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法人税減税をめぐる期待と課題

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法人税の実効税率を今後数年間で20%台に引き下げへ

平成26年6月13日、政府は経済財政諮問会議において、法人税の実効税率を今後数年間で20%台に引き下げることを、「経済財政運営の基本方針(骨太の方針)」に明記しました。日本の法人税の実効税率は現在約36%ですが、この税率は諸外国に比べて割高であるとかねてより指摘されていました。
例えば、フランスは約33.33%、ドイツは約29.55%、中国25%、韓国24.2%、イギリス24%、シンガポールに至っては17%です。これをドイツ並みに引き下げて、国際的にも遜色のない水準にしようという趣旨です。

法人税減税により、経済の成長に期待が持てる

法人税率を引き下げる一般的な効果としては、企業の収益力が増して、その分が賃上げや設備投資、配当に回ることが期待できます。そのお金が消費に向かって、さらに企業の収益力が増すという好循環が期待でき、経済の成長につながります。
また、企業活動がグローバルに展開する今日の経済においては、日本の法人税率を下げることで海外企業の日本への投資を促進したり、逆に、日本企業が海外へ進出することを抑制することも期待できます。

税収不足が懸念。3兆円近くの代替財源をどうするかが課題

その一方で、法人税率を引き下げると国の税収が減ることになります。試算では、法人税率が1%下がると4,700億円の税収が不足することとなるということなので、3兆円近くの代替財源をどうするかが課題となります。所得税率を上げることでカバーすることもありえますが、消費税の増税で国民は負担増しとなっていることから、法人税法の枠内で税収不足をカバーしようという案が有力のようです。具体的には、欠損金の繰越控除について利用制限を加える案や資本金など所得以外の要素に課税ベースを広げる外形標準課税を中小企業にも導入する案、各種の特別措置の見直し案が挙げられています。
法人税率を下げても、経済が成長すれば法人税額は増えることが期待できます。一方で、企業の収益力が増えても、それが借入金の返済や内部留保に回れば賃金は増えません。税率を何%いつまでに下げて、代わりに何を何%いつまでに上げるのか、難しい判断となりそうです。

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