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神隠し?兵庫県で所在不明の子ども97人に

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所在不明の子どもが被害者となる虐待事件が全国で相次ぐ

最近、所在不明の子どもが被害者となる虐待事件が全国的に相次いで発覚しました。これを受け、厚生労働省が所在不明の子どもについて調査。兵庫県でも、乳幼児健診を受けていなかったり、保育所や幼稚園、学校に途中から来なくなったりして保護者に連絡や接触ができない18歳未満の子どもの数を市町に尋ねるなどして調査をしました。

その結果、平成26年5月1日の時点で、所在が確認できていない子どもの数が計97人にも上ることが明らかになりました。

社会との断絶は、子どもの虐待の温床

今のところ明確な事件性を伴って報告された事例はなく、また、海外に移転したり、引っ越しを繰り返したりして所在が不明になっているケースもあるため、すべてが虐待につながるわけではありません。

しかし、健診を受けなかったり、幼稚園や学校に行かなくなったりという、子どもの所在不明は、「虐待の原因」にもなりえるほか、「虐待そのもの」でもありえ、また「虐待の結果」ともなりえます。

すなわち、そもそも両親だけで子育てをすることには限界が当然あるところ、社会と断絶することで適切な援助が得られなくなり、その結果として両親のキャパシティーを超えてしまい、子どもに適切な養育を施せなくなったり、あるいは、その苛立ちから積極的に加害してしまったりということがよくあるからです。

また、「子どもの健康な発育のために必要な健診を受けない」「幼稚園や学校に行かせない」ということ自体、「放置」「ネグレクト」という、立派な虐待の一類型です。さらに、虐待を加えた親は、当然そのことを社会に知られたくありませんから、これを隠すために、社会とのつながりをできるだけ断とうとします。

このように、所在不明は、虐待の温床でもあり、また徴表でもあるため、これを手がかりとして一人でも虐待被害を未然に防ごうという発想自体は、極めてまっとうなものであるといえます。

子どもの虐待は、大人の働く環境を含めた社会全体の問題

しかし、当然、これだけで解決するわけではありません。虐待は、親の経済的な問題であったり、あるいは夫婦間のトラブルであったりが、その遠因になっているケースも多々あります。

また、幼少期に適切な対応をすれば、相当程度その発現を抑えることができるといわれる発達障害についての知識の不全などから、育てにくさを受容することができず、結果、虐待に至ってしまうケースも少なくありません。

子どもの虐待は、大人の働く環境を含めた社会全体の問題です。ごく一部の人間が富むことだけを目的とした社会の中では、虐待の問題は絶対に解決ないでしょう。悲惨な事件を見聞きして心を痛めるだけではなく、社会全体として、そして自分たち一人一人に何ができるのか、真剣に考えることが必要な時期に来ているのではないでしょうか。

カテゴリー : 政治・経済・社会 タグ :
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