為替レートは理想的にはその国の経済の実力を反映したものであるべきだが、実際はそうなっていない。それが2つのグラフの差に現れている。

   *   *   *

最初の話に戻るが、パフォーマンスのいい産業は脆い。必要なリソース(設備や人や金や時間)がかかる産業というのは効率が悪いが、良くも悪くも変化が少ない。農業や漁業。その次に工業。良い変化も少ない代わりに悪い変化も急激には起きない。やっぱそういう産業が国の経済の下支えとして重要。

金融や情報産業などパフォーマンスがいい産業は、良い時は良いが、悪くなると底なしに悪くなる。そういう産業に力を入れるのは止めないが、なぜ既存のパフォーマンスの悪い産業と排他的でなければならないんですかね。なんか目の敵にしてる人が多いが、そういうパフォーマンスの悪い産業を叩けば、パフォーマンスのいい産業が伸びるというものではないと思うが。

執筆: この記事はメカAGさんのブログ『疑似科学ニュース』からご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2014年09月26日時点のものです。

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