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【レビュー】お茶の間インターネットの決定版なるか?『ROBRO TV』を触ってみた

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先日、ドウシシャから発表となった”インターネットができるパーソナルテレビ”こと『ROBRO TV』(ロブロ TV、以下、ROBRO)の試作機がガジェット通信にやってきました。「今までのインターネット機能付きテレビとはちょっと違う」という『ROBRO』、一体どんな特徴を携えているのか、レビューしてみたいと思います。

– 「TV-WEB シームレス ブラウザ」

いきなり結論から言うと、『ROBRO』はネットブック相当のパソコンが内蔵された「地上デジタルハイビジョン液晶テレビ」です。さらに突っ込んだ言い方をすると、全画面がブラウザであり、地上デジタルの画面も実はブラウザで制御されているという徹底(?)ぶり。実はこうすることで、「テレビチャンネル」と「インターネットのお気に入り」のそれぞれを強く意識することなく、切り替えることができるようになっているのです。

たとえば、「チャンネルスロット」というリモコンのボタンを押すと、テレビとお気に入りが登録されたランチャー(ボタンの集合のようなもの)が登場します。ここにはNHK教育もフジテレビも『Yahoo!』も『楽天』も『G-mail』も、同じ扱いで登録されているので、チャンネルを切り替えるようにインターネットのお気に入りにアクセスすることができるのです。

– 「リモコンだけ」にこだわったユーザーインタフェース

この手の製品開発では、ユーザーインタフェースはとても気を使う部分のひとつです。もともとキーボードとマウスでの操作が前提で作られているウェブブラウザの操作をリモコンのみで行うには、何かしらの工夫が必要になってきます。実は『ROBRO』でインターネットに接続すると、リンクのすべてに赤文字で3桁の番号が振られるのです。

移動したいリンクに対して番号をリモコンで入力すると、ジャンプできるというわけなのです。Flashページなどの場合も考えて、「マウスモード」というのも搭載されています。この場合はリモコン上のカーソルキーでカーソルを画面上で移動させることが可能です。

では、「ネットショッピングなんかでIDやパスワード入力が必要だけどどうするの?」という疑問も当然出てきます。この時には、リモコンの数字部分がケータイでの文字入力のように働きます。マウスやキーボードは使ったことないけどケータイのメールなら打てる、という人にとっては非常になじみ深い入力方法というわけです。

– 『Windows XP』と『Internet Explorer』と『Intel CPU』という「王道」だからできること
搭載されているOSは『Windows XP Embedded』という組み込み専用のもの。そしてブラウザは『Internet Explorer7』(カスタム版)。いずれもパソコンのユーザーには当たり前すぎるほどなじんでいる名前のいわば王道。そして搭載されているCPUも『Intel Atom』です。これらの組み合わせが意味するところは、”枯れた”環境であるため開発が非常に容易である、ということ。そして今後のバージョンアップもパソコン市場に従いやすいため、容易な性能アップが予測できます。

そして『ROBRO』には、USB端子が2基搭載されています。ここにUSBキーボードやUSBマウスを接続すると、通常のPCのような操作が可能になります。この事はリモコンでのオペレーションを否定するものではなく、拡張であると考えたいところです。そして、外付けのUSB接続タイプのハードディスクを接続すると、なんとハードディスクレコーダーの機能を持つことが可能になってしまうという、まさに何でもアリの状態に突入。

こうした「家電」のブラウザで気になるのはFlash Playerの動作とバージョンです。ガジェ通編集部で試したところ、Flash Playerのバージョンは10.0.32.18でした。つまり、2009年現在のウェブページのほとんどに対応しているということになります。実はパソコン以外でのこうしたマルチメディアデバイスで、高いバージョン(カレントバージョン)のFlashPlayerがサポートされるということ自体が実は結構まれなこと。これは大人の事情や思惑(おもわく)といった様々な要素によると思われますがユーザーにとっては使いやすくなる要素ですので、非常にありがたいことです。

- 使ってみて

画面の解像度は1366×768というフルワイドXGA規格の19インチ。テレビもブラウザ画面を経由しているとの説明でしたが、見ている限りでこれといった違和感もありません。また、インターネットのブラウジングについては、若干色味が浅いかなあ?というような表示のクセはあるものの、これといった表示上の不便は感じませんでした。

高速なマシンでのインターネット環境に比べると、ブラウザ表示の若干のもたつきが気になるかもしれません。これは、リモコン操作のためのリンク再生成のために描画をしているせいかもしれませんし、『Atom』プロセッサの処理能力に由来するところかもしれません。リンク再生成のタイミングがわかると、「まぁ、このくらいのテンポなのね」と、それほど気にならない間とも言えます。

リモコンでシームレスにテレビチャンネルと『Yahoo!』や『YouTube』、『ニコニコ動画』などを閲覧できるのは結構新鮮でした。きっとテレビが目の仇(?)にしているであろう『YouTube』や『ニコニコ動画』が見れる「インターネットTV」はありそうでなかったのではないでしょうか。

パソコンでのインターネットに慣れきっている記者としては、どうしてもマウスとキーボードが欲しかったので、USB端子につなげたらあっさり認識。この時点で「TVの観れる普通のネットブック」に早変わりです。

映像入力は地上デジタルTV、アナログTV、HDMI、S映像、D4、RCA。入出力ポートとしては10/100BaseTのLAN、USB2.0×2、マイク入力、音声出力と、必要なものは大体そろっています。

- ロボットブラウザ 『ROBRO』が目指すもの

これまでもいくつかの「インターネット対応TV」というものが家電業界から登場していました。通常のテレビでもケーブルテレビなどのサービスを通じてウェブの一部にアクセスできるような仕組みがあったり、Wiiなどのゲーム機でもネットのニュースを閲覧できたりする仕組みが用意されたり、と ”お茶の間”には徐々に、そして確実に”インターネット”が侵食してきています。

なぜこれだけ多くのメーカーが”お茶の間にインターネット”を運び込もうとしたのでしょうか。ひとつには「インターネットを触らない人があきらかにテレビ寄りの人たちに多いから」という理由が挙げられると考えられます。昭和20年代のいわゆる「団塊の世代」を含めた世代の人たち向けにインターネットを提供しようとしたとき、パソコンには多くのハードルが待っています。

例えばキーボードやマウスといったハードウェア的な問題から、インストールや各種認証、ユーザーインタフェースの習熟といったソフトウェア的な問題が主だったところでしょうか。パソコンからこうした困難を取り除いた形で、いろいろなメーカーがしのぎを削っていたというのがこれまでの”お茶の間インターネット”の実情だったのではないかと思います。

『ROBRO』の命名由来には、「ロボット」「ブラウザ」という言葉もあったそうです。人間が面倒な仕組みに合わせるのではなく、機械(ロボット)が人間側に歩み寄ってくれるような、そんな便利で役に立つ商品になって欲しいという願いが『ROBRO』には込められているようです。

まもなく発売開始となる『ROBRO』がインターネットの更なる間口を広げるのか、注目です。

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記者:

「予備校生のような出で立ち」で写真撮影、被写体(スチル・動画)、記者などできる限りなんでも、体張る系。 「防水グッズを持って水をかけられるのが好き」などの特殊な性質がある。 好きなもの: 食べ物の写真、昔ゲーム(の音)、手作りアニメ、昭和、穀物

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