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続々・PV亡者は金の亡者と同じ

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今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

続々・PV亡者は金の亡者と同じ

「ブロガーで一月3桁万円稼ぎたいなら良質なサイト作るしか無いよ!って話【初心者向け】」 2013年12月16日 「Web論」
http://webron.jp/webmaster/14753

上記の記事と結局同じような話なんだけど、それを裏側から述べてみる。良質なサイトを作るとプロブロガーになれない。まあプロブロガーというのは「ブログ」が商売なわけで、他に専門がある人間はなれないんだよね。

たとえば高度な技術的な一次情報を載せているサイトって、ほとんどアフィリエイトとかやってないよね。ソフトウェアの開発者とか。やる必要がない。本職が技術者で、ブログはあくまで本職で得られた情報の提供だから。

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専門書と似てる。よく研究者が嘆く。自分のまっとうな研究成果を記した本は、ごくわずかしか売れず、世間ではオカルトもどきの本ばかりベストセラーになる、と。それはあたりまえで、専門書というのは研究者同士しか読まない。大衆は読まないから数は売れない。大衆はいい加減な情報を面白おかしくセンセーショナルに書いた「わかりやすい」本を買う。

例えば俺は邪馬台国とかの古代史が好きだけど、地味なデータ、発掘された遺跡とかの数字の分析データが並んでる本は、大衆は読まないんだよね。読みにくいし、そもそも読んでもあまり面白くない。それらはすでにある定説をちょっとだけ補強するものだから。

それよりもいままでの常識を覆す「邪馬台国はムー大陸にあった」みたいな本の方が売れるし読まれる(笑)。ろくな考証とかしてなくて、ほとんど想像の産物で、資料的価値はほとんどないのに。

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ブログを長く書いている人は、「一生懸命書いた記事ほど読まれない」という法則を経験しているはず。きちんと調査しデータを集め、手間ひまかけて論証した価値の高い記事は、それを必要とする人がそもそも少ない。価値のある情報ほど、それを必要とする人は少ないのだ。逆に、素人でも「一言いいたい」ような内容の記事は、話題になるしPVが稼げる。

ブログでも書籍でも、価値ある情報を書いて、それで金を稼ぐというのは無理だろう。研究者は書籍の売り上げで稼いでいるわけではなくて、本業の研究で給料をもらってるわけだ。研究結果を本に書くのは慈善事業のようなもの。

一方、本やブログで稼がなければならないとなると、大衆に買ってもらえる内容を目指さなければならない。そうでないと数が出ない。堅実な内容で、なおかつ大衆に広く受ける本を書くのは難しいと思う。いきおいセンセーショナルな方向を狙うことになる。読んでも退屈なデータとかはすっとばして。

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ブログも金儲けとしてやるとなると、結局はテレビや出版など他のメディアのジレンマから抜けられないのだよね。バラエティやスキャンダルのような薄い内容の方が大衆ウケする。出版もマンガとかオカルトとかの方が数が出るだろう。でもそうするとどんどんレベルが低下し、最終的には自滅してしまう。

過剰適応というか進化の袋小路というか、かけるコストを最小にし、得られる売り上げを最大にして、最高のコストパフォーマンスを追求しすぎた結果、行き詰まってしまう。むしろ長く繁栄するにはコストパフォーマンスを下げなければならない。

これは自然界の生物が形成する生態系が、どことなく中途半端になってることとリンクすると思うのだよね。人間の目から見ると改良の余地がある。で、人間が改良してしまうと、バランスが崩れてしまい、自力では生態系を維持できなくなる。そうなると生態系の維持も人間がやってやらなければならなくなり、余計手間がかかってしまう。

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パフォーマンスを上げ過ぎない、目的に過度に適応しないようにブレーキをかけるという仕組みが必要で、これは自然界はもってるのだけど、人間はうまく獲得できない要素だと思うんだよね。「やり過ぎると自滅する」というのは実際にやりすぎてみないとわからない。

自然界ではそういう過剰適応した生物は絶滅していって、だからいま残っている種はそのちょっと手前に踏みとどまっているのだろう。人間も失敗して痛い目を見ないとその感覚が獲得できない。やっぱ痛い目を見ないと、「限界まで極めて見たい」という欲求が沸き起こるよね。

執筆: この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2013年12月26日時点のものです。

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記者:

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