逮捕から48年『袴田事件』の袴田巖氏が釈放 まだまだある冤罪事件
『袴田事件』として1966年に静岡県清水区にて起きた強盗事件の容疑者として逮捕された袴田巖(はかまだいわお)さんが48年ぶりに釈放された。当時の捜査に捏造があったこと、そしてDNA鑑定の結果一致しないことなどを考慮しての釈放となるが、まだ無罪を勝ち取ったわけではない。
今回の事件に関しては警察側の不当な取り調べや5点の衣類の捏造などが行われていたことが指摘されたが、1976年に控訴棄却、1980年11月19日に上告棄却となり、1980年12月12日に死刑確定となった。
逮捕から約48年間という半世紀にもおよぶ長い間を拘置所にて生活することになる。
本日釈放された袴田さん。半世紀ぶりに拘置所から出てきて何もかもが変わってしまった日本に何を思ったのだろうか。当時は携帯電話、パソコンどころかテレビすらモノクロの時代であった。人一人の人生をも台無しにした代償はいかほどであろうか。
まだまだある冤罪事件
現在、同じ死刑囚の事件『飯塚事件』も再審請求が進んでおり、こちらの被告である久間三千年(くまみちとし)元死刑囚は2008年に死刑が執行されており、現在はこの世にいない。しかしこちらの事件も捏造されたデーターが数多く浮上しており、同様に警察の捜査のずさんさが浮き彫りになっている。
そのきっかけとなったのが足利事件である。足利事件で逮捕された菅家利和被告のDNAと遺留物のDNA型とが一致しないことが鑑定結果で判明。2009年に釈放となった。この足利事件のDNA再鑑定依頼を出した直後に森英介法務大臣(当時)が死刑を執行した。
しかしこの事件も現在再審請求である。
時系列的に要約するとこうなる。
2008年10月16日 足利事件 再鑑定
2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず
再鑑定の結果が一致しないことを予期していたかのような動きの早さである。ネットでは「日本のやりかたは中世のようだ」と批判されているが冗談抜きでは済まされない状態である。
※この記事は、ゴールドラッシュの「ソル」が執筆しました。[リンク]
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。